ここから本文です。
高松市(国分寺町・庵治町)を訪問し、視察や意見交換を行いました。他の行事等との関係で、6月10日と17日の2日に分けて訪問させていただきました。
6月10日(火曜日)に高松市国分寺町福家の楠井公民館で、おま泉の名水を守る会の皆さんと意見交換会をしました。意見交換に先立って「残したい香川の水環境50選」や環境省の「平成の名水100選」に選ばれているおま泉(楠井の泉)の現地を視察し、流れ出る水の状況や隣に建つ薬師如来堂を見せていただくとともに、保全活動の概要について説明していただきました。
昭和54年に地元のお年寄りたちを中心に「守る会」が結成され、定期的に泉の周りの掃除や薬師如来堂のお供えやお花の交換などを行ってきましたが、その後、下の世代に引き継がれ、自治会の活動として取り組むようになったということです。
高松自動車道の工事の影響で、以前に比べて泉の水量が減ったということですが、平成6年の大渇水の際にも水が枯れることはなく、当時は水を求めて車の長い列ができたそうです。現在でも地区内外から、水を汲みにこられる方がたくさんいらっしゃるということでした。
「おま泉」という名前は、如来堂の前にある泉ということで「お前泉(おまいずみ)」と言われるようになったことが由来だそうです。
保全活動は、当初は現在活動されている方々の親世代が行っていたとのことですが、高齢になり活動することが難しくなったため、自治会の取り組みとして行うようにしたということです。世代間の引継ぎがうまくできたと思っているとのことでした。楠井自治会は27戸で構成されていますが、これを4班に分け、当番制で掃除などを行っているということで、おま泉の保全活動を通して地区がまとまっている様子が伺えました。
年に1回、専門機関に水質検査を依頼して、水質の管理を行っているということですが、行政からの支援に頼らずに、地域の財産は地域で守るという意気が感じられ、無理にではなく自然体で取り組んでいるということがすばらしいと感じました。また、カフェを経営されている方が、珈琲を入れる際におま泉の水を利用していたり、健康に良いからと定期的に汲みにくる方がいらっしゃったりと、おま泉が自治会の方々だけでなく、外部の方にも愛されている様子も伺えました。
意見交換会の際には、活動の話題だけではなく、全県的な人口減少や少子化対策についてもご意見をいただき、私の方からも考え方や県としての取り組みをご説明させていただきました。
地域からの若者の流出をいかに食い止めるかは、大きな課題だと感じています。その点、楠井自治会では、秋になると親子三代で獅子の練習に参加するなど、人と人とのつながりが濃く残っているそうです。こうした繋がりを大事にしていくと、若い人たちが地域に残ってくれるのではないかとのご意見もいただきました。
自治会への加入率が低下し、地域活動が低迷しているという声を良く聞きますが、この楠井自治体のような団体が増えるよう、行政としても取り組んでいきたいと思います。
6月17日(火曜日)に高松市庵治町の庵治漁業協同組合を訪問し、オリーブハマチの飼育状況について視察しました。
はじめに、冷凍された餌を漁船に積み込む作業を見せていただき、その後、漁船に乗り込んで養殖生簀を設置している海域まで移動しました。船上では、積み込んだ餌がミンチ状に細かく砕かれ、魚粉やオリーブの葉の粉末などの配合飼料とともにモイストペレットという粒状の練り餌に成型されていく過程を見せていただきました。
養殖生簀に到着すると、船上で作成した練り餌が生簀に投入され、中のハマチが水しぶきを上げて餌に群がっていました。生簀の中のハマチを特別に捕まえて見せていただきましたが、現在は2キログラムほどの大きさで、これを3〜5キログラムに育てて出荷するということです。ハマチの生存可能水温は8度以上なので、海水温が下がる前に出荷を完了するそうです。
香川県が誇るオリーブハマチが、市場に並ぶ日が楽しみです。
このページに関するお問い合わせ