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公開日:2020年06月05日

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ご提言等の内容(9月入学制について)

受付年月日

2020年05月02日

回答年月日

2020年05月28日

テーマ

9月入学制について

提言内容

香川県の公立高校で教諭をしている者です。
9月入学について検討を進めるという報道を見て、意見を送らせていただいています。

私は10数年間高校教諭をしてきましたが、秋になると、不登校になってしまう生徒が急に増えるという感覚があります。
それまで一生懸命部活動をしてきた生徒が、「部を辞めたい」と相談に来るのも、秋が圧倒的に多いです。
それは、4月から新学年が始まって、半年くらい経った頃だからという理由もあるのだとは思います。
しかし、それとともに、秋になると、だんだん日が暮れるのも早くなり、また寒くなっていきます。
それにより、脳内物質(セロトニン)の分泌の関係や、一人でこもって悩みがちな夜が長くなることによって、気分が沈んだり、ちょっとしたことに悩みがちになってしまう季節だからだと考えています。
また、朝起きるのも、つらくなる人が多いです。

そのために、食べるものや人との接し方、体をなるべく動かすことなどを細かく指導するのですが、日本の気候で、秋入学を始めると、新学年になって、さあ今から頑張ろうという時期に、そういう季節を迎えることになってしまいます。

現状は、4月入学ですので、4月というと、春になって日も長くなり、だんだん暖かくなっていって、体も心も活動的になり、明るく前向きに「頑張ろう」と思える時期です。
だからこそ、前年度までにあった嫌なことなども一旦切り替えて「今年度こそは頑張るぞ」と思えるのだと思います。
そして、秋頃に気分が沈んでしまい、たとえ不登校になってしまったとしても、すでに学年の半分が過ぎていますので、何とか休み休みになりながらもギリギリで進級まで到達することができるという生徒もいます。
(不登校になるならば、学校を早く辞めて次に向かったらいいという意見もあるかと思いますが、その学年の単位を認定されているかどうかというのは、学校を変わることになったとしても大きいと思います。)

それが、9月入学で、新学年の始めに気分が沈みがちになってしまったり、朝起きるのが起きにくくなってしまったりすると、春頃にはすでに取り返しがつかなくなっており、せっかくやる気が出る季節になったのに、それをうまく利用できないことになると思います。

ですから、生徒のことを考えると、秋入学にすると退学者が増えたり、進級できない者が増えたりする可能性が高いのではないかと考えています。

内閣府にも同じ内容の意見を送らせていただきましたが、全国知事会で議論を主導していると思いましたので、知事メールも送らせていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。

(※同様の趣旨のメールを複数いただいております。)

回答内容

メールを拝見しました。回答が遅くなり、申し訳ありません。

全国的に新型コロナウイルスの感染が報告される中、本県では現在、新たな感染者の発生がいったん落ち着いた状況にありますが、令和2年4月中旬にクラスターの発生により感染者が急増したこともあり、今後の感染の新たな広がりに、ご心配されていることとお察しいたします。

新型コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休業が長期化することへの対策として、同年9月から、学校を9月入学・新学期とすることについては、さまざまなメリットとデメリットがあると考えています。

9月に入学し、教育活動を実施した場合のメリットとしては、全ての児童生徒が新たに1年の教育課程を実施することになるため、臨時休業中の遅れを公平に取り戻せるとともに、年間を通じたさまざまな学校行事の実施が可能になることや国際社会の学校関係のスケジュールと合致することが考えられます。

一方、デメリットとしては、在学中の児童生徒の進級が遅れることで、保護者の経済的負担が増えること、教育行政面では会計年度との不一致による教員の異動や年度単位の予算執行面で問題が発生することが考えられます。また、社会全体が9月入学・新学期に対応する必要があり、例えば、就職や国家試験のスケジュールも合わせて変更しなければ、高校や大学卒業後に空白期間が生まれるという課題もあります。

9月入学・新学期という制度の導入は、子どもたちや保護者はもとより、社会全体に大きな影響を与えるものであるため、ご提言内容も含めてさまざまな課題について十分検討する必要があると考えています。

なお、来秋以降の導入については、大学についてはさまざまな課題などを検討しながら推進すべきだと考えていますが、高校までは従来の4月入学が適切と考えています。

私といたしましては、新型コロナウイルス感染症が再び感染拡大を招かないよう、気を緩めることなく、引き続き、国や医療機関など関係機関と緊密に連携して全力で取り組み、県民の皆さまの安全・安心を確保し、社会経済活動を維持・回復できるよう、万全を期してまいります。

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教育委員会事務局総務課

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