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公開日:2020年12月10日

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讃岐国府跡 調査現場から 36

現地説明会を開催しました

讃岐国府跡の現地説明会を開催しました。

100名を超える見学者の方々に、鎌倉~室町時代の掘立柱建物や井戸からなる屋敷地などをご覧いただきました。

今回の調査の目的は、昨年度等の調査で見つかった大型建物等を伴う奈良時代から平安時代の施設の西側の区画施設(溝や塀)や、施設内の建物等を探すことでしたが、これらは見つかりませんでした。ただ、この成果によりこの施設の西端がさらに東側に位置するとの見通しが得られました。

このような成果について紹介すると、見学者からは「国府が栄えた奈良~平安時代が終わっても、鎌倉~室町時代には新たに屋敷地や耕作地ができ、さらに時代が流れて現在ののどかな景観につながっている。そんな時代の移り変わりが面白い」との感想をいただきました。

現地説明会風景

写真1 屋敷地の説明(手前は井戸)

掘立柱建物の説明

写真2 掘立柱建物の説明

屋敷地からの出土品

写真3 屋敷地からの出土品

讃岐国府跡がテレビ番組で紹介されました!

10月22日(木曜日)の「サン讃かがわPLUS」の「実はすごい!讃岐国府跡」という番組で、讃岐国府跡の魅力が紹介されました。

香川県からのお知らせやイベント情報などを、うどん県副知事の木内晶子さんとOHKのアナウンサーさんがお届けしていました。

讃岐国府跡

讃岐国府跡(開法寺東方地区)の9~10世紀代の様子

遺構が見えてきました!

発掘調査を開始して1月ほどが経ちました。雨や台風にも見舞われながらも、調査を進めています。現在は古代~中世の遺構を検出し、掘削しています。今回、調査区は2箇所設置していますが、北側の調査区の遺構の検出状況が写真1です。

少し黄色く見える、当時の地表面よりも色の濃い部分が遺構であり、溝や柱穴などが見つかっています。溝は、讃岐国府跡で多く見つかる、現在の地割と方向を揃えるものや、南北方向に延びるものと異なっています。中世の遺構に切られており、古代の遺構である可能性が高いですが、遺物などは確認されず、今後の追求が必要です。

また、写真1の左奥にみえる大きな円形の遺構は、埋土に中世の土器や石を多く含んでいます。遺構の掘方もほぼ垂直に落ちることから、井戸の可能性が高いと考えています。周辺にみえる少し小ぶりな柱穴も中世のものです。中世には、古代までの讃岐国府とは異なり、複数の屋敷地が建ち並ぶ景観が復元されています。讃岐国府跡の終盤の状況を示す遺構の調査を進めながら、さらに古い古代の遺構の実態や内容についても調査していきたいと思います。

遺構が見えてきた

写真1 遺構の検出状況

遺構検出

写真2 遺構掘削の様子

井戸

写真3 井戸と考えられる遺構の状況

遺構を検出中!

讃岐国府跡の調査が本格的に始まり、およそ2週間が経ちました。今年の8月にはほとんどなかった雨にも悩まされながら、日々調査区と格闘しています。

今回の調査区は2か所に設置しています(写真1)。いずれも東西方向に設定しており、現在、遺構面の上に堆積した層(包含層)の掘削を行い、遺構の検出を進めているところです。遺構は、古代から中世の遺構が確認されており、柱穴や溝などの遺構が確認しています。

柱穴は東側に集中し、いずれも小規模なものが多いです(写真2)。西側では溝と考えられる遺構が集中しており、複数の溝の切り合いや埋没の違いが確認できます(写真3)。現在の調査地点から西側は、地形的に見ても大きな段差があり、段差の上より西でも、これまで古代の遺構・遺物が確認されています。地形の変化点の付近にある溝は、今回の調査の目的である讃岐国府跡の施設の広がりや範囲を考えるうえで興味深いものと言えます。

今後はこれらの遺構の重複を整理しながら、調査を進めていきたいと思います。

調査区の様子

写真1 調査区の様子(南から)

遺構検出状況

写真2 調査区の遺構検出状況(北東から)

溝の断面

写真3 溝の断面(北から)

今年も讃岐国府跡の発掘調査を始めます。

本年3月に国史跡に指定され、さらに注目を集める讃岐国府跡。

香川県埋蔵文化財センターでは、平成21年度から実施している讃岐国府跡の調査事業に伴う発掘調査を8月下旬から開始します。

今年度の調査地は、史跡指定地の北方約100mの場所です。この場所の周辺ではこれまでに古代の大型建物群と、これらを囲むと推測される溝跡が見つかっており、国府の主要な施設が存在するものと考えられます。今年度の調査は、この施設の広がりを確認するために行うもので、施設内の建物群の配置や、その役割を明らかにしていく上で重要な意味をもちます。

最新の調査成果は、ホームページやツイッター等で随時、お知らせしていく予定です。ご期待ください。

建物跡

【今年度、調査を行う施設内で見つかった主要な遺構】大型の建物跡(奈良時代)

溝跡

【今年度、調査を行う施設内で見つかった主要な遺構】

建物を区画する溝跡(平安時代)

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