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公開日:2020年12月10日

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生産性の高い競争力に富んだ農家の育成促進を求める意見書

政府は、平成22年度に米を対象とする戸別所得補償モデル事業を実施することとしている。この事業については、農家の経営基盤強化につながるとして期待する声もあるが、全国一律の交付単価とされたため生産条件が不利な地域への補償が十分でないという問題があるほか、米のみが優遇されることで、麦や大豆等の自給率向上につながらず、多様な農業の発展にも支障を来すとの見方がある。加えて、これまで担い手が集積してきた農地の返還を求められることへの懸念も示されている。このような混乱は、地方の農村現場の実態を十分に把握することなく、拙速に制度設計が進められたことが大きな原因である。
一方、来年度予算案からは、農業農村整備事業の予算が大幅に削減されることとなり、農山漁村地域の総合的な整備に充てられる新たな交付金は創設されるものの、農業の生産性を高めるための基盤整備が進まないことが危惧されている。
農業の産業としての持続性を確保し、国民に安全・安心な国産農産物を供給していくためには、多様な経営実態や生産条件の相違等にも配慮しつつ、生産性が高く競争力に富んだ農家を育成していくことも必要である。
よって、国におかれては、以下の点に十分留意し、生産性の高い競争力に富んだ農家の育成促進を図られるよう強く要望する。

  1. 米の戸別所得補償モデル事業の実施に当たっては、条件不利地域の実情に配慮するとともに、制度を本格導入する際は、麦や大豆等の畑作物の位置付けを明確にし、多様な農業の展開に資する制度とすること。
  2. 戸別所得補償制度の導入により、生産性の高い担い手への農地集積の加速化が阻害されることのないよう配慮すること。
  3. 米のみを優遇することなく、野菜、果樹、花き、畜産等の多様な農業を支援する施策体系を構築し、充実した価格安定対策等を実施すること。
  4. 地域の実情に即した基盤整備が計画的に推進できるよう、農業農村整備事業予算の個所付け基準の明確化や、新たな交付金の充実等、必要な措置を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年3月24日

香川県議会

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