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目次

かがわの両生類

カエル

 香川県に生息する両生類は、日本全国で生息する68種のうち、サンショウウオの仲間がカスミサンショウウオ、オオダイガハラサンショウウオの2種。イモリの仲間がアカハライモリの1種。カエルの仲間がニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、カジカガエル、トノサマガエル、ツチガエル、ヌマガエル、ウシガエル、ヤマアカガエル、ニホンアカガエル、タゴガエル、ニホンヒキガエル,ダルマガエルの12種。合計15種です。

写真:ニホンアマガエル・シュレーゲルアオガエル・ニホンアオガエル・トノサマガエル
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 両生類にとって良好な水辺環境の多い高松市塩江町では、これまでに15種が確認されています。また、水田の稲作と密接な関係にあるニホンアマガエルやヌマガエル、ため池を住みかとするウシガエルは、現在のところ個体数も多く、県内に広く分布しています。しかし、他の12種は、生息地の環境の変化によって、分布範囲が狭められ個体数の減少が目立ってきています。その中でも、とくに個体数の減少が顕著なものは、カスミサンショウウオ、アカハライモリ、ニホンヒキガエル、トノサマガエルの4種です。

 カスミサンショウウオは1930年頃には、平野部の田畑にも生息していました。現在は、讃岐平野に点在する山頂に火山岩を載せた山々などのふもと周辺でしか確認することができません。カスミサンショウウオは、2月から3月にかけて、一対のバナナ状またはコイル状の卵のうを、湧水や止水の枯れ枝や枯れ葉などに産み付けます。一つの卵のうには約40〜100個の卵が含まれています。全長は約10〜15cmで、成体の体表はなめらかで茶色っぽく、尾の上下の縁は黄色を帯びています。体側の肋条(前足と後ろ足の間にある縦じま)は13条です。昔から農村では佃煮にして食べたり、疳(かん)の虫の薬として利用していました。

写真:カスミサンショウウオの成体と卵のう
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 アカハライモリは、かつては平野部の水田や石積みの用水路,ため池等に広く分布し,方言で「アカボテ」「ユウビンサン」と呼ばれていました。現在は,山間部の限られた地域の比較的きれいな水が流れ込む水田や池でのみ確認されています。トカゲに似た体つきをしていますが、全長は約10cmのものがほとんどです。体表は真っ黒で、背に1本筋が見られます。腹面は鮮やかな赤色で不規則な黒班が散在します。春に1個ずつ水草に産卵します。

写真:アカハライモリ(表) アカハライモリ(裏)
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 ニホンヒキガエルは、日中、民家の縁の下や神社などの床下にひそみ、雨上がりの夕方や夜に活動することが多かったため、かつてはたくさんの人に目撃されていました。方言で、「オンビキ」とか「ガマガエル」と呼ばれ、火の用心のシンボルとして大切にされてきました。現在では、限られた地域の雑木林・森林地帯などに生息しているのが現状です。体長は約7〜15cmで、カエルの仲間ではウシガエルについで大形です。体表は幼体では黒っぽい色をしていますが、成体になると茶色になるものが多いようです。背にイボがあるのも特徴です。3月ごろ、水温が約10℃になると、池や沼・湿地などで産卵をします。「ガマ合戦」と呼ばれるこの産卵風景は、メス1個体に対してオス10個体以上が群がる壮絶なメスの争奪戦です。オスはこの時期だけラブコールをします。卵のうはひも状で長いものでは10mを超えるものがあります。

写真:ニホンヒキガエル(成体) ニホンヒキガエル(卵のう)
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 トノサマガエルは、1960年代までは香川県の平野部の水田地帯に広く分布していました。田植えを前にした水田の苗代では、多数の卵塊を見つけることができました。現在は、山間部の水田のまわりでしか見つけることができなくなっています。平野部の圃場整備が行われた水田でトノサマガエルを見つけることは、たいへん難しくなっています。中形のカエルで体長は、雄が約6〜7cm、雌が約7〜9cmです。

 トノサマガエルは、日本のカエルの中では例外的にオスとメスで体の色に差があります。オスは全体に緑色の部分が多く、背中に不規則な黒い斑点があります。背中の中央には黄緑色のはっきりとした1本のたてすじが走っています。メスは全体に白っぽく、背中に多くの黒い斑点があります。背中の中央には白色のはっきりとした1本の縦すじが走っています。5月はじめごろから水田や水田の近くの小さな小川・ため池で見かけることが多くなります。この時期、水田の中や水田のよけなどで卵塊を見つけることができます。

 両生類は、比較的きれいな水があるところや水田など水がたまりやすいところ、石垣など「すきま」の多い環境を生息場所としています。近年、両生類の生息を支えてきた湧水や、昔ながらの土と石でできた水路やあぜ、土や石積みでできた土手、その近くの雑木林が減少し、生息環境は急速に悪化してきています。           

篠原 望
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