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公開日:2020年12月10日

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アスベスト対策に関する意見書

先般来、アスベスト関連製品を製造していた事業所の従業員や周辺住民などが、中皮腫などアスベストが原因とみられる疾病により、健康被害を受けていることが全国的に報告されている。
本県においても、アスベスト製品の製造・加工に従事した者など十数名が、肺がんや中皮腫を発病し、労災認定を受けたことが明らかになっている。
現在、アスベストに関する法的規制は強化されているものの、アスベストを原因とする疾病は発症までの期間が数十年と長く、規制以前のばく露による健康被害の拡大や、今後、アスベストを含む建築物の解体や改造に伴い、新たに環境汚染や健康被害が生ずる可能性も懸念され、県民の間に不安が広がっている。
よって、国におかれては、こうした状況を踏まえ、国民の安全と安心を確保するため、次の事項について、特段の措置を講じられるよう強く要望する。

  1. アスベストばく露が原因と見られる健康被害については、現行の労災補償や公害健康被害補償の対象としていない元従業員、家族及び周辺住民等の被害者に対する救済を実施するため、新たな法律において健診や医療費補助等の必要な措置を早急に講じること。
    なお、この措置に必要な財源は、国とアスベスト関連企業の負担により確保すること。
  2. アスベスト関連疾患の早期発見、早期治療のため診断・治療従事者の育成や技術力の向上を図るとともに、検査手法や治療方法の開発を進めること。
  3. アスベストに関する最新の知見をとりまとめ、迅速かつ十分な情報提供を行うなどして、国民の不安解消に努めること。
  4. 吹付けアスベストの除去等の改善措置に対する助成制度や融資制度を創設するなど必要な支援措置を講じること。
  5. 撤去した吹付けアスベストの安全確実かつ安価な処理技術の研究開発を進めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成17年10月5日

香川県議会

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