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〔新しい風〕夏の果実 香川の桃

 香川を代表する夏の果物、桃。

 晴れの日が多く雨が少ない香川県は、古くから良質な桃の産地として知られてきた。香川県の桃は江戸時代中期に作られ始め、昭和40年代の最盛期には県内全域で栽培されるようになった。

 長く工夫を重ねてきた香川県の桃栽培。その栽培は冬から始まる。冬の桃畑では、土作りや剪定(せんてい)が行われ、3月に桃色のツボミが膨らむと摘蕾(てきらい)といってツボミを間引く。そして花が咲き受粉を終えると、やがて摘果、小さな実を間引く。残された大事な実が大きく膨らめば、袋かけのシーズンで、一つ一つの実に袋をかける。その袋も収穫10日前には、また一つ一つはずし、夏の太陽を浴びた実は見事に熟れる。ほかにも堆肥(たいひ)や枝の手入れなど作業は多く、その大半は手作業である。

 何よりも収穫時の桃の実は傷つきやすい。慎重な上にも慎重に扱うが、見えない傷みに泣くこともしばしば。手間暇かけた最後の仕上げに、厳しい選別が待っている。香川県内一の桃の生産地、丸亀市にある選果場では、目視での外観判別に続き、内部品質センサーで糖度や果実の内側の傷みを見分ける。さらに色彩選別機で色、大きさ、形をさらにより分ける。そして、徹底した低温管理の下、みずみずしい夏の桃をお届けする。

 まるで宝石のように一つ一つ大切に扱う香川の桃だが、その収穫時期は短い。そこで、ハウス栽培やさまざまな品種を栽培することで、フレッシュな桃を長く味わうことが可能になった。初夏から晩夏にかけて甘く、果汁たっぷりの桃が次々と収穫される。九州方面や首都圏の百貨店などに出荷され、楽しみにしていただいているファンも多い。高級ギフトとしても注目され始めた。

 その味を生かしたスイーツなども多く、桃のムースにソフトクリームやゼリーなどが販売されている。フレッシュな桃と共に讃岐路自慢の味である。「桃の木オーナー制度」なるものもある。これは、生産農家が管理する桃の木のオーナーになり、その収穫を楽しむというもの。わが家の桃の木を持つというぜいたくな味わい方だ。

 丹精込めた元気な果実をたっぷりと味わっていただきたい。

香川県農業協同組合営農部販売促進課
TEL087-818-4147

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