議会情報

採択された意見書・決議

保育所における給食の外部搬入に関する意見書


 本年6月の児童福祉施設最低基準の一部改正により、これまでは構造改革特別区域内の公立保育所においてのみ特例的に認められていた保育所における給食の外部搬入方式が、3歳以上児に限定しつつも、一定の要件を満たせば私立保育所を含め地域を限定することなく全国において可能とされたことは、非常に憂慮すべき事態である。
 大都市での待機児童及び保育所不足に端を発する今回の改正は、効率性や経済性を優先しているもので、食育の重要性を軽視するものであり、厚生労働省がこれまで指導してきたことや、現行の保育所保育指針にも矛盾するものである。
 そもそも食事は空腹を満たすだけでなく、人間関係の信頼関係の基礎をつくる営みでもあり、食を営む力の基礎を培う「食育」を乳幼児期から実践していくことは、非常に重要である。特に、保育所は乳幼児が一日の生活時間の大半を過ごす場であることを踏まえれば、保育所における食育は、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育んでいく基盤となるものである。
 食育やふるさとを愛する心を育む地産地消を推進することの重要性を考えれば、地場の食材を調理し、温かい食事やアレルギー児の除去食を園児の状態に応じて細やかに提供できるよう、保育所に調理室を備えて自園調理とすることが基本であり、原則である。
 今般の保育所の給食の外部搬入を全国で認めることは、子供の健全な育ちよりも効率性の観点のみを重視する「保育の産業化」に向けての第一歩とも呼ぶべきものであり、重大な懸念を禁じ得ない。
 よって、国におかれては、効率性のみを求める保育の産業化につながるような制度設計にならないよう、子供の最善の利益に配慮するとともに、地域の子供の実情・保育の理念を充分に考慮し、今回の児童福祉施設最低基準の改正を再考し、保育所における給食の安全・安心を守るための追加規定を整備するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年10月14日
香 川 県 議 会