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公開日:2020年2月18日

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第4回知事意見交換会 令和元年11月19日(火曜日)

令和元年11月19日(火曜日)

第4回目は、「建設業に関する災害協定を締結した団体」の10名と意見交換をしました。
参加された団体は、災害が発生した際の応急対策に係る業務の実施に関し、県と災害協定を締結している団体です。

【参加団体】一般社団法人香川県建設業協会、香川県技術士会、香川県造園協会、一般社団法人全国特定法面保護協会四国地方支部、一般社団法人香川県測量設計業協会 以上5団体(災害協定締結順)

集合写真1 説明を聞く知事1

説明を聞く知事2

意見交換会の概要

1.県では各団体と順次、災害時の協定を締結させていただいていますが、協定締結以降の具体的な取り組みなどについて教えてください。

香川県建設業協会では、平成16年に県と災害時における応急対策業務の実施に関する協定を締結している。協定締結前から支部部会単位で警報発令時の待機や防災活動をしていたが、協定締結後は災害発生時の役割分担、費用負担、手順などが明確になり、会員それぞれが意識を強く持って活動することとなった。
具体的には、現在、大雨・洪水警報が発令されると、責任者、担当が支部に待機することとしている。応急復旧工事は、基本的には道路維持修繕工事の請負業者が対応しているが、維持業者だけで対応できないような場合は、協会を通じて出動を要請されることとなる。このような活動は、地域建設業者の使命だと考えているが、問題点として、安全には気を付けているが、緊急出動中の負傷、事故などに対する補償はどうなっているのか、労災補償の対象となるのかということが挙げられる。
平成30年の西日本豪雨では岡山県や愛媛県において想定以上の被害が生じているが、同じような災害が県内で発生した場合、備蓄している資材だけで対応できるかということも懸念している。
平成31年3月には国・県と大規模災害時の道路啓開協定を締結し、啓開道路に会員を振り分けて担当を決めているが、実際に大規模災害が起これば臨機応変に対応せざるを得ないということも課題である。
我々としては、県民の安全・安心を守り、地域に貢献できるように、行政の力もお借りしながら、今後も取り組んでいきたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

香川県測量建設業協会では、測量設計業務が、道路や河川などのインフラ整備、公共施設の老朽化に伴う維持管理、土砂災害対策などの実施に伴い、個人の財産を災害から守る重要な任務であると考えている。
協会では、平成24年に県と災害協定を締結しているが、今後30年以内に高い確率で南海トラフ地震の発生が予想される中、実際に発災した際に迅速な対応ができるよう、各方面の専門分野の方を招いて講習会を開催し、新技術の研修や災害発生時の取り組み、事前に各協会員において対処できる問題などについて共有している。
そのほか、若手技術者や経験のある技術者の確保が困難な中、働き方改革に伴う作業の効率化を目指して、ICT技術の活用に積極的に取り組んでいる。実際に県内で災害が発生した際には、ドローンを使用することにより、立ち入り困難箇所において、災害の規模、概要、範囲などを特定することにより、被災後の対応に役立てている。
そのほか、災害拠点組織を中心としたネットワークづくりも必要ではないかと考えている。

香川県造園協会では、県管理施設における樹木などの被害状況に応じて、適切に意見をさせていただくとともに、応急対応の作業を行っている。
台風などによる大雨、暴風などに伴う警報発令時には、役員が協会事務所に待機し、協会員全員と連絡を取り、各支部や各所属会社がすぐに出動できる体制にしている。また、各土木事務所とも連絡を取り、道路の巡回を行うとともに必要に応じて倒木などの撤去作業を行っている。
そのほか、平成19年から、消防本部の講師などを招いて防災模擬訓練や特別講習会を行っており、担架の作り方、土嚢の積み方、チェーンソーの使用方法、倒木した街路樹の撤去方法などについて学ぶことにより、作業などの質の向上に努めている。

2.災害が発生した際の取り組みを行っていく上で課題があれば教えてください。

全国特定法面保護協会四国地方支部では、愛媛県、香川県、高知県と災害協定を締結している。
愛媛県では、東予地域、中予地域、南予地域でそれぞれ締結しているが、平成30年の西日本豪雨に伴う災害発生時には全国特定法面保護協会への要請は無かった。県内の建設業協会と安否確認や電話訓練を行うなど、今後、応援体制を整えたい。また、実際に要請があった場合に対応できるよう、連絡体制の見直しや、訓練が必要と考えている。
西日本豪雨災害時に協会への要請は無かったが、何かできることはないかと考えて、災害ボランティアとして少人数で参加していた。実際に現場を見て、被災者の話を聞くことができたので、今後の災害発生時に活かせていければと考えている。

