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8月5日から「瀬戸内国際芸術祭2022」夏会期の開催を予定しています。準備が進む夏の芸術祭について、新作やイベントなど見どころを紹介します。なお、新型コロナウイルス感染症の感染者数が増加に転じる傾向となる中での開催にあたり、感染状況によっては延期または一時中止、一部会場(作品)の公開停止などとなる可能性があります。開催状況については瀬戸内国際芸術祭のホームページでご確認ください。
土庄港から車で約20分、土庄町の北部にある屋形崎に三宅之功さんの新作アート「はじまりの刻」が登場します。その準備に携わったのが、「屋形崎夕陽の丘継承会」です。
屋形崎の海岸沿いはかつて草木がうっそうと生い茂り、景観を損ねていました。会長の笠井信吾さんは自治会の飲み仲間と、「海岸沿いの草木をどうにかせないかん」と整備を始め、その活動が広がり2017年に「屋形崎夕陽の丘継承会」を発足。今ではハンモックやブランコを設置するなど、瀬戸内の美しい夕景が楽しめる人気のスポットになっています。
今回の芸術祭で屋形崎に展示される「はじまりの刻」は、島とともに生きる命の象徴を形にした作品。7月3日に地元住民の協力のもと、見晴らしのいい場所に設置しました。「今回は屋形崎に新作が展示されるので、とてもうれしいですね。瀬戸の夕景をバックに浮かび上がる作品は最高です」と笠井さん。屋形崎に新しい名所が誕生しました。
女木島で「ガラス漁具店」を出展しているガラス造形作家の柳建太郎さんは、漁師をしながら活動している二刀流のアーティストです。柳さんが制作した「動くガラス細工」は海外から高い評価を受けています。
少年時代は食事もとらずにプラモデル作りに熱中していた柳さん。2005年に自身の工房を構え、社会性や愛、夢などのメッセージを込めたユニークな作品を制作しています。今回の芸術祭では、「釣り針で愛を釣り上げる」をテーマに、店の天井から約千本のガラスの釣り針をぶら下げたハート型の作品を展示。店内では動くガラス作品の展示やガラス商品を販売しているほか、オリジナルのマドラーを作るワークショップを不定期で開催しています。
「会期中は島暮らしをしていますが、島民の人情に触れることができて最高。島を離れる時はいつも寂しい気持ちになりますね」と柳さん。人との触れ合いが楽しめるのも芸術祭の醍醐味です。
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