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公開日:2025年10月7日

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発掘現場通信
是弘(これひろ)遺跡_2

弥生時代の竪穴住居を発見!

9月から調査を行っている調査地北西部の10-1区では、弥生時代後期~終末期(約1800~1900年前)の竪穴住居が2棟みつかりました。この調査区は、前回紹介した7区と異なり、河川からは少し離れた小高い地点に位置します。河川沿いの小高い地点は人々の生活の場として利用されたようです。
穴住居の構造について、竪穴住居1の事例を元に解説します(写真1)。写真1中の赤色で囲っている部分が、竪穴住居の床面にあたります。床面は一辺5m程度の方形です。青色で示した部分は、柱穴の跡です。この竪穴住居は4本の柱によって屋根を支えていたようです。住居内部のその他の穴は床に掘られた土坑で、食べ物などの貯蔵に使われた可能性があります。竪穴住居内の東・南・西側は、周囲の床面よりも一段高くなっています(ベッド状遺構)。
の竪穴住居2をみてみましょう。南部分が後の時代の溝によって壊されていますが、一辺3.5m程で方形の竪穴住居と考えられます。この住居は住居1とはいくつか異なる点があります(写真2)。柱穴は2本しか確認できず、2本の柱で屋根を支えていたようです。また、ベッド状遺構もなく、床面も1と比べて狭く、簡素な構造をしています。しかし、2つの竪穴住居から出土した土器はほぼ同じ時期のもので、ともに北西方向に軸を向けており、ほぼ同時期に作られたものと考えられます。構造の異なる2つの住居を、用途に応じて使い分けていたのでしょうか。
10月からは、すぐ東隣の10-2区で調査を行います。新たな竪穴住居がみつかる可能性があり、今回紹介した2棟の住居との関係を探っていく予定です。

10-1区出土竪穴住居1(左)2(右) 10-1区出土竪穴住居1
10-1区土竪穴住居1(左側)、2(右側) 10-1区土竪穴住居1

 

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