平成21年度小・中学校生徒指導担当教員等研修会報告

 

日  時:平成21年8月20日(木)9:30〜16:30

 

場  所:高松テルサ(高松市屋島西町)

 

目  的:いじめの認知件数や不登校児童生徒数は学年が上がるにつれて増加し、特に中学校1年時において、小学校6年時と比較して大きく増加している。そこで、小学校と中学校が緊密に連携し、いじめや不登校などの問題行動を生み出さない魅力ある学級づくりと円滑な接続について共通理解を図る。

 

対  象:小・中学校の生徒指導担当教員

 

研修内容:○ 研修報告(義務教育課 担当指導主事)

      「平成21年度生徒指導者養成研修会を受講して」

       ・児童生徒の問題行動等について

       ・いじめ・不登校の理解と対応について

       ・望ましい学級集団づくりについて

○ 全体講演(香川大学大久保智生准教授による講演)

     ○ 分科会協議

       議題 「携帯電話、インターネットに絡む生徒指導上の対応」

「問題行動等への対応」

「いじめ問題の対応」

「児童虐待の疑いのある児童生徒への対応」

○ 全体説明(義務教育課担当者による説明)

      ・問題行動の現状と各学校が取り組むべきこと

・県教育委員会の施策について

      ・児童虐待、学校・警察連絡相互連絡制度について

 

 

メモ: 課 長 挨 拶
 

 


生徒指導上の諸問題は、高度情報化あるいは少子化等と社会がさまざまに変化しているなかで、複雑多様化し、より深刻なものとなっています。

生徒指導上の火急な問題として、まず、インターネット・携帯電話の利用に関する問題が挙げられます。児童生徒が、携帯電話やインターネットのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)・ブログサイト等を利用し、従来になかった交友関係を構築するケースが増えるとともに、犯罪に巻き込まれる事件も後を絶たず、児童生徒が性的被害に遭うという痛ましい事件も多発しています。

また、学校における暴力行為の急増です。特に中学校では、昨年度に比べ対教師暴力が約1.5倍となっています。今年度もそれらの事件等による逮捕者が、8月19日現在で昨年度全体の件数、人員を上回り大変厳しい状況にあります。暴力行為が多発する理由も、複雑化しており、解決方法を手さぐりしながら、一人ひとりへの粘り強い対応が求められるケースが増えてきているだけに、学校の指導体制の強化、教職員の共通理解、共通実践が求められています。

さらに、県子ども女性相談センターが受けた虐待相談への対応件数が、平成20年度489件と過去最高となるなど増加の一途を辿っており、児童生徒を育む家庭の力の低下が懸念され、生徒指導上の対応をより困難にしているように思われます。

6月には県内で母親による小学校1年の女児に対する虐待事案が発生しました。本日の研修会では、児童虐待防止マニュアルと教職員向け研修資料を配布するとともに、説明することとなっています。9月からの授業再開に向け、教員研修会をお願いします。

こうした問題に対して、県教育委員会では、県警との連携による小学校6年生対象の非行防止教室の実施、SCの中学校区への配置、夏休み前の校長会・教頭会等においてSNS等利用における被害状況の周知、各校に対する携帯安全教室の実施依頼など様々な取り組みをおこなっています。さらに学警連絡制度の効果的な運用する必要があります。

特に、市町教育委員会と所轄の警察との間で連携協定が結ばれております。各学校では生徒指導担当教員を中心に、情報の共有を図り、子どもたちの健全育成や立ち直りの支援を図っていただきたいと思います。

 

 

メモ: 全 体 講 演
 

 


   演題「学校・学級の荒れをどう見るか?」

香川大学教育学部 准教授  大久保 智生 先生

テキスト ボックス: 【講師プロフィール】
○専 門  教育心理学 社会心理学 犯罪心理学
○受賞歴  2002年・2004年 社会安全研究財団 優秀論文
       2007年9月   日本教育心理学会 城戸激励賞
       2007年9月   日本犯罪心理学会 研究奨励賞
○学会・研究会活動
  日本パーソナリティ心理学会機関紙編集委員会 委員(2006年〜)
  日本パーソナリティ心理学会大会活性化委員会 委員(2007年〜)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 【講演要旨】

    学校や学級の荒れのプロセス

    問題行動を起こす生徒の学校への適応

    荒れている学校での問題児への指導

    学校の荒れと指導のダブルスタンダード化

    指導の内容だけでなく関係も考慮する指導の必要性

 

 【受講者感想】

○問題行動を起こした児童・生徒だけでなく、一般の児童・生徒に対する関わり方にも目を向けることや指導のダブルスタンダードを避けることが大切であると感じた。

○教師がチームとして一つの基準を明確にし、ブレない指導・取組みをしていかなければならないと思った。

○一つの見方で捉えるのではなく、多面的に捉えることの大切さを感じた。

 

メモ: 分 科 会 協 議
 

 


○4つのテーマに分かれて分科会を行った。

1「携帯電話、インターネットに絡む生徒指導上の対応」

2「問題行動等(万引き、対教師・対生徒間暴力)への対応」

3「いじめ問題の対応」

4「児童虐待」への対応

 

○生徒指導担当教員より提出された事例から特徴的な事例を選び、対処方法について活発に協議を行った。

 

 【参会者からの意見・感想】

  ○「携帯電話、インターネットに絡む生徒指導上の対応」

   ・児童生徒にはSNSの危険性などを十分に指導する必要がある。

   ・保護者には効果的な機会をとらえてフィルタリング(ホワイトリスト方式)の設定を啓発する必要がある。

 

  ○「問題行動等(万引き、対教師・対生徒間暴力)への対応」

・問題行動把握時の指導と保護者との連携を図る必要がある。

・学校だけで抱え込まず警察など関係機関と緊密に連携して対応する必要がある。

 

○「いじめ問題の対応」

   ・いじめをはやし立てたり、傍観したりする行為もいじめる行為と同様に許されない行為であるという認識を

子どもに持たせる必要がある。

      ・問題の重大性を正しく認識し、いじめを許さない学校づくりに努める必要がある。

 

○「児童虐待」への対応

   ・全教職員共通理解のもと学校全体で早期発見と早期対応に努める必要がある。

   ・疑わしいと感じたら、抱え込むことなく積極的に児童相談所などの関係機関へ速やかに通告する必要がある。