ページID:4604
公開日:2020年02月07日
ここから本文です。
今回メールお送りいたしますのは、先般報道並びに香川県議会広報にて告知のあった「第5回香川県議会ネット・ゲーム依存症対策に関する条例検討委員会」にて取り扱われた、「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)」(以下本条例)について、強く抗議を行うためであります。
地元香川については、昨今の県政治には大きな失点もなく、郷土愛を以て非常に誇らしく思っていただけに、まさしく冷や水をかけられる思いでした。
なぜならばこのような、行政ないし政治家によって個々人の財産たるゲーム機器乃至情報端末についての自由な使用、利用を制限とする目的の立法は明らかに日本国憲法の財産権と自由権を侵害するものであるからです。そのような前時代的かつ、浅はかな条例案が愛する地元から出たということは、本当に本当に悲しい限りでした。
本条例案には、なるほど公的組織が直接制限を設ける文言はありません。
しかし本条例の趣旨や理念は明らかに憲法の理念に反していますし、私は同条例第18条1項、2項の内容は間接的に財産権と自由権を侵す内容であるといってよいと受け取っています。
第1に本条例が、日本国憲法の理念に反しうる余地があるか否か、浜田知事はいずれに思われますでしょうか。
また本条例第11条第2項は電気通信事業法第3条にて定める検閲の禁止事項に抵触しうるものであると捉えています。
条例では「自主的な規制に努める」という抑えた文言となっておりますが、その趣旨は明らかに通信の検閲に他なりません。
第2に浜田知事は上記の条例と通信の検閲の関連性についても、どのような考えをお持ちでしょうか。
また浜田知事は県政の基本として、「新・せとうち田園都市創造計画」を策定され、実施なされておりますが本条例は果たしてその計画に合うものなのでしょうか。
私としては本条例とこの計画とが合致するとは到底思えません。
この計画の「施策体系(施策の総合的展開)」(冊子版P151〜)以降では頻繁にIT活用の文言が踊り、産業振興の柱や力点としてIT産業活用、振興を置いています。
IT技術とゲーム、パソコン、スマートフォンが一体不可分であり、切っても切り離せない存在であることはご理解されていますでしょうか?
当然ご理解されているものと信用しております。これからの社会では、情報端末が今よりもなお一層社会的重要度を増し、個人個人がどの程度使いこなせるかによって人生や地域社会が左右されるといっても過言ではないと考えています。現に県民による知事とのコミュニケーションや県政へ参画が、電子メールにてパソコンやスマートフォンからこの様に行われている点を以てしても否定は出来ないはずです。
そのような社会的潮流において、幼少期から情報端末に触れることが一体どれだけの恩恵とアドバンテージをもたらすかは、多く語る必要はないのでないでしょうか。
ゲーム等の端末を制限された子供と、端末に自由に触れ自由に使いこなせる子供とを比較したとき、一体どちらが将来的に有望な人材として育つのでしょうか。これ以上語る必要はないと思います。
またこの計画の分野12では人権尊重社会の実現を訴えております。先に述べた通り、個人の自由権と財産権を侵しうる本条例と、人権尊重を訴える計画は互いに相反するものなのではないでしょうか。
個人的経験に基づき申し上げますが、ゲームを子供のころから日常系に遊んだからと言って依存症になるとは思えません。
私自身小学生低学年から今に至るまでゲーム端末他パソコンを通じて遊んできましたが、何ら日常生活や社会生活に支障きたすことなく成人を迎え、香川県に税金を納めております。
ゲームが学力の低下や社会性に問題をもたらすと、もし浜田知事がお考えであるならば、是非考えを改めていただきたいと思います。
メールを拝見しました。
現在、香川県議会で検討が進められている「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」の素案では、ネット・ゲーム依存症対策の推進について、正しい知識の普及啓発や予防対策などの推進、医療提供体制の整備、相談支援、人材育成の推進など施策の基本となる事項を定めることにより、県、市町、学校、保護者などが相互に連携を図りながらネット・ゲーム依存症対策を総合的かつ計画的に推進することで、次代を担う子どもたちの健やかな成長と、県民が健全に暮らせる社会の実現に寄与することを目的にしているものと理解しています。
