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公開日:2019年10月17日

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第1回知事意見交換会 令和元年8月20日(火曜日)

令和元年8月20日(火曜日)

第1回目は、「香川県中小企業BCP優良取組事業所」代表者の15名と意見交換をしました。BCP(Business Continuity Plan)とは、災害などの不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い時間で復旧させるための方針、体制、手順などを示した事業継続計画です。

集合写真1 説明を聞く知事1

説明を聞く知事2

参加企業

株式会社ユーミック、蓮井建設株式会社、株式会社木村建設、株式会社コヤマ・システム、株式会社11ネット・インシュアランス、株式会社富田組、四国航空株式会社、高松帝酸株式会社、株式会社モクラス、株式会社ファインステージ、株式会社北四国グラビア印刷、株式会社五星、株式会社塵芥センター、大建住宅株式会社、青葉工業株式会社 以上15社(各年度ごとに認定番号順)

意見交換会の概要

1.県ではBCP策定の促進にあたり、平成28年度に優れた取り組みを行っている事業所を認定する「香川県中小企業BCP優良取組事業所」認定制度を創設しましたが、この制度の創設について、どのようにお考えになったか、教えてください。

東日本大震災以降、防災・危機管理の取り組みを始めたが、どこまですればよいかわからなかったので、BCP認定制度はありがたいものであった。一部の人しか取り組んでいなかったが、目指すべきものを示し、声かけすることにより、モチベーションが上がっていき、みんなで参画してマニュアルだけではない想定した動きができるようになった。社員の自信になり、リスクの提案などが増え、業務の拡大となった。今後は会社の安定・発展だけではなく、地域での貢献もしていきたい。

2.「香川県中小企業BCP優良取組事業所」の認定を受けようと思った経緯についてお聞かせください。

福岡で陥没事故が起きたことから、流動化処理土を扱うこととした。液状化により陥没が起きた時、対応できるように、例えば、サンポートにできるアリーナなど災害が起こった時に、被害が最小限になるよう準備している。
会社は海際にあり、津波は来なくても高潮や液状化で工場が被害を受ける可能性があるのに、社員には防災意識がなかったが、みんなで意識を高めて、BCPを取ろうと巻き込んでいった。社員に1年くらい時間をかけて丁寧に説明すると、具体的にわかってきて、当初、「BCPって何?」って言っていた社員が意見を出すようになっている。

3.認定には、自社の取り組みだけでなく、取引先や地域と連携した取り組みを促進し、環境の変化に強い企業・地域を作ることをコンセプトにしていますが、BCP策定にあたり苦労や工夫した点について教えてください。

BCP優良取組事業所認定の取得以前の計画は自社が被災していないことを前提としており、将来的に自分が被災している状況で何ができるかを従業員にわかってもらうことに苦労した。小さい会社なので、簡単なものを作るようにしている。できるだけ想定外を想定することが大事だが、想定外が起きると思って見直ししたい。
東日本震災以降、地震発生時のヘリコプターを考えた。中央防災会議の報告書、県の防災計画、中小企業庁の雛型、東日本大震災を経験した同業他社の聞き取り、グループ会社の取組状況を参考にした。安否確認システム、衛星電話の導入、食料の備蓄、電源の確保などしているが、停電などは、どのように起こるかわからない。BCP策定にかかるコストと効果の見極めが悩ましいが必要最低限のものを用意したいと思う。発災後、ヘリの要請は殺到すると思うが、ライフライン復旧のため、さらに進化させたい。
災害時の産業用、医療用のガスの供給について業務提携している。事業が多岐になり、最重要業務、やらない業務など仕分けした。医療用ガスの供給、病院の設備の保守、在宅医療の患者は重点的に行うこととした。島外のメーカーと配送の燃料を優先的に供給してもらう緊急時の確保について覚書を交わしている。社員と家族の安全確認のために、年2回、安否確認の訓練をしているが、メールアドレスの変更や着信拒否などがあり、いざという時に確認できないケースが生じている。情報整理はクラウドを使って情報を一元化して共有し、iPadでデータをどこからでも対応できるようにしているところである。

4.BCP策定後のこれまでの取り組み状況について教えてください。

毎年2回訓練しているが、避難訓練だけではなく、終わった後に全社員にアンケートを実施し、見直している。アンケートの中で良かった点は、AEDの講習、避難訓練後にビデオで振り返り、客観的に自分たちを見たり、障害物がわかったこと、備蓄食料の期限が切れる前にみんなで調理し、おいしい、まずい、腹もちしない、乾パンは喉が渇くなどの意見が出たことであった。重要なのは、人、データ、パソコン、電源だが、1番は人であり、安否確認を重視している。
昨年6月の大阪の地震の他、たくさんの自然災害があり、検討、実行している。台風などは事前に考えられるが、プラスチックフィルムは関連工場で火災が起こると原料の供給が止まるなど、早めに情報収集し、影響を最小化している。従業員への教育として、BCPワンポイントを伝えたり、ボランティアで週末に愛媛県の被災地に行った社員が、BCPに関する要望の高まりを再確認し、会社に戻って教えたりしている。
1番に守るのは従業員で避難訓練、安否確認、社員教育を実施している。避難訓練は事前告知せずに館内放送で行っている。社員は防災士、応急危険度判定士など、多くが資格を持っており、関係機関と連携し、災害対策本部と協定している。

