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公開日:2020年12月10日

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公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築を求める意見書

政府は、当初、本年6月からの導入を予定していた高速道路等の新料金制度について、二転三転するその足並みの乱れから先送りし、まずは先月28日から来年3月末までの間、全国37路線50区間において、高速道路の無料化の社会実験を開始した。
しかしながら、高速道路等の無料化や受益者負担を基本としない安価な料金設定は、JRやフェリー、バス等との適切な役割分担を損ねるばかりでなく、我が国の交通体系の崩壊に繋がりかねない。これらの業界にとっては、高速道路等の無料化や安価な料金設定が経営悪化を招き、地域の交通網が縮小することとなり、その結果、自家用車を利用できない高齢者や学生等の交通弱者の移動手段が確保できなくなる恐れがある。さらには、地球温暖化対策にも完全に逆行するものであり、その整合性については大いに疑義がある。
このように多くの問題点を抱えているにも拘わらず、政府は、今後も高速道路等の無料化を段階的に進めるとしているが、この政策が国策によることを考えれば、本来、総合的な交通体系の構築を前提とすべきであり、現政権が今回進めている道路政策によって影響を受けるJRやフェリー、バス等の公共交通機関に対しては、その維持・存続のために公的支援策を同時に講じるべきである。
よって、国におかれては、平成23年度予算編成において公共交通機関への支援を含む総合的な交通体系の構築に向け、次の事項を実施されるよう強く要望する。

  1. 公共交通機関の安定的な運営と高速道路等の料金引下げが可能となる総合的な交通体系の構築を図ること。
  2. 高速道路等と競合し影響を受けるJRやフェリー、バス等の公共交通機関に対しては、減収補塡を含め、事業者の実情を踏まえた支援を講じること。
  3. 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の持つ利益剰余金については、国庫に返納させることなく、JR四国をはじめとするいわゆるJR三島会社及びJR貨物の財務基盤の安定化や収益基盤の強化のため有効活用できるようにすること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年7月8日

香川県議会

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