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【対談】NHK キャスター 河野 憲治

対談の写真

さぬきうどんに
アートとお遍路

世界に誇る
ふるさと香川

知事 NHK総合テレビの夜9時「ニュースウオッチ9」のメーンキャスターとしてご活躍の河野さんは香川県のご出身。NHKワシントン支局長や報道局国際部長を歴任なさった河野さんの素晴らしいキャスターぶり、いつも楽しみに拝見しております。

河野 「ニュースウオッチ9」のキャスターに決まったときには、正直驚きました。NHKの夜の9時は「ニュースセンター9時」の磯村尚徳さんの時代から、記者がキャスターになり、自分の経験に基づいて、ニュースを紹介しています。その番組を受け継いだわけですから、戸惑いとともにやりがいも感じました。また、「ニュースウオッチ9」は、各セクションから選抜された優秀なスタッフによるNHKの取材力を結集した番組です。番組の重みやキャスターとしての責任を最近ますます感じています。

知事 河野さんは、香川県立観音寺第一高等学校のご出身で、わたしと同窓生ということになります。お生まれはうどん県の要副知事と同じ現在の三豊市で、山あいの静かな町、財田(さいた)町のご出身なんですね。

河野 久しぶりに財田町に帰ると緑に包まれて心地よい時間があります。子ども時代は、野山を駆け回り、稲刈りの後の切り株が残る田んぼで野球をしたり、財田川で魚を捕ったりしていました。

知事 財田は「たからだ」と言われるほど、昔から豊かな土地であったとか。今では道の駅「たからだの里」があり、「たからだ米」をはじめ、地元のおいしい農産品が集まっていますね。河野さんの食の思い出といいますと、どんなおふくろの味になるんでしょうか。

河野 ふるさとの食の話になると、僕はやっぱり「うどん」です。それこそ、僕の母親は「たからだの里」で、月に一度ボランティアでうどん打ちを教えています。
 我が家では、うどんは母親がつくってくれました。丸めて団子にしてビニールをかぶせたうどんの生地を踏むのは僕の仕事。「おまえが踏めば踏むほどコシが出る」と言われて、コンコンぐるぐる踏んでいましたよ。そんな手伝いをして母親が打ってくれたうどんが、僕の食の原点です。

知事 まさに「うどん」は、河野さんのソウルフードですか。「ニュースウオッチ9」でも取り上げられましたが、今年は5月からイタリアのミラノで国際博覧会が開催されており、香川県も食の魅力などを大いにPRいたします。
 河野さんは、アメリカでの勤務が10年以上、およそ65カ国もの国を訪れ、オバマ大統領への単独インタビューにも成功した、正真正銘の国際人です。その河野さんから見て、海外に発信すべき香川の魅力というと、何を思い浮かべますでしょうか。

河野 僕は、やっぱり「うどん」なんですよ。「うどん」という売り物がある香川というのは、やはり強いと思いますね。世界に出れば、良いところがたくさんあり、皆さん自分たちの街や村は一番だと思っています。そこに、香川を売り込んでいくわけですから、世界でも名前が通ったものを持つということは大変有利になります。「うどん」がラーメンに続き世界的なブームにならないものかと期待しています。

知事 我々が「うどん県。それだけじゃない香川県」と言うのは、もちろん「うどん」を生かした上での話ですので、河野さんのおっしゃる通りです。この「うどん」の魅力で香川県を大いに売り込みたいと意気込んでおります。さらに、今や世界的に評価される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」があります。来年の春からは3回目の芸術祭が始まりますが、会期内外にかかわらず海外の方も興味を持って島々を訪れてくれるようになりました。

河野 もちろん、瀬戸内海も世界に向けて大いに発信すべきだと思っています。僕も子どもの頃から、香川の海が大好きでした。学生時代は、まだ瀬戸大橋がありませんでしたから、宇高連絡船で帰省するときの島の景色が忘れられません。
 世界的に高齢化が進み、時間的に余裕のある人々が増えてきますので、じっくり鑑賞する「アート」は大きなポテンシャルがあると思いますね。そういう面では、「四国遍路」も重要です。高齢化社会では精神的な充実も求められています。そう考えると、香川県は瀬戸内海とアート、瀬戸内海とお遍路が融合している、非常にポテンシャルがある場所ということになります。

知事 観光庁が外国人旅行者向けにPRする7つの「広域観光周遊ルート」を選定しましたが、そのうち「せとうち・海の道」と「スピリチュアルな島〜四国遍路〜」の2つに香川県は入っております。また来年4月29、30日には日本でサミットが開催され、香川県では高松で情報通信大臣会合が開催されることになりました。これまでも、ビジネストラベラーを呼び込むMICE(マイス)にも力を入れ、サンポート高松などで国際会議を開催してきました。こうしたことで、世界のメディアにも注目されるチャンスがあるのではと期待しています。

河野 魅力が多い香川県は、外国メディアの活用の余地は大いにあると思いますね。中国など近隣のアジア圏の方々は、ドラマなどの名シーンの撮影に使われた場所を訪ねて日本に来ることも多いようです。そこが小さな店舗や名も無い踏切のような場所でも、大勢の人が訪れると聞きました。さぬきうどんにお遍路にアート、どんどん外国メディアに売り込んでほしいですね。

知事 国内の「ニュースウオッチ9」でも、香川県の良い意味でセンセーショナルなニュースを取り上げていただけるようがんばりたいですね。世界的な視野をお持ちの河野さんには、これからも香川県にアドバイスをお願いしたい。今後ともどうかよろしくお願いいたします。

(この対談は、2015年7月に行われました)

※企業などの会議(Meeting)、企業などが行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。

河野 憲治
(NHK キャスター)

1962年香川県三豊市生まれ。香川県立観音寺第一高等学校を卒業後、京都大学文学部に入学。1986年にNHKに入局し、沖縄局を振り出しに報道局国際部を経てワシントン支局長、ロサンゼルス支局長、テヘラン支局長などを歴任。15年以上の海外特派員経験を持ち、2009年ワシントン支局長在任時、日本の報道機関として初めて、オバマ大統領とホワイトハウスで単独会見を行った。2011年4月から2012年3月までの1年間、 NHK BS「ワールドWaveトゥナイト」のキャスターを務め、2015年4月からはNHK総合「ニュースウオッチ9」のキャスターを務める。

河野 憲治さんの写真