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【香川から世界へ】瀬戸内国際芸術祭2016スタート

瀬戸内国際芸術祭2016スタート  島々がアートを抱く108日

直島パヴィリオンの写真

藤本壮介「直島パヴィリオン」 2015年3月、直島の宮浦港に完成。アートの内部に入ることができる。

3月20日、瀬戸内国際芸術祭2016が幕を開け、多くの人々が瀬戸の島々を訪れる。来場者は作品を巡るうち、現代アートと島の共存に目を見張り、そこに住む人と話し、地元の料理を口にし、祭りに加わって、いつしか島そのものの(とりこ)になる。アートをきっかけに生まれる瀬戸内での体験は、芸術祭を旅する醍醐味(だいごみ)でもある。今年は、島々と香川の魅力をより深く伝えるプロジェクトも立ち上がる。

島の地図

アートによる海の復権

 2010年に第1回を開催し今年で3回目となる瀬戸内国際芸術祭。12の島と2つの港を舞台に春・夏・秋の3会期で催され、出展されるアート作品・プロジェクトは200組超となる見込みだ。

 アートの祭典として注目される芸術祭だが、基本テーマは「海の復権」である。瀬戸内海は古来より世界と日本を結ぶ交通の要所。常に新しい物と情報が行きかい、小さな島でも各々個性溢れる文化を育んだ。ところが、経済の都市集中が進む20世紀を経て過疎化と高齢化が進み、島は力を失ってしまう。

 しかし今、芸術祭をきっかけに、島は自信と活力を取り戻しつつある。国内外からの来場者が、島民さえ忘れかけていた歴史や伝統の価値を認め、称えたのだ。

 2014年には、芸術祭での来島をきっかけに、人口約180人の男木島に子育て家族がUターンし、休校していた小中学校が再開した。まさに「復権」と言える、象徴的な出来事だ。

世界の希望の海へ

 今回の芸術祭では、このテーマをより深め、具体的に発信する。アートの展示やイベントに加え、瀬戸内や香川の魅力発信と他地域との交流を目的に、3つのプロジェクトが展開される。

 世界中から集まる人々を、地域の料理でもてなす試みが、『瀬戸内の「食」を味わう「食プロジェクト」』だ。地理や歴史、生活など、その土地らしさを最も表すのが、食。芸術祭では、地元の人たちが中心になり、各島の食材や特性を生かしたメニューを開発し、「味わえるアート」として楽しむことができる。高松市の栗林公園商工奨励館では「讃岐の晩餐(ばんさん)会」と題し、パフォーマンスを鑑賞し、地元食材のおもてなし料理を味わう特別な夜会が開かれる。

 『アジアを中心とした世界との文化的交流』は、夏会期の目玉になりそうだ。高松港にアジアの国々の食とものづくりのマーケット「瀬戸内アジア村」が設けられ、トップパフォーマ―によるパフォーマンスも繰り広げられる。無国籍な食堂「ALL AWAY CAFE(オール アウェイ カフェ)」では、世界からの来場者が言葉を超えて交流できる。

 『豊かで特色ある瀬戸内の文化の発信』は、香川の特色ある魅力を発信。盆栽や獅子舞など、山や里で受け継がれる伝統を伝えるプロジェクトだ。

 芸術祭をきっかけに、国際的に開かれていく瀬戸内は、固有の価値を再生しさらに発展させることで、世界にとって「希望の海」になることを目指している。

作品「国境を越えて・潮」の写真
リン・シュンロン(林舜龍)
「国境を越えて・潮」(作品イメージ)
196体の人型が並ぶ作品。

瀬戸内食のフラム塾
その島らしさを食で伝える

 『瀬戸内の「食」を味わう「食プロジェクト」』の一環として、昨年6月から8回にわたり「瀬戸内『食』のフラム塾」が開かれた。

 瀬戸内には、魚介をはじめ誇るべき美味が多い。また、独自の伝統料理や食習慣もある。来場者が「島の食」に触れる機会を増やすべく、「食」を通じた地域活性化を支える人材を育てるため、芸術祭の総合ディレクター・北川フラム氏自らが塾頭を務めた。

 「アートの好きな人は、日々の暮らしに面白さを見つけるのが上手な人だと思います。きっと食にも大いに興味があるでしょう。アート目当てで来た人たちを、五感がイキイキするような食でおもてなしして、驚かせたいですね」と、北川氏は語る。

 塾には、食のプロ、料理関係者だけでなく、主婦、会社員、若い人に自分の知見を伝えたい島のおばあちゃんまで、100人を超える多彩な人材が集まった。「食を通して、瀬戸内の魅力を伝えたい」という思いを受け継いだ塾生たちの活躍が期待される。

塾の写真

瀬戸内国際芸術祭2016

【 会期 】

春/2016年3月20日(日・春分の日)〜4月17日(日)
夏/2016年7月18日(月・海の日)〜9月4日(日)
秋/2016年10月8日(土)〜11月6日(日)
総計108日

【 会場 】

直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島(春)、本島(秋)、高見島(秋)、粟島(秋)、伊吹島(秋)、高松港・宇野港周辺
12島 全14会場

作品鑑賞パスポート

 当 日
一 般5,000円
高校生
(香川・岡山県以外)
3,500円

フェリー乗り放題3日間乗船券

 当 日
大人(中学生以上)2,500円
小人(小学生)1,250円

【 購入方法 】

コンビニエンスストア、公共交通機関、主要旅行代理店、各種プレイガイド等で販売しています。

詳細は>

瀬戸内国際芸術祭チケットセンター
TEL087-811-7921にお問い合わせください。
瀬戸内国際芸術祭2016のホームページでも詳細をご案内いたします。
http://setouchi-artfest.jp

瀬戸内国際芸術祭2016のポスター