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■ PCB問題

PCBは、絶縁性、不燃性などの特性により、かつては、トランス、コンデンサといった電気機器をはじめ幅広い用途に使用されていました。しかし、昭和43年にカネミ油症事件が発生するなど、その毒性が社会問題化したことから、我が国では昭和47年以降、製造されていません。
その一方で、すでに製造されたPCBを処分するために、民間主導によるPCB処理施設の設置の動きが幾度かありましたが、施設の設置に関し地元住民の理解が得られなかったことなどから、処理実現に至りませんでした。このため、処分のめどが立たないまま長期にわたる保管が継続する中で、PCB廃棄物の紛失等が発生し、PCBによる環境汚染の進行が懸念される状況となりました。
世界的にも、一部のPCB使用地域から、全く使用していない地域(北極圏など)への汚染の拡大が報告されたことなどを背景として、国際的な規制の取組がはじまっており、我が国においてもPCB廃棄物を処理するための体制を速やかに整備し、確実かつ適正な処理を推進することが急務となっています。
このため、国は、平成13年6月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB廃棄物特別措置法)」を制定し、その事業活動に伴ってPCB廃棄物を保管する事業者に対してPCB廃棄物の保管状況等の届出や政令で定める期間内の処分を義務付けました。
その後、国は日本環境安全事業株式会社(当時)を活用してPCB廃棄物の処理施設の整備に着手し、平成16年12月以降、全国で5か所の拠点的広域処理施設での処理が始まりました。
一方、PCB廃棄物特別措置法施行後の平成14年、PCBを使用していないとされるトランスやコンデンサから微量のPCBが検出されるものがあることが判明し、廃棄物処理法において無害化処理認定制度の対象に微量のPCBに汚染された廃棄物が追加されました。その後、当該制度を活用して処理体制を確保する取組が始まり、平成22年から処理が始まりました。

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■ PCBとは

・ PCBの性質

PCBの構造
PCBは、ビフェニルの水素が塩素に置換した化合物の総称です。水に極めて溶けにくく、沸点が高いなどの物理的な性質を有する主に油状の物質です。また、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質を持っています。このため、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されてきましたが、現在は、製造・輸入ともに禁止されています。
PCBは、その分子に保有する塩素の数やその位置の違いにより理論的に209種類の異性体が存在します。中でも、コプラナーPCB(コプラナーとは、共平面状構造の意味)と呼ばれるPCBの毒性は極めて強くダイオキシン類として総称されるものの一つとされています。

・ PCBの毒性

脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。
PCBが大きくとりあげられる契機となった事件として、カネミ油症事件があります。この事件は、米ぬか油(ライスオイル)中に、脱臭工程の熱媒体として用いられたPCB等が混入したことが原因で、昭和43年10月、西日本を中心に広域にわたって、米ぬか油による食中毒が発生しました。当時の患者数は約1万3千名に上ったと言われています。一般にPCBによる中毒症状として、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着などから始まり、ついで、座瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節のはれなどが報告されています。

・ PCB(コプラナーPCB)の発生源

ダイオキシン類の主な発生源は、ごみ焼却などの燃焼によって発生することが一般に知られていますが、その他製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車の排気ガスなど様々な発生源があり、いずれも意図的に製造したのではなく、非意図的に生成されたといえます。
一方、PCBに含まれるダイオキシン類であるコプラナーPCBについては、前述のようにごみ焼却によって発生することが判明しているほか、トランス、コンデンサ等の紛失・不明による機器内に含有していたPCBの流失が環境中に存在している要因の一つではないかとの指摘があります。

