かがわアグリネットトップページに戻ります

スタイルシートが無効なため使用できません→ 文字の大きさ: 

現在地:トップページ > 作物栽培の道具箱 > 作物管理ワンポイントアドバイス > 野菜 > 2月

作物管理
ワンポイントアドバイス
2月 イチゴの変形果と不受精果は、なぜできる?
【農業経営課 農業革新支援グループ】

 イチゴ生産の課題として、果実の奇形と変形および不受精があると販売できない。この原因は多様であるため限定できないが、考えられる理由を解説する。

開花前の低温

 イチゴは、他の果菜類に比べて、一般的に低温管理である。しかし、受精の適温は、25〜30℃の高温域にあることを忘れてはいないだろうか。なかでも、不受精の原因となる低温に敏感な時期、とくに、開花前10日頃(花芽分化後1カ月)は雄しべの花粉ができ始める時期で、低温をはじめとする環境の変化に一番弱い時期である。

開花前と開花時の高温

 開花後40℃の高温に3時間おかれると、花粉はだめになる。また、先に述べた開花前10日頃の高温も雄しべを不能にする原因となる。

開花前と開花時の日照不足

 開花日の日照不足が連日続くと、花粉の稔性が極端に低下する。なかでも開花前10日頃の日照不足は花粉の発生を少なくする。

開花日の湿度

 イチゴの花粉の稔性は、湿度が高いと極端に低下する。とくに女峰はこの特性が敏感に現れる。

苗の窒素過多+定植後の窒素過多+日照不足

 定植後に茎葉が元気良く伸びて、栄養成長過多の生育をさせると、養分が葉の生育に奪われて、花粉の発生量と稔性が極端に劣る。この上に日照不足が重なると、不受精はさらに助長される。女峰はこの特性が強いため、夜冷育苗以外の苗は、定植前の窒素中断を確実に行い、栄養成長から生殖成長への切り替えを癖づけた苗づくりが栽培の基本となる。

開花時の薬剤散布

 イチゴは、雄しべから花粉を出し、雌しべに受粉して受精するまでの時間は30時間を要する。この時間(開花日)に薬剤散布をすると、花粉が雌しべに着いても、花粉の発芽が抑えられて、受精が妨げられる。例えばこの時は、水を散布しても雄しべの花粉の飛散を悪くし、花粉が破裂して受精不能となるのである。

開花時のミツバチの活動

 イチゴの受精はそのほとんどをミツバチの力に頼っている。ミツバチは、イチゴの雄しべの根元に分泌する蜜を集めに花にとまり、雄しべと雌しべの間に体を入れて蜜を吸う。その時に花粉も後ろ足に乗せて持ち帰るため、全身を使って採取する。この時に飛散(湿度が高いと飛散が悪い)した花粉が雌しべに乗ることでイチゴの経営を支えてくれているのである。ミツバチの活動適温は、13〜20℃とされ、晴天を好み、活動時間帯は午前11時頃の訪花が最も活発で、1分間に4〜7花を移動する。この理由から開花中の薬剤散布を控え、湿度を下げ、換気は午前、午後は温度確保を行うこと。さらに、ミツバチの動きをよく観察して飛来の悪い場合は、早めに巣箱のリース先へ交換を依頼する。

花粉を好む害虫「ミカンキイロアザミウマ」の被害

 このミカンキイロアザミウマは、イチゴの開花前の蕾に侵入して、雄しべの花粉を餌に蕾から開花した花を食い荒らす害虫で、これが寄生してもイチゴの不受精果と変形果の原因となる。防除は普通のスリップスと薬剤が異なるので、普及員等の指導を受けて防除を行う。