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特集:人と自然の関係を再構築

里海づくりへ人材育成始まる かがわ里海大学(仮称)、来春開校 「里海」とは、人が自然と適切に関わることで豊かな恵みをもたらす海のこと。しかし、人の自然への関わりは減少し、海まで流れ出ているごみの問題など、瀬戸内海は多くの課題を抱え、豊かさを失いかけています。豊かな里海を実現するには、海だけでなく山・川・里(まち)も一体に県内全エリアで県民一人一人が自然と向き合い、人と自然の新しい関わりをつくることが必要です。里海づくりを牽引していく人材の育成拠点として、平成28年春に「かがわ里海大学(仮称)」が開校します。



大学構想ワークショップ開催



 平成27年5月、第1回の「かがわ里海大学(仮称)構想ワークショップ」が開かれました。大学教授、経営支援アドバイザー、デザイナー、アウトドアプロガイドなどに、県職員も加え、約15人が参加。大学でどのような人材を育成するか、育成した人材が活動できる場をどのように作るかなど、さまざまな考えやアイデアが出されました。参加者は、年齢や職業も異なることから里海への関わり方も人それぞれ。しかし「里海づくりは、持続することに意味のある取り組み。未来に向けて里海大学から発信していこう」という共通の思いで、熱い意見交換が行われました。
大学構想ワークショップ開催の様子
グループに分かれ討議し、大学のイメージや詳細を考えて発表し合う

開かれた拠点づくり



 県は、産学官民の20団体とともに平成25年4月に「かがわ『里海』づくり協議会」を立ち上げました。「里海ビジョン」「里海体験」「里海循環」の3つのワーキング・グループを設置し、里海づくりに関する具体的な検討を進めています。その中で「活動の推進力を高めるため、まず人づくりの拠点が必要」と、里海大学をつくることになりました。いわゆる大学ではなく、人材育成と交流の場という意味で仮に大学と称しています。
 協議会の座長を務め、里海循環ワーキング・グループの一員で大学構想にも携わる香川大学名誉教授・増田拓朗さんは言います。
 「香川全域の陸と海という自然が、里海づくりのフィールド。行政や一部の人だけでなく、多くの人が長期間携わらないと結果は出せません。誰もが参加しやすい、オープンな場として大学づくりを進めています」。


人が楽しく、自然もよりよく


増田さんの写真
増田さん

 増田さんはさらに続けます。「里海づくりは、環境保全だけではなく、人と自然の共生が目的。豊かな自然を共有財産と捉え、活用を促すのもその一環です。例えば、地魚を食べることや磯遊びも里海づくりの第一歩。『人が楽しく、自然もよりよく』くらいの姿勢で取り組むのでいいんです」。

参加メンバーの集合写真

第1回「かがわ里海大学(仮称)構想ワークショップ」参加メンバー

 

 

 

 ワークショップを重ねて、この秋には大学構想を発表。来春には里海大学が開校する予定です。プレ講座として、9〜11月にかけて「里海プロガイド養成基礎講座」を行うことが既に決定しています。講座などの募集情報は「かがわの里海づくり」ホームページなどで発表されます。

先駆的取り組み


坂出市王越町 体験で里海づくりを理解 

松野さんの写真
松野さん

 五色台の北部・坂出市王越町では、地元住民、香川大学、坂出市、県が協働で里海ツアーを行っています。体験学習を企画運営する「絆創工房(はんそうこうぼう)」の代表で、協議会の里海体験ワーキング・グループの一員である松野陽平さんらがガイドを務めます。
 「磯でカメノテを採った後、海岸のごみを拾うなど、自然の恵みをもらってお返しすることを通して『里海づくりって何?』を体験的に理解できます」と松野さん。ツアーは、海では昼食の食材のカメノテ採取や漂着物をお宝として楽しくごみ拾い。昼食は、婦人会の皆さんと一緒に郷土料理の鯛めしやカメノテの味噌汁作り。山では放置竹林の伐採や竹食器づくり。山・川・里(まち)・海のつながりを体験し、自然との関わりの必要性を気付かせるプログラムとなっています。

王越まるごと里海ツアーでの体験の様子   海をバックに北山さんが参加者に語っている様子
王越町の海の現状と地域の良さを語る北山さん
 「王越町共に生きるまちづくり推進協議会」代表の北山定男さんは、地域の歴史や問題点を参加者に語る地元ガイドを務めます。「里海づくりを通じて、多くの人が王越を訪れ、地域の活性化につながると思っています」と積極的な北山さんです。
 今秋の「里海プロガイド養成基礎講座」も王越町などで行い、前出の松野さんらが講師を務めます。「ツアー参加者の安全を確保しながら的確に気付きを与える技術を身に付け、最終的には受講者自身でツアーコースを作る講座です」と松野さん。
 プロガイドの養成により、多くの人が体験ツアーに参加でき、さらには地域活性化にもつながる、里海づくりならではの広がりが期待できそうです。

三豊市・観音寺市/宮川流域  川を通し、山・里・海が連携 

川ざらえやごみ拾いの様子の写真
(写真上)宮川源流の川ざらえ
(写真下)下流の有明浜でごみ拾い

 三豊市に源流を持ち、財田川に合流して観音寺市から海に達する宮川。この上流から下流の各地域で環境活動をしていた「まちづくり推進隊豊中」他3団体を県がマッチング。宮川を下りながら里海づくりを体験するプログラムを作り、企業の環境研修の受け入れを通じてネットワーク化を進めてきました。
 プログラムでは、宮川源流の川ざらえに始まり、上流から海までのごみ拾いや川の水質の状況などを確認。ごみは川の下流に行くほど小さくなり、数を増やし、海を汚します。さらに、生物が食べることにより影響が広がります。各地域の参加者は山から海までつながっていることを実感しました。
 この取り組みを通して、この4団体を中心に地域が連携し、今年2月には「三豊の里川を通じて里山里海を考える会」通称「三里会」を設立。流域一体で協力してのクリーン活動が始まるなど、より効果的な活動へと展開を見せています。

人の暮らしと海が近い 最も遠い地域でも海まで約30キロメートルの香川は、他県に比べて人と海が近い県。昔から、みんなが海に親しみを持ち、共に暮らして来ました。 目指すは人と自然の共生 香川の海が抱える課題を解消し、豊かな海との関係づくりのために、海だけでなく山・川・里(まち)も含めた里海づくりの考え方が必要です。


県内全域  海・陸 一体の海ごみ対策

 本県では、一昨年から底引き網漁でかかった海底ごみを漁業者が陸に持ち帰り、内陸部を含む全市町と県が費用を負担し運搬処理しています。また、昨年から、海ごみ削減のため、県民が参加して海だけでなく山・川・里(まち)を含め県内各地域で一斉にごみを拾う「さぬ☆キラ」などの海ごみ探検隊プロジェクトも実施しています。これらの海域と陸域が一体となって行う海ごみ対策は全国初の試みです。

海面清掃船「みずきU」の写真   ウミゴミラの画像
海面清掃船「みずきU」の体験乗船   海ごみ探検隊シンボルウミゴミラ


みんなが里海人に


 古くは万葉集に「玉藻よし讃岐の国は」と詠まれ、江戸時代には「白砂青松」と絶賛された香川の海。来年には瀬戸内国際芸術祭が開かれ、日本中から、また海外からも多くの人が訪れます。
 広く県全域での里海づくりの取り組みは全国初の試みです。県民みんなが自然を共有財産ととらえて、全員参加で里海づくりに取り組んでいきましょう。

まずはこの夏、海へ出掛けてみよう!

問い合わせ先
環境管理課  TEL:087-832-3218
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