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■ PCBの用途

国内では、昭和47年までに54,001tのPCBが使用されていました。主な用途は、電気機器用の絶縁油、各種工業における加熱並びに冷却用の熱媒体及び感圧複写紙などです。現在では、製造が禁止されています。
用途大別
製品例・使用場所
絶縁油
トランス用
ビル・病院・鉄道車輌・船舶等のトランス
コンデンサ用
蛍光灯・水銀灯等の安定器、冷暖房器・洗濯機・白黒テレビ・電子レンジ等の家電用、モーター用等の固定ペーパーコンデンサ、直流用コンデンサ、蓄電用コンデンサ
熱媒体(加熱と冷却)
各種化学工業・食品工業・合成樹脂工業等の諸工業における加熱と冷却、船舶の燃料油予熱、集中暖房、パネルヒーター
潤滑油
高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油、極圧添加材
可塑剤
絶縁用
電線の被覆・絶縁テープ
難燃用
ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ゴム等に混合
その他
接着剤、ニス・ワックス、アスファルトに混合
感圧複写紙
ノーカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙
塗料・印刷インキ
難燃性塗料、耐食性塗料、耐薬品性塗料、耐水生塗料、印刷インキ
その他
紙等のコーティング、自動車のシーラント、陶器ガラス器の彩色、カラーテレビ部品、農薬の効力延長剤、石油添加物

○ PCB使用の代表的な電気機器

PCBを含む代表的な電気機器には高圧トランス、高圧コンデンサ及び安定器などがあります。トランス(変圧器)とは、交流の電圧を上げたり下げたりする装置です。コンデンサ(蓄電器)とは、電気を一時的に蓄える、電圧を調整する、位相を変化させる、といった効果を持つ装置です。

高圧トランス

トランス内はPCB油とトリクロロベンゼンの混合液(重量比3:2)で満たされています。例えば、50KVAの場合で約85kgのPCBが入っています。

高圧コンデンサ

コンデンサ内はPCB油で満たされています。例えば、100KVAの場合で約40kgのPCBが入っています。

安定器

蛍光灯の安定器の中にも、低圧コンデンサが使われています。コンデンサ内の巻紙のすき間に少量のPCB油が含浸されています。昭和47年8月以前に製造された業務用・施設用蛍光灯器具の安定器では数十g程度のPCBが入っているものもあります。ただし、一般家庭で使用されている蛍光灯には、PCBは使用されていません。

○ PCB使用電気機器の判別について

それぞれの機器にPCBが含まれているかどうかは、銘板に載っている型式や製造年月日をもとに各メーカーに問い合わせください。PCB使用電気機器の判別方法や各メーカーの窓口については、一般社団法人日本電機工業会のサイトを参照してください。

PCB安定器

・ 昭和32年1月から昭和47年8月までに製造された、次の器具に使用されています。

・ 具体的には、安定器の種類によりPCBコンデンサが使われています。安定器の種類等は、「表示ラベル」で確認できます。

・ 安定器の「表示ラベル」で、種類・力率(高力率)・製造年(ロット番号)を確認し、該当するかどうかを判定してください。

・ 総合的なお問い合わせは一般社団法人日本照明工業会へお願いします。

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■ PCB廃棄物

PCBを含む廃棄物のうち以下の表に該当するものは、廃棄物処理法で定める特別管理産業廃棄物になります。この法律の規定により、事業者は、これらの廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければなりません。
PCB廃棄物の適正処理を確保するため、平成13年6月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB廃棄物特別措置法)」が制定されました。

廃棄物の種類
基準
廃PCB等
○ 廃PCB及びPCBを含む廃油
PCB汚染物
○ 汚泥(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが染み込んだもの
○ 紙くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが塗布され、又は染み込んだもの
○ 木くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが染み込んだもの
○ 繊維くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが染み込んだもの
○ 廃プラスチック(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着し、又は封入されたもの
○ 金属くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着し、又は封入されたもの
○ 陶磁器くず(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着したもの
○ がれき類(事業活動等発生物に限る)のうち、PCBが付着したもの
PCB処理物
○ 廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したもの
廃油
PCBの量が0.5mg(試料1kg中の値)を超えていること
廃酸又は廃アルカリ
PCBの量が0.03mg(試料1L中の値)を超えていること
廃プラスチック類又は金属くず
PCBが付着している又は封入されていること
陶磁器くず
PCBが付着していること
上記以外
PCBの量が0.003mg(検液1L中の値)を超えていること

<参考>

日常生活に伴って生じた廃エアコンディショナー、廃テレビジョン受信機、廃電子レンジに含まれるPCB使用部品については、特別管理一般廃棄物になります。

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