建物紹介

建物外観 昭和48(1973)年に竣工した瀬戸内海歴史民俗資料館は、昭和50(1975)年に「日本建築学会賞(作品賞)」を受賞し、建築雑誌『新建築』『建築文化』にも紹介され、昭和63(1988)年には「第一回公共建築賞優秀賞」も受賞しました。また平成10(1998)年には「公共建築百選」にも選ばれるなど、香川県を代表する建築物です。設計は当時、香川県建築課課長であった山本忠司氏。

建物・周辺環境について

概要

建物の外観・周辺

敷地面積 45,094.00㎡
建築面積 3,771.50㎡
延床面積 4,441.11㎡
展示部門面積 1,281.60㎡
収蔵部門面積 1,761.78㎡
管理部門面積 1,397.73㎡

特長

  • 瀬戸内海国立公園を見下ろす山上に立地する。
  • 「海賊の城」のイメージで設計する。
  • 自然地形を活かし、外壁は建築工事の際に出た石を積み上げるように貼りつける。
  • 面積の大小、床面の高低がそれぞれ異なる10の展示室が中庭を囲むように配置される。
  • 館内合計170段以上を数える階段や屋外を通りながら巡る。
  • 小さな展示室にはそれぞれ窓ガラスをはさんで屋外にも展示スペースが用意される。
  • 展示室の展示壁面にはハイサイド窓が設けられ採光がとられる。
中庭「日本建築学会賞受賞」記念碑「公共建築百選」記念プレート

建築家・山本忠司氏の回想「完成への道程」より

航空から見た資料館と周辺 自然環境の中で建築という行為をするとき最も問題となることは、対立か調和かということであろうか。岩山を破壊することから始めたこの建築は明らかに自然破壊そのものであったが、丘の形にそって配置した建築の内部空間にもアップダウンが山の勾配にそってある。建築群で囲まれた内庭には自然のままの植生が残してある。それは囲まれた自然であり、建築の外側にも大きな自然が、こんどは建物を取巻いている。地中深く眠っていた石は、ダイナマイト爆破され、地球上の酸素を吸収し、新しい息吹きを得た。一つ一つ別な表情をもつ石たちは地上高く積上げられ、一つのマスとなって別な表情と生命を得た。なぜ石を積重ねるのかという疑問がある。それにはなぜ石を捨てるのかという疑問で答えることになる。この場合、外装のためタイルを貼ることと若干意味が異なってくる。
建築の外部に向かってもいくつかの石垣で構成した棚を作った。建築と同じ8m角であるこれらは、内から外に向かって展示されるスペースであり、内にある自然の空間もやっぱり展示スペースであるが、内のスペースと外のスペースとを合わせて一つのものとするという考えであり、それらの面積を合わせると建築面の約3倍はある。

(『展示案内 瀬戸内海のくらしと歴史』瀬戸内海歴史民俗資料館1999年より)

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