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現在地: 香川の環境 > みどり・自然 > 木材利用 > W 県内におけるモデル地区での竹林の整備と利用の取り組み
竹林の整備と利用の手引き −健全な森林の再生モデル事業−
W 県内におけるモデル地区での竹林の整備と利用の取り組み

 県内でも竹林の拡大が著しい地域においては、モデル地区として地域住民の参加のもと、次のような新たな取り組みが始まっています。

■1.農業資材としての利用に向けた取り組み

 竹林整備の取り組みには、竹の新たな利用が欠かせないことから、竹林を伐採してチップ化し、堆肥化や竹粉炭としての土壌改良剤の活用、また、竹材(竹チップも含む)の植繊機による有機肥料やマルチングとしての活用の可能性の実証に取り組んでいます。

 竹チップについては、堆肥化しており、その過程を検証中ですが、植繊機による有機肥料については、桃のマルチングとして7haの畑に、また、米や野菜などの有機肥料としておよそ0.8haの田畑に施用しており、収量、品質や味覚などについて検討することにしています。

 竹林整備・竹材利用のための伐採・搬出は、通常の立木伐採に比べ、次のような特徴があり、伐採・搬出に手間と経費がかかるうえに、竹材由来の肥料が農作物の収量や品質に与える効果を把握するには時間がかかること、また、肥料としては、市販の肥料との競争になることから、高い収益は期待できないかもしれませんが、地域での竹林拡大防止の取り組みとしては有効であると考えられます。

  • 伐採した竹は人力により移動が可能である。
  • 機械力によらなくとも作業は可能である。
  • 人力作業での労働強度が相当大きい。
  • 効率的な架線集材が困難である。
  • 多くの場合、路網が整っていない。
  • 残材を処理する必要がある。
  • 小型軽量の機械導入が必要である。
  • *竹林の拡大と利用について(高知大学 後藤純一)より

     しかし、竹林の伐採、チッパーによるチップ化、植繊機を用いた有機肥料化の行程については、初めての経験でもあることから、次のとおり、伐採、運搬、チップ化などにコストがかかることが課題であり、団地化、協業化や、作業路の整備などによるコスト縮減など、供給体制づくりを検討するほか、農作物を特産品として付加価値を高めるためなどの取り組みが必要です。

    (単位;人/1,000u)
    作業種
    行程
    伐採、搬出、集積など
    およそ10人
    チッパーによるチップ化
    およそ20人
    植繊機による有機肥料化
    およそ60人

     モデル地区での取り組みの結果、竹林の伐採・木寄せ・搬出・チップ化などには、整備の団地化や協業化とともに、補助具や小型機械の導入によって人力作業の負担を軽減することが可能であり、チッパー、植繊機の導入や、小型軽量の機械移動のための作業路などの整備を検討する必要があります。

     また、地域での取り組みを進めるためには、竹のチップなどを肥料として活用した農作物の付加価値を高めるなど、需要の掘り起こしが必要であると考えられます。

    ■2.竹材の利用への取り組み

     竹材は、竹炭、竹酢液、土壌改良剤として利用されています。この場合、原料である竹材は周辺から持ち込まれる竹材であり、伐採・搬出にコストがかかるため、竹材の収集・供給体制、利用拡大や価格面で厳しい状況にあります。しかし、竹の利用拡大は、健全な森林の再生を促すとともに、地場産業として地域振興・就労の場の確保などといった副次的効果が期待できます。

     このような中、地域における竹の利用拡大のため、産学官の連携を密にし、竹チップ、竹オガコ、竹パウダー、植繊材や竹粉炭を混入した建材として利用可能な合成樹脂成型品の試作や、竹粉炭の壁材への活用など付加価値を高めた製品の開発をはじめ、竹パウダーの家畜飼料、竹チップの堆肥化、竹材及び竹チップの法面保護材などとしての利用を検討しています。

    ■3.タケノコ生産への取り組み

     缶詰用は安価な中国産が大部分を占め、生食用は、早掘りタケノコ生産を目的とした熱心な所有者が減少する中、現在、仲南町では、缶詰会社と連携し、5月中旬に2〜3mに伸びたタケノコの穂先を収穫し、保存できるように加工し、穂先タケノコ(シャッキリタケノコ)としてのブランド化に取り組んでいます。本来、タケノコの収穫は、掘り取りで重労働を伴うのに対し、省力化や生産者の意欲向上に伴う竹林の管理を促すものと考えられます。また、穂先タケノコの採取は、タケノコの発生を抑制し、竹林拡大防止に繋がることも期待されます。

     しかし、中国産を輸入する缶詰用に比べて、収穫・加工にコストがかかることが課題であり、団地化や協業化などにより、供給体制づくりを検討するほか、特産品として付加価値を高めるための取り組みが必要です。

    ■4.県民参加の竹林整備への取り組み

     最近では、環境への意識の高まりから、県内各地で里山林づくりへの参加を希望する都市住民などのニーズが高まりつつあり、県では「どんぐり銀行活動」や里山オーナー制度を推進し、ボランティア活動団体などによる森林づくり活動の推進や森林所有者に手入れされず、放置された里山を森林づくり活動への参加希望者(ボランティア)に提供しています。

     また、「フォレスターズスクール」を開講し、森林ボランティア活動や森林環境教育の指導者を育成しています。

     今後、竹林の整備の必要性について、関心を高めるとともに、竹林においても整備を希望する森林所有者と整備活動への参加希望者とを結ぶネットワークづくりや行政の仲介による活動の場と機会の提供などを検討する必要があります。