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公開日:2020年12月10日

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花き

定年を迎え、第二の人生を花き栽培でというパターンです。ポイントとしては週末農業と同じく、過剰投資をしないこと、一時期に作業が集中することのない無理のないような労働配分を行うということが考えられます。週末農業との大きな違いは毎日農作業ができることにあります。そこで、輪ギクのように手間のかかる作業にもある程度対応することは可能です。ただし、この場合も家族の協力は不可欠で、できれば2名体制で望みたいものです。以上のことを踏まえ、2つの経営モデルをご紹介しましょう。

キクの露地栽培

過剰投資を避けるということを念頭に置き、露地栽培だけでモデルを策定してみました。省力的な小ギクと、多少手間のかかる輪ギクの組み合わせです。


図-3 キクの露地栽培(小ギク10a+輪ギク10a、本人・家族2名、年収100万円)

お盆の需要をにらんだ8月出荷の小ギクと、10月下旬から11月上旬にかけて出荷する秋咲き輪ギクを組み合わせた露地栽培です。労働時間に多少バラツキが見られますが、2名でこなせるモデルとなっています。露地栽培については出荷時期がある程度自然の成り行き任せになるので、特に8月出荷の場合、うまくお盆前に出荷できるかどうかで、収益にかなりの影響が考えられます。小ギクの露地栽培で具体的な作業名と10a当たりの作業時間は大凡次の通りです。

耕耘・畝立て(25時間)、施肥(5時間)、定植(30時間)、潅水(15時間)、摘心・整芽(60時間)、中耕・除草(45時間)、杭打ち・ネット張り・ネット上げ(40時間)病害虫防除(30時間)、収穫・出荷調整(450時間)、片づけ(20時間)、その他(10時間)【合計730時間】

なお、輪ギクの栽培では小ギクの作業に芽かぎ作業が250時間程度追加されます。

ラナンキュラスの施設栽培+水稲栽培

ラナンキュラスはキンポウゲ科の球根植物です。購入した球根は年に3倍ほどに増加し、翌年の栽培にも使用できますが、ウイルスに感染すると切り花品質が低下します。ウイルスを除去したウイルスフリーの球根が作られるようになり、収量や品質の向上に役立っています。省力的な花きですが、過湿に弱いのと冬場の出荷になるので施設が必要です。


図-4 ラナンキュラス施設栽培と水稲の栽培(ラナンキュラス10a+水稲30a、本人・家族2名、年収180万円)

ラナンキュラス施設は必要ですが、収穫が11月から4月始めにかけてコンスタントに続くことで、労力の集中が避けられるラナンキュラスのモデルを示しました。また、ラナンキュラスだけでは夏場に作業がなくなるため、花きではないのですが、作業が比較的楽な水稲を組み合わせました。
ラナンキュラスの施設栽培で具体的な作業名と10a当たりの作業時間は大凡次の通りです。

耕耘・畝立て(15時間)、球根準備(30時間)、施肥(10時間)、定植(70時間)、潅水(30時間)、ビニール被覆(20時間)、古葉かぎ(25時間)、杭打ち・ネット張り・(20時間)病害虫防除(15時間)、収穫・出荷調整(795時間)、片づけ(15時間)、その他(35時間)【合計1,150時間】

 
 
 

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