香川県測量設計業協会では、県と災害協定を締結しているが、動員可能な人数が限られており、その中で市町や国からも応急対策業務の実施要望がある可能性が高く、実際に対応できる人員はさらに減ることが推察される。また、年齢別構成は50代から60代の熟年技術者が全体の42パーセントを占め、高齢化が進んでいることも問題である。
そのほか、南海トラフ地震や全国各地で多発している台風や集中豪雨などの大規模災害が県内で発生すると、連絡調整の面で不安がある。このため、協会が実施しているスキルアップセミナーを通じてBCP(事業継続計画)の継続や実効性の向上に努めている。
将来に向けての取り組みとしては、測量設計業に関心を持ってもらうため、小・中・高校への出前講座や、高校、大学、専門学校の学生に測量設計業の魅力を伝えて、若手技術者の確保に積極的に取り組んでいきたい。
また、大規模災害が比較的少ない香川県においては、技術者の災害時の経験が不足していることから、日頃から危機意識が薄れないように、大規模災害時の応急措置対策に関する講座を開催したいと考えている。

3.災害の発生時に備えて、どのような準備態勢をとっていますか。

香川県技術士会では、公共施設についての災害発生時の専門的な技術についてアドバイスを行うことにより、県が実施する安全対策に役立てている。
あらかじめ指定している公共施設のうち、県からの依頼により出向くこととしているが、現在、県が管理する橋梁、トンネル、水門、ダム、桟橋、浄水池や調整池など170施設を支援対象施設としている。毎年6月に支援活動技術士の登録を行い、今年は68名と、技術士会全体の約1/3の者が、現在登録されている。
また、平成20年から毎年、橋梁やトンネルが被災したという設定で、現地で訓練を行い、結果をとりまとめて報告書を県に提出するという自立訓練を行っている。その中で、平成24年からは、県土木部の職員と合同で訓練を実施し、発災時にお互いの顔が見えるようにしている。平成27年度以降は机上訓練としており、香川大学から講師を招き、講義だけではなく、ワークショップ形式の訓練、IMP(インシデントマネジメント:初動対応)訓練やタイムライン訓練を行っている。令和元年度も高松土木事務所において県との合同訓練を、約30名で実施予定であり、今後も緊迫した訓練を実施することにより、成果を期待している。

4.今後さらに取り組んでいきたいことや、お考えになっていることがあれば教えてください。

香川県造園協会では、台風15号による千葉県の大規模停電において、暴風雨による倒木で停電の復旧に時間を要したことが問題であると考えている。令和元年に関東を直撃した台風15号では、千葉県内で64万戸が停電し、ほぼ全面復旧するまでに18日かかった。倒木の背景には、林業の衰退で山林が放置されていることがあり、改めて全国共通の問題として浮き彫りになった。市街地では街路樹の倒木により、道路を封鎖して緊急車両が現場に着くのが遅くなったが、電線に絡んだ倒木の処理などは、電力会社、インフラ事業者が行うこととなっており、安全上の制約から建設業者だけではできず、また、東京電力だけでは装備がないのでできない。もし電力会社と建設業者の連携が取れていれば、処理がスムーズに行えたのではないかと考えている。
平成30年の台風21号では、和歌山県で停電が長期化したが、これを教訓に、平成31年4月に関西電力と和歌山県、西日本電信電話株式会社と和歌山県が協定を締結したと聞いている。早期復旧には樹木や土砂など障害物撤去が不可欠で、従来は電力会社が行うこととなっているが、電力会社が安全確認を行った後、県や県からの発注業者ができるようになった。香川県でも官民の連携のあり方を検討していただきたい。

全国特定法面保護協会四国地方支部では、人命に関わる特殊な分野を担っているため、緊急時の安否確認が必要と考えている。携帯電話は使用不能であると考えられることから、緊急メールでの安否確認、1時間以内に返事を求めることを考えている。安否確認の訓練実施など、マンパワーを迅速に把握するため、協会をあげて取り組んでいかなければならない。

香川県技術士会では、平成28年に「かがわ防災技術研究会」を設立し、住民目線の立場でさまざまな防災支援活動と技術士の社会的認知度の向上に努めており、具体的には、学校防災アドバイザー派遣事業支援、防災フェスなどへの参加により、認知度の向上を図っている。また、地元小学校の児童や地域住民が触れ合う機会を設け、より身近な住民目線、住民主導で、地域の防災活動に積極的に参加して、地域住民の皆さんが主体となって地域の防災について考えていただく活動もしている。押し付けではなく、住民が考え、住民に寄り添う形で関わりを担っていきたい。

