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【特集】香川の古建築を巡る旅<鎌倉・江戸・明治>

仁王門の写真
仁王門

鎌倉時代の寺院、島に残る江戸の町並み、
明治のモダンな将校クラブ。
現代建築で知られる香川県には、
見るべき古建築も多い。
古建築とはいっても、
実はどれも当時の最新の建築方法である。
建築を支えたのは地元の大工であった。
中国の新しい技術を吸収した鎌倉時代。
船大工の技術を住宅に生かした江戸時代。
そして西洋建築に真正面から向き合った明治時代。
どの時代も変わらぬ大工たちの情熱に思いをはせながら、古建築を巡る。

地図

鎌倉時代

本山寺で出合う3つの古建築

 四国八十八箇所霊場第七十番札所「本山寺」の本堂は、鎌倉時代の建築物。折衷様と呼ばれる様式によって建てられている。折衷様とは、平安時代から続く建築様式「和様」に、中国の建築様式「唐様」が融合した建築を指す。当時の瀬戸内の大工も、「唐様」の新しい技術を、柔軟に取り入れたのだろう。

 本山寺では、本堂だけでなく、同じく鎌倉時代に建てられた仁王門、室町時代の鎮守堂と、3つの建築物を見比べられる。開放的な境内で、鎌倉・室町の建築をじっくり楽しみたい。

【本山寺】
三豊市豊中町本山甲1445
TEL 0875-62-2007

700年経っても美しい屋根の勾配
本山寺本堂

 「本山寺」の境内にある3つの建築物の中でも一番の見どころは、国宝に指定されている本堂である。棟木と礎石に残された墨書から、正安2年(1300年)の建立が裏付けられている。パッと目を引くのは、美しい屋根。両端の反りが少なく、流れるような勾配を描いている。建物全体のバランスも素晴らしい。

本山寺本堂の写真
本山寺本堂

武士の時代を感じさせる仁王像を安置
仁王門

 鎌倉時代建立といわれる。国の重要文化財に指定。門の右には阿形(あぎょう)像、左には吽形(うんぎょう)像が安置されている。この2つの像は力強く、写実的な造形で、武士が台頭した鎌倉時代の特徴をよく表している。

仁王門の写真
仁王門

※国による指定名称は「二王門」。

素朴な神社作りは神仏混交の名残
鎮守堂

 墨書によると、天文16年(1547年)の建立。室町時代末期の様式を残す檜皮(ひわだ)ぶき屋根が素晴らしい小社。神社作りであり、神仏混交であったころの名残がうかがえる。

鎮守堂の写真
鎮守堂