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公開日:2020年10月16日

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ご提言等の内容(豊島問題について)

受付年月日

2020年09月30日

回答年月日

2020年10月07日

テーマ

豊島問題について

提言内容

私は、香川県外に住んでおります。
豊島問題について、関心を持ち始め、いろいろと調べているとよく分からない点がありましたので、メールをさせていただきました。

まず、この問題に関心を持ち始めたきっかけは、先日、豊島を訪れる機会がありまして、たまたま旧産廃処理場であった場所を近くまで行くことができたことでした。
見ると非常に広大な土地に、極めて大量の産業廃棄物が捨てられていたことに驚きを隠せませんでした。
豊島の問題はうわさでは聞いていましたが、このようなことになったのは、悪質な業者が行政の指導を全く無視して、産廃を不法投棄し続けた結果だと思っていました。

ところが、いろいろ調べていくと、実はそうではなく、指導すべき香川県自身がこの悪質な業者の行為にお墨付きを与え、合法な行為として認めていたということを知って、驚愕するとともに、何かの間違いではないかと思いました。そして、香川県のホームページの「豊島問題」の県民のみなさまへのメッセージの中で「県が廃棄物の認定を誤り、適切な指導監督を怠ったことにより・・」と明記されており、香川県が廃棄物の認定を誤ったことがこの問題の本質であることを初めて知るに至りました。
すると、いろいろと疑問が湧いてきましたので、以下のとおり質問させていただきます。

質問1 県が廃棄物の認定を誤った理由や背景は何でしょうか。豊島住民の大半が「あれは有価物ではなく、廃棄物である」と、当時、香川県の方に激しい抗議活動をしていたにもかかわらずです。その問題の本質を検証した資料がなぜ、香川県のHPに掲載されていないのですか。

質問2 「豊島問題」というタイトルで香川県のHPに掲載されていますが、この「問題」という言葉を使われているのは、「香川県が廃棄物の認定を誤って、適切な指導を怠った」ことが問題であるため、問題という言葉を使われているという理解でよろしいでしょうか。

質問3 平成12年から処理を始めて、現在まで、数百億円という多額の処理費がかかっています。今まで処理費にいくらかかったのか、そして、その内訳(香川県負担、国負担の割合)など、納税者が一番知りたい内容がなぜ、HP上では掲載されていないのですか。

質問4 県民のみなさまへのメッセージにおいて「この処理事業に多額の経費を要することになり、県民の皆様に大きな負担をおかけすることになったことは、誠に申し訳なく思います。」とありますが、国のお金、すなわち香川県民以外からの国民の税金も多く投入されていると思います。そうした中、なぜ、香川県民のみに対する謝罪なのですか。香川県の、廃棄物の認定誤りが原因で、このような多額の国民の税金が使われることになったにもかかわらず、なぜ、県民以外の納税者にも、謝罪と感謝の意を示していないのですか。

質問5 県民のみなさまへのメッセージは、日付を見ると平成15年1月となっています。当時の状況よりも、豊島に埋められていた産廃は大量かつ深刻であったことが判明し、処理費も2倍から3倍に膨れ上がっているにもかかわらず、この知事メッセージは今の状況に合わせて、更新する必要はないのですか。

質問6 県民のみなさまへのメッセージの中で「香川県では、豊島問題について謙虚に反省し、改めるべきところは改め、正すべきところは正していく・・・」とありますが、具体的にどの点を謙虚に反省し、どの点を改めるべきところは改め、どの点を正すところは正すのですか。なぜ、一切、この点が書かれていないのですか。もしも、反省すべき点が「本来、廃棄物と認定すべきところを有価物として認定していた」というのであれば、そのような誤った認定をしてしまった理由や背景などをしっかりと検証しなければ、改めるべきところや正すところが分からないのではないですか。