5.昨年は、「大阪府北部地震」や「北海道胆振東部地震」、「西日本豪雨」など大規模災害が相次いで発生し、「南海トラフ地震」の発生確率が高まる中、本県においても、いつ大規模災害が発生してもおかしくない状況にあります。今後、さらに取り組んでいきたいと考えていることがあれば、教えてください。

防災減災の意識を向上するため、社内イベントに子どもなど家族で参加してもらっている。社員の家族と知り合いになっておかないと、災害時に子どもの送迎を別の社員がするなど対応できない。また、会社でテントを買って貸し出ししているが、立て方を学んでくれている。自助だけではなく、共助の部分に力を入れていきたい。中小企業同友会や損保のセミナー講師として、BCP認定制度の説明をしているが、令和元年度の取得を準備している受講者のBCP策定も手伝っている。
災害は起きてみないとわからないし、社員が自分ごとと思っていない。BCP関係者と一般社員に温度差がある。今後、BCPの手引きだけではなく、ライフラインを担っていることを社員一人一人に根付かせたい。訓練を何度もやって思ったが、会社で計画通り動けても周りの環境がストレスになっている。行政機関など、事業継続するために問い合わせしないといけないことが多いので、一覧を作って、ライフライン復旧に関する官民連携を考えてほしい。発信されてから動けばいいのか、自主的に動くと邪魔にならないか、わからないので、行政主導で計画し、次の動きについて知らせてほしい。
地域に必要なものを建てる工務店として考えていることは、社員、家族の命が一番大事であり、協力工事業者、下請けに協力してもらって、社員の家の耐震改修や協力業者、専門工事会社の社屋、家の耐震改修をしている。また、壊れた家を直す時、改修が進まないのはお客様への優先順位と行政側の認識が違うことで、会社は建築中の物件、建てさせてもらった客を優先したいが、行政は弱者、独居老人からと言われる。会社、客、行政の優先順位の認識が違うことがネックだと思う。そのほか、地震が起こると診断は増えるが、改修に繋がらない。親と子どもの意識が違う。空き家、田んぼ、耕作放棄地など、家族のあり方が課題ではないか。

6.今後想定されている南海トラフ地震など大規模災害での被害軽減には、地域防災力の強化が必要です。災害発生時の防災活動を積極的に担う企業の皆様において、災害時の地域との連携などの取り組み内容について教えてください。

地域防災は、「知る、消す、逃げる、助ける」が大事だと思っている。地域を知っていると、社員が分担して、アナログ的に自治会を回ることができる。また、高松市消防協力隊として、消防ポンプを持っている。地域的に津波の心配がないので、畳のところに、毛布、食料、水があり、社有車、トラックがあるので、何らかの手伝いができる。AEDを2基持っており、社員の8割が消防の普通救命士の資格を持っている。今後も地域とともに生きていきたい。
地域貢献につながるよう、年に1度、社員、地元の関係業者で連絡網により安否確認し、災害に備えている。地区コミュニティ協議会や地域からの連携要請で提供できるものは4つある。水は当面の飲料水を備蓄しているが、長引いたら井戸があるので対応できる。コンクリートブロックなど資材があるので、かまどを作ったり、大鍋もあるので、簡単な調理はできる。米俵と畑に野菜があるので、数日分は確保できる。資材保管場所で雨風を凌いだり、駐車スペースにテントを張ったり、場の提供ができる。重機や道具の貸し出しができる。
建設会社なので、BCP取得の前から防災を意識していた。地域との関わりは、災害があった時、飲料、食料品を取りに来ていただいて、避難所に持って行ってもらいたい。見学会を開いて、ここにあるよと伝えていきたい。

私からの感想、意見

香川県は災害が少ないため、全体的に防災意識が低く、南海トラフはなかなか来ないと思われている人もいますが、BCPは、いざという時のために必要なものです。業務に直結し、災害対応につながってきます。社員だけではなく、ご家族の顔が見えていることも良いことだと思っています。
皆さんには、いざという時、住民の支援に行ってもらわなければなりませんが、それは自社に被害がないことが前提です。半分の人が出てこられないことも想定していかなければならないし、想定外のことを想定しなければならない難しさがあります。
また、いざという時、四国全体が孤立すると、高松空港が唯一の輸送手段になります。高速道路が被災すると、空の出動は重要です。
災害は経験しないことが一番ですが、ボランティアなども含め、実際の現場、被災地に出向き、目のあたりにすることは重要で、少しでも経験しないとわかりません。経験者が戦力になります。
本日は、皆様の貴重なご意見、体験などをお話しいただき、ありがとうございました。

本県における今後の取り組み

BCPには、顧客や従業員の安全、事業や雇用を守るのはもちろん、顧客や取引先からの信用力が高まる、経営環境の変化に強い企業になる、などのメリットがあります。
香川県では、BCP優良取組事業所の認定をはじめ、BCP策定セミナー、個別相談会の開催などによる普及啓発を行うとともに、今年度から専門家の指導などにより、製造業を営む事業所のBCPの策定や見直しの経費に対する補助制度を創設し、中小企業のBCP策定の促進に取り組んでいます。
今後も災害などの緊急事態が発生した場合に、地域経済を担う県内中小企業が自社の事業を継続していけるよう、BCPの策定を支援してまいります。

このページに関するお問い合わせ

総務部知事公室広聴広報課

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