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公開日:2020年12月10日

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香川を舞台に夢のある研究を

何森 健(香川大学特任教授)の顔写真何森 健(香川大学特任教授)

「希少糖は生物に必要ない」と長年言われていましたが、「いつか役立つときが…」と信じて、研究を続けてきました。酵素を見つけられたのは、本当に偶然。微生物からのプレゼントです。現在は全種類の希少糖を作ることが可能になりました。研究が進めば、D-プシコースや、抗酸化作用や抗がん作用のあるD-アロース以外にも効能がある希少糖が出てくるかもしれません。
2001年に、国際希少糖学会を組織し、シンポジウムを開催してきました。毎回、研究者が世界中から香川に集まります。香川が希少糖研究の中心です。香川から発信できる研究がしたいと思っていたので、うれしい限りです。
大学での研究を基に、企業ができ、商品ができ、希少糖は一大産業になろうとしています。健康効果ばかり注目されがちですが、無限に広がる可能性も含めて、希少糖は「夢の糖」です。
そんな夢のある研究を子どもたちにも知ってもらいたいとの思いで、07年から希少糖生産技術研究所が中心となって、「希少糖甲子園」を開催しています。全国から集まった高校生が希少糖を使って実験を行い、成果を発表します。若者たちの柔軟な発想には、こちらも刺激を受けます。
また、希少糖生産技術研究所では、ともに三木町小蓑地域に所在地を置く山南営農組合と連携して、希少糖D-プシコースを含む植物「ズイナ」の増殖や栽培事業に取り組んできた経緯があり、現在、希少糖の木として注目を集めている「ズイナ」の商品化に向けて、三木町山間部の過疎地発の新規プロジェクトに挑戦しています。
ぜひ、皆さんに希少糖を知ってもらって、地域を元気にする資源として活用してほしいですね。

何森特任教授の著書
「希少糖 秘話」

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