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公開日:2020年12月10日

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絵画と文字×比喩と象徴 ~メタファーとシンボル~

会期 令和2125日(土曜日)~322日(日曜日
月曜日(ただし2月24日(月曜日)は開館・なお、2月25日(火曜日)~3月9日(月曜日)は臨時休館)
開館時間 9時00分~17時00分
(入館は閉館の30分前まで)
会場 香川県立ミュージアム 常設展示室4・5
観覧料 一般 410円 団体(20名以上)330円
※ 高校生以下の方、65歳以上の方、身体障がい者手帳等をお持ちの方は無料
関連行事 担当学芸員によるミュージアムトーク
2月1日(土曜日)、3月14日(土曜日) 13時30分~
参加無料・申込不要 ※観覧券が必要です

展覧会の紹介

日本文化の長い歴史のなかで、絵画と文字は情報の伝達と相互共有を図るための道具として、欠かすことのできない存在です。微妙なニュアンスの違いを相互に補い、柔軟に形を変えることで時代の特性を受容してきました。
本展では、日本固有の感性を育んだ比喩表現に込められた絵画と文字について、館蔵作品で紹介します。

展示紹介

濱野 年宏 『日輪讃歌』 昭和43年(1968)

絵画の筆と絵具を駆使するという従来の概念を取り払い、数字のスタンプを押す行為によって制作された作品である。数字の羅列が絵画の構成要素として用いられる。そして筆跡による絵肌がひとつひとつの数字の形状の違いによって表現されている。つまり、ここでの数字群は画面上の円環を組成するための分子のような役割を果たしているといえよう。

前田 常作 『絵日記 9月のマンダラ』 昭和44年(1969)

曼荼羅とは、仏教の世界観を誰が見てもわかるように視覚化したものであり、経典に登場する仏と現世との相関関係を示す構成図のようなものである。作者は、この曼荼羅をカレンダーに見立て、その月に起きた出来事を記録した絵日記として制作された。
本作は、縦横区切られたマス目には日を示す数字が書かれている。プライベートな出来事が中央の円に描かれ、外環には社会的な事件や事故などが画像として綴られている。場合によっては補足的に言葉が添えられる。

小森 秀雲 『沙羅』 平成元年(1989)

沙羅とは植物の名称「ナナツバキ」のことである。仏教の聖樹でフタバガキ科の沙羅樹に似ていることからシャラの木と呼ばれる。
平家物語の冒頭に“沙羅双樹の花の色”と謳われ、“盛者必衰の理を現す”と続く。この詩文からは静謐な情景に沙羅の慎ましく、鮮やかな色彩が色を添える場面を想像させる。

眞子 實也 『モニュメント「あえぐ」』 昭和44年(1969)

一般に漆工品は、茶道具や文房具など多くは用途を持つのだが、本作は用途を有しないモニュメントである。人が“あえぐ”という状況を目に見えるものとして表現したものである。
横一文字が上方に向かって折れ曲がるように見える形からは、苦悶していることが想像できるだろう。

川島 猛 『N.Y.69 Black and White』 昭和41年(1966)

第二次世界大戦後、川島は1963年にニューヨークへ渡った。すでに世界の美術は次のステージである現代美術の領域にあり、抽象表現が主流となっていった。あらゆる人種がニューヨークで活発な創作活動を展開するなかで川島は、日本文化を歴史的に象徴する紋章をモチーフに用いた。元来、紋章は文字や言葉を駆使したものではなく、絵画の持つ直感的な意味把握によるものである。
川島は日本の紋章を、人種を越えて意味を伝える事ができるユニバーサル言語として絵画表現に応用した。

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