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竹林の整備と利用の手引き −健全な森林の再生モデル事業−
Y 竹林の整備と利用の課題と進め方

■1.竹林の整備と利用を進めるための課題

 竹林が手入れされず放置され、拡大した要因には、@竹林整備のコスト、A維持管理の担い手不足など、竹林の整備のための課題と、B竹材・タケノコ生産の意欲の低下、C竹材・タケノコ生産の経済性から見た不利性など、竹林の利用のための課題が挙げられますが、竹林の整備の推進には、竹材の利用拡大が密接に連動しており、これらが竹林整備・利用推進のために解決すべき課題と考えられます。

1.竹林整備のコスト

 竹林を森林に転換し、森林を再生するためには、広葉樹林を人工林に転換するのに比べ、およそ1.5倍の手間と経費がかかるほか、下刈など森林として維持管理するためには、およそ2〜2.5倍の手間と経費がかかることから、利用推進と図るとともに、整備及び維持管理にかかる支援制度などを検討する必要があります。

2.維持管理の担い手不足

 竹材やタケノコの需要の減少とともに、地域の過疎化及び高齢化が進み、竹林の維持管理の担い手が不足しており、今後もその傾向は続くものと予想されることから、地域における協業化など体制づくりが必要です。また、みどりや環境への関心が高まる中、ボランティア団体などによる森林づくり活動が広がりをみせており、活動の場の提供や活動への参加を呼びかける必要があります。

3.竹材・タケノコ生産の意欲の低下

 竹材・タケノコの代替品や安価な中国産の輸入により採算性が低下し、所有者の生産意欲が低下していることから、今後、地域での竹材・タケノコの新たな利用開発など、所有者の意欲を高める必要があります。

4.竹材・タケノコ生産の経済性から見た不利性

 竹林の所有形態が小規模であること、竹材及びタケノコの生産時期が集中することなどから、伐採・収集に経費がかかるなど、経済的に不利であるため、需要・供給情報を共有する体制づくりや、地域での協業化などにより集荷、流通等のコスト削減を進めると同時に、竹材・タケノコの利用拡大のための製品開発や需要・供給体制を整備する必要があります。

■2.竹林の整備・利用の考え方

 県内における竹林は、その生態的特性から周辺の森林や耕作放棄地等に侵入し、過去15年間でおよそ1.8倍にまで拡大し、森林の有する公益的機能を阻害することが懸念されています。この現状から、竹林への取り組みは“適正な管理及び拡大防止”と考えられます。

 竹材は資材としての需要が減少するなか、再生産可能なものであり、竹林の維持管理及び拡大防止の取り組みと並行して竹材利用拡大への取り組み(研究、連携、支援・指導、普及啓発)を進める必要があります。

1)竹林整備の考え方

 荒廃竹林をどのような竹林あるいは森林に誘導するかといった整備目標の決定、改良・整備への取り組み手法・担い手など整備方針の検討が必要であり、その手順はつぎのように考えられます。

1.森林所有者の意向(整備目標の検討)

 竹林には、生産竹林、荒廃竹林、侵入竹林などがあるが、将来、森林所有者がその竹林を生産竹林(竹材、タケノコ)として整備・維持するのか、あるいは竹林として維持するのではなく、森林として整備・維持するのか、人工林などへ転換・再生するのか、といった整備目標を決定する必要があります(V竹林の整備目標の項参照)。

2.整備の技術的検討

 荒廃竹林の現況を把握するため、調査事項としてはつぎの点が挙げられます。

  • 従来の林相、土地利用状況(竹林、人工林、天然林及び地目など)
  • 地形・傾斜
  • 樹木、竹の本数密度、樹高、直径
  • 林床の植生、林内照度 など
  •  このような現況に基づき、竹林の改善方法、適正な竹林維持・管理方法、拡大防止手法などについて検討する必要があります(V―4竹林の整備指針の項参照)。

    3.取り組み手法・担い手の検討

     荒廃竹林の整備への取り組みは始まったばかりであり、どのような手法で整備を進めるか検討する必要があります。

     現段階で考えられる整備手法としては、つぎのような取り組みが考えられます。

  • 森林組合や所有者による整備(行政の支援(補助))
  • ボランティア活動による整備(住民参加活動の場の提供・協力)
  • 竹林オーナー制度による整備(協定など)
  •  地域住民の参加による竹林整備など様々な取り組みが考えられますが、地域の森林整備の担い手は過疎・高齢化により不足している現状から、整備の団地化や協業化や担い手の実行体制づくりとしては、行政機関と連携し、森林組合などが担うものと考えられます。

    4.情報の共有手法の検討

     竹林の整備にあたっては、行政機関、森林所有者、参加ボランティア及び森林組合などが情報(荒廃竹林の分布、森林所有者の意向、住民参加型の活動状況、森林組合の現状など)を共有することが必要であり、行政機関ではその仲介機関としての役割が大きいと考えられます。さらに、情報の共有手法としては、行政機関などにおけるインターネットを活用したネットワークづくりなどが考えられます。

    2)竹材利用の考え方

     新たな需要を開拓するため、パーティクルボードや合成樹脂成型品の製作など付加価値を高める必要があると同時に、農業への竹材利用など地域型活用体制の確立による需要を開拓し、また、生産者の高齢化、後継者不足を解消するため、団地化や協業化など、竹材産地として収集・供給体制を確立する必要があります。

     生食用タケノコの生産と同時に、穂先タケノコのように生産時期などが異なる製品のブランド化を進めるため、作業の省力化のための作業路などの基盤整備を進め、共同生産・出荷体制を確立する必要があります。