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【特集】香川と映画 香川にはドラマがある

「猫と電車」の写真

 多くの映画人やドラマ制作者を魅了してきた香川で今、「地産映画」と呼ばれる映画づくりが始まっている。香川の魅力を一番知っているのは、地元に住む人たち。エキストラや食事、ロケ地の手配などのサポートはもちろん、今では脚本や監督など、実際に映画づくりに携わる人たちも生まれている。単にロケ地を提供するだけではなく、地元に暮らす人たちが映画のプロと共に取り組むという新たな試み。映画完成後のプロモーションにも県民が協力するなど、香川発の映画づくりは全国的にも注目を集めている。

映画『猫と電車』は、2012年、高松琴平電気鉄道の開通100周年を記念して、オール香川ロケで製作された地産映画。監督・脚本・撮影・編集:香西志帆、出演:篠原ともえ。
©「猫と電車」フィルムパートナーズ

ここに住む人でなければ
作れない映画が撮りたかったんです

 そう語るのは、地元企業で働きながら、脚本・監督・製作をこなし、地産映画『猫と電車』を製作した香西志帆さん。「全国のご当地映画を見続けるうちに、ちょっとした違和感を感じるようになりました。視点の違いだと思います。私が映画を作るなら、東京から見た地方ではなく、ここに暮らして感じる香川を描きたいと思いました」。彼女は現在、香川県さぬき市の景勝地「津田の松原」を舞台にしたご当地ラブコメディー『恋とオンチの方程式』(脚本・監督、来年2月の「さぬき映画祭2014」で公開予定)に取り組んでいる。この映画にはプロデューサーとして『踊る大捜査線』シリーズの監督などで知られる香川出身の本広克行さんが参加。プロと地元の映画製作者が協力して一つの映画を製作する。「今後も、型にはまらないご当地映画を作っていきたいと思います。それが、地元の人だけじゃなく、全国の人にも楽しんでもらえる映画になると思うから」。

恋とオンチの方程式の写真

『恋とオンチの方程式』
来年2月の「さぬき映画祭2014」で公開予定

映画づくりを陰で支える
フィルムコミッションやサポーター

 香川フィルムコミッションが誘致に協力したテレビドラマ『フルハウスTAKE2』は、日中韓の共同製作という国際的な取り組み。さまざまな交渉や調整を経て完成した。高松琴平電気鉄道開通100周年を記念し、オール香川ロケで撮影された映画『百年の時計』では、エキストラの手配にとどまらず全国での上映活動など、県民によって結成されたサポーターたちが大いに活躍した。

日中韓共同製作ドラマ『フルハウスTAKE2』の製作発表会とロケ風景の写真

日中韓共同製作ドラマ『フルハウスTAKE2』の製作発表会とロケ風景。

四国学院大学の演劇コースの写真

学生がプロの演出家と一緒に舞台作品を作り上げ、公演している。

 今後、香川発の映画づくりがますます増えていくことが予想される中、将来の映像製作を支える人材の育成が始まっている。
 演劇界の第一線で活躍されている平田オリザさんや本広克行さんが客員教授を務める四国学院大学の演劇コースだ。中四国初の同コースで学ぶ門田寛生かどたひろきさんは「ひとつの舞台を作り上げる楽しさと同時に、芝居を通してスタッフや観客、人との関わり方も学んでいます」と話す。中学・高校と演劇部に所属していた永山香月ながやまかづきさんは「大学内の劇場で公演される演劇をもっと大勢の人に気軽に見てもらいたいです。それが私たちの実践の励みになります」。
 脚本、演技、演出と総合的に演劇や映像製作を学ぶ彼らが、いつの日か地元映画の担い手として脚本・監督・俳優を担当し、さらには全国的な活動をする日も夢ではないかもしれない。

セットの一部の写真

本広監督の映画『サマータイムマシーン・ブルース』でロケ地になった四国学院大学には、今も撮影に使われたセットの一部が残されている。