5.今後の目標や展望などについて何かお考えがあれば、教えてください。

香川県建設業協会では、問題は3つあると考えている。
1つ目は、人間の数の問題である。県の土木系職員も作業員も減少しているが、マンパワーは必要であり、このままでは処理できなくなる。協会関係、官民連携が必要で、道路パトロールするのは我々であり、被害状況を把握するのに、我々の知識を活用してほしい。また、電子入札により、発注者もメールでやり取りするようになり、顔が見えなくなって、意思疎通が十分できなくなっている。細かい情報がわかる仕組みの構築が必要ではないかと考えている。啓開活動の自動発動も計画されており、我々の力を信用してほしい。
2つ目は、国・県・市町でそれぞれ管轄があり、重複している個所があるということである。平成16年の災害時には、1者が入れば良いところを、県と市からそれぞれ依頼があり、2者が入った。本部が1つになれば良いのではないか。発注者ごとに協定を結んでいるので、複数の依頼が入ると、どれが大事なのか、優先順位を付けたり現地把握するのが困難となる。マンパワーが少ないので、所轄を越えた対応をしていただき、業者が対応できるようにしてほしい。
3つ目は、事故発生時における保険や業者に対するペナルティーについてである。業者は十分に準備して現場に入るが、作業員にとって高度な判断が必要なこともある。ボランティア保険に加入していない人も現場に行かなければならない場合が出てくるかもしれない。こんな無理なことをしていたのかと労働基準に反することも生じるし、もし、現場で何かあればペナルティーがあるとなると、行きたくないということになってくる。事故発生時における保険や業者に対するペナルティーについて検討していただきたい。

私からの感想、意見

近年、全国的に台風や地震などによる自然災害が多発する中、本県でも豪雨などによる災害が発生しています。平成30年7月、令和元年8月の災害発生時には、先頭に立って応急復旧活動に従事していただくなど、皆様方には地域の守り手としての役割が大きくなっています。
応急復旧作業時の保険については、実際の事故では、労働者災害補償保険法が適用されますが、労災が適用されない場合にも、県と建設業協会との災害協定に基づき、県が加入するボランティア活動保険により補償することとしています。災害発生時には迅速に対応することが重要と認識しているので、今後も、官民が一体となって活動できる体制づくりに取り組んでまいります。

ドローンの活用については、県においても導入しており、災害時に近付くことができない場所を調査しています。平成30年の西日本豪雨の際にも、現地調査で活用されており、今後も災害時などの活用を見据えていきたいと考えています。

造園協会の皆様には災害時の被害状況の点検などの対応をしていただきましたが、非常時に的確に作業していただける方がおられるということは大変心強く思います。また、災害時の点検だけではなく、通常時の点検についても減災に繋がるものと考えていますので、今後とも一層の取り組みを期待しています。

支援活動技術士については、年度当初に登録を行うことで、体制の風化が避けられ、協定の実効性の向上につながるものであることから、大変有効であると考えています。
また、平成30年の訓練は、支援活動の流れや協定書類の確認、香川大学の岩原先生の防災講演会や机上訓練など多様な内容となっており、参加者の防災意識の向上に大いに役立っています。
技術士会の皆様は、科学技術に関する専門的な知識や高い応用能力と豊富な実務経験をお持ちであることから、災害時に技術的判断が必要になった際には大きな役割を担っていただけるものと期待しています。

千葉の停電では、重機が入れない、大型重機の確保が難しい、土地の所有者が把握できないなどの理由から大規模停電になりました。和歌山県の事例は貴重な官民連携事業であり、県でも四国電力と連絡を緊密にして、電力の優先供給先に供給できるようにしてまいります。

県では、防災情報システムにより、職員にもメール発信して登庁確認することとしています。震度4以上は自動配信され、迅速に確認できるようにしています。参集について自動集約できることは有力なので、確保していただいて災害時に役立てていただきたいと思います。

県の自主防災活動アドバイザーは、自主防災組織の組織・運営に関する知識と活動支援の能力を有する者として、かがわ自主ぼう連絡協議会、香川県防災士会、香川大学からの推薦により、37名に委嘱しています。現時点では、アドバイザー委嘱の追加の予定はありませんが、今後、アドバイザーの追加を検討する場合は、相談させていただきたいと思います。

本日は、皆様の貴重なご意見、体験などをお話しいただき、ありがとうございました。

本県における今後の取り組み

建設業には、社会資本整備の担い手としての役割に加え、災害発生時の応急復旧活動や公共土木施設の維持管理など地域の安全・安心の守り手としての役割や、地域の雇用を確保し、産業の中核として、地域を牽引する役割などが期待されています。
とりわけ、人口減少・少子高齢化の進行が全国平均を上回るペースで進む中、今後30年以内に発生する確率が70〜80パーセントと高まっている南海トラフ地震において、地域における応急復旧活動に加え、四国の防災拠点として、他の3県への支援が求められる本県においては、建設業への期待はより一層大きなものとなっています。
県では、建設業における人材の確保・育成に向けて、建設業の魅力を発信するとともに、建設労働者の処遇改善や建設工事の生産性向上に向けた取り組みを積極的に進めています。今後とも、皆様のご意見も伺いながら、建設関連事業に携わる各団体の健全な発展を支援してまいります。

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