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公開日:2020年12月10日

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讃岐国府跡 調査現場から 20

香川県埋蔵文化財センター

現地説明会を行いました。

2月9日(日曜日)は現地説明会。しかし!前日の土曜日は香川県では記録的な積雪でした。現場の状況を見た瞬間、呆然・・・。それでも次の日には今年の調査の成果を見ていただかなくてはなりません。雪が上がりだした午後から、現地説明会担当の職員総出で、現場の雪かきをしたり溶けた水を排水したりして、現場の復旧に努めました。
説明会当日もセンター職員と国府ボランティアは現場の復旧・説明会の準備におおわらわ。現場の養生シートをはずし、現場や通路の排水作業、通路の確保などの作業にてんてこ舞いでした。
当日は青空も見え、日射しもある天気で、まずまずの説明会日和となりました。午後の説明会の開始前から続々と参加者が現地を訪れ、調査地は満員状態となりました。参加者の方々は、担当者から讃岐国府や讃岐国府設置直前の府中の歴史、今年度の調査で見つかった建物跡や区画施設跡についての説明を熱心に聴き、今年度の大きな成果であった奈良時代の建物を構成する大型柱穴や中心施設の西側を区画する大型の溝に目を見張っていました。参加者のみなさまには古代の讃岐国府の姿を想像していただけたようです。
前日の荒天にもかかわらず、そして雪解け水などで足元が非常に悪かったなか、300名の方々の参加がありました。ありがとうございました。来年度の調査にもご期待ください。(2月10日)

前日の様子1

前日の現場周辺の様子

前日の様子2

前日の現場の様子

大型の掘立柱建物

今年度の大きな成果の一つ。奈良時代の大型掘立柱建物の柱穴跡

現地説明会風景1 現地説明会風景2

現地説明会の様子。多くの方々に参加していただき、ありがとうございました。

現地説明会へ向けて!だけど・・・

現地説明会ももうすぐ。みなさまへのお披露目へ向けて調査を急ピッチで進め、一方では説明会の準備も着々と進めています。しかし!思い通りにならないのがこの天気。立春が過ぎても寒さは厳しくなるばかり、急な通り雨やときには雪がどんどん降ってきたりするので、そのたびに作業を中断し、現場の養生をしなければなりません。しかも、次に作業をするときには排水作業から。現地説明会の日はいい天気になってくれるとよいのですが・・・