その素案の原案については、当初、1月10日に議論されましたが、1月20日に修正案について再度議論した結果、コンピュータゲームなどの利用時間を基準とすることなどとした内容が決定され、1月23日からパブリック・コメントが実施されています。
この素案において、第18条に規定された使用時間の制限については、子どもが睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を身に付けられるよう、子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲームを利用する場合には、1日当たりの利用時間が平日は60分まで、学校などの休業日は90分までの時間を上限とすることを基準にすることや、スマートフォンなどを使用する場合には、中学生以下の子どもは午後9時までに、それ以外の18歳未満の子どもは午後10時までに使用をやめることを基準とする方向で検討されていると聞いています。
なお、「平日は60分まで」などの利用時間については、平成元年11月に国立病院機構久里浜医療センターから公表された全国調査結果において、平日のゲームの使用時間が1時間を超えると学業成績の低下が顕著になることや、香川県教育委員会が実施した平成30年度香川県学習状況調査において、スマートフォンなどの使用時間が1時間を超えると、使用時間が長い児童生徒ほど平均正答率が低い傾向にあるという結果などを参考に、基準として規定されたものであると聞いています。
また、保護者には、子どもにスマートフォンなどを使用させる場合には、子どもの年齢や各家庭の実情などを考慮し、その使用に伴う危険性や過度の使用による弊害などについて、子どもと話し合い、使用時間を含めた使用に関するルールづくりや見直しを行うことが求められています。
今回の条例素案では、このような家庭で決めたルールを保護者が子どもに遵守させるよう努めていただく方向で検討されていると聞いており、憲法の理念に反したものではないと考えています。
また、第11条第2項に規定された「前項の事業者は、その事業活動を行うに当たって、著しく性的感情を刺激し、甚だしく粗暴性を助長し、又は射幸性が高いオンラインゲームの課金システム等により依存症を進行させるなど、子どもの福祉を阻害するおそれがあるものについて自主的な規制に努めることなどにより、県民がネット・ゲーム依存症に陥らないために必要な対策を実施するものとする。」という趣旨は、電気通信事業法第3条に規定された「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。」という趣旨と異なるものであると理解しています。
次に、ご指摘のありましたIT活用については、県内産業の生産性向上や競争力強化等を図るため、幅広い分野でAI、IoTなどの先端技術の活用を推進していくことが重要であると考えています。
また、高度情報化社会を生きる子どもは、小・中・高等学校を通じて情報活用能力を身につける必要があり、令和2年度から段階的に実施される新学習指導要領において、小学校ではプログラミング教育が導入されるとともに、中学校ではプログラミングや情報セキュリティに関する知識を深め、高等学校ではプログラミングや情報デザイン、情報通信ネットワークなどについて学習することとされており、これらを通して、情報社会に主体的に参画するための資質・能力の育成を図ることも重要であると考えています。
私といたしましては、ネット・ゲーム依存対策にあたっては、依存状態に陥ることを未然に防ぐための正しい知識の普及啓発や相談支援に加え、依存症となった場合の進行予防、再発予防のための適切な医療を提供できる人材の育成が重要と考えており、効果的なネット・ゲーム依存対策を検討するなど、子ども・若者のネット・ゲーム依存対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
担当 |
政務調査課 |
---|---|
電話 |
087-832-3680 |
このページに関するお問い合わせ
[ 法人番号 ]8000020370002
〒760-8570 香川県高松市番町四丁目1番10号
代表電話 : 087-831-1111
開庁時間 : 月曜日~金曜日・午前8時30分~午後5時15分
(休日・年末年始を除く)
Copyright © 2020 Kagawa Prefectural Government. All rights reserved.