質問7 HP上に以下のような文章がありました。
多島美と白砂青松の美しさを誇る瀬戸内海。この瀬戸内海に浮かぶ豊島で起こった産業廃棄物不法投棄事件は、経済優先社会のいわゆる「ごみ」の問題を世に問い、我が国がより環境負荷の少ない循環型社会を目指していくきっかけとなりました。
豊島問題は、廃棄物の発生を抑制するとともに、排出されたものはできるだけ資源として循環的に利用し、どうしても利用できないものは適正に処分するという循環型社会に向けた新たな取り組みにつながっていったのです。
豊島廃棄物等の処理は、豊島の原状回復による環境の再生を目指すとともに、処理が行われる直島では、飛灰やスラグなどの副成物を埋め立てることなく再生利用するものであり、このことも、我が国が目指すべき循環型社会の新たな展望を開くものです。
これを読むと、むしろ豊島問題が起こってくれたからこそ、今の循環型社会を目指すきっかけとなったと豊島問題を正当化している印象を受けます。香川県の認定ミス及び業者に対して適正な指導をしなかったことが、この問題の根源であり、かつ、その後処理のために1千億円近い、無駄な国民の税金がつぎ込まれていることを考えると、なぜ、このようなことを香川県が言うことができるのですか。厚顔無恥も甚だしいと思うのですが。

質問8 当時、認定ミス及び業者に対して適正な指導を行わなかった職員は、懲戒処分を受けたのですか。また、当時の知事はじめ、廃棄物行政に携わる管理職の立場にある職員に対して、損害賠償請求は行ったのですか。

以上、回答をお願いします。

回答内容

メールを拝見しました。

豊島問題とは、昭和50年代後半から平成2年にかけて、廃棄物処理業者が許可範囲外の産業廃棄物を大量に搬入し、野焼きや不法投棄を続けたことから、結果として、膨大な量の産業廃棄物が豊島処分地に残された問題のことを示しています。
この豊島問題については、長い年月を要していることから、豊島問題ホームページ(https://www.pref.kagawa.lg.jp/haitai/teshima/)において、この問題に対する考え方やこれまでの経緯などを掲載しているところです。

ご指摘の廃棄物の認定に関して、当時、県は、廃棄物の概念については、国の通知により、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものとされており、廃棄物処理業者から、シュレッダーダストを金属回収の目的で購入し、回収した金属の売却も行っているとの説明があり、現に購入契約書も示されたことなどから、廃棄物に該当しないと判断しておりました。
その後、県は平成12年5月、廃棄物の認定を誤り、廃棄物処理業者に対する適切な指導監督を怠ったことに関して、関係職員2名に対して、長期間にわたり廃棄物業務に従事し、立入検査や指導などを行い、現地の状況などを十分把握し、より適正な判断ができる立場にあったことを踏まえ、書面訓告を行いました。

また、当時の知事や管理職に対して損害賠償請求等は行っておりませんが、同年6月の公害調停成立の際、当時の知事が、豊島小学校体育館で直接豊島住民の方々に対して、長期にわたり不安と苦痛を与えたことを認め、心から謝罪の意を表しております。
さらに、廃棄物などの処理対象量の増加により処理期間を延長し、また、多額の経費を負担しなければならなくなったことについては、私としても誠に申し訳なく思っており、県議会定例会において陳謝しました。

また、ホームページに掲載している「豊島廃棄物等の処理にかかる実施計画」中に、事業に要する経費と年度計画についても記載していますが、本事業は、平成15年6月に成立した「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」に基づき、環境大臣の同意を得て、国からの財政支援を受けており、国の支援対象となる事業費については、国が約6割で本県は約4割の負担となっています。

豊島問題から得られた教訓としては、法令を遵守するため毅然とした対応をすること、国の通知などを表面的にとらえるのではなく、現実に行われていることを直視して対応すること、現場主義を徹底すること、組織として対応すること、不法投棄の未然防止、早期発見、早期対応をすること、廃棄物の発生抑制やリサイクルに積極的に取り組むことなどが挙げられます。

豊島問題を契機に、平成3年10月の廃棄物処理法の抜本改正をはじめとする法整備が進みましたが、自動車リサイクル法をはじめ、現在運用されている各種リサイクル法は、大量消費型社会のあり方が見直され、環境負荷の少ない循環型社会を目指すようになったことを受けて整備されたものと認識しており、中でも自動車リサイクル法の「前払い方式」については、豊島に不法投棄された廃棄物の多くが自動車のシュレッダーダストであったことから、他県に先駆けて本県が国に提案したことにより、実現したものと承知しており、ご指摘のホームページ上の循環型社会に関する部分は、こうした過去の経緯を踏まえて記載しているものです。

今後とも、事業の実施に当たっては、県民をはじめ国民の皆さまの税金による負担であることを改めて肝に銘じ、徹底した経費削減を図りながら、最後まで、安全と環境保全を第一に全力で取り組んでまいりますので、ご理解をお願いします。

担当課

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廃棄物対策課資源化・処理事業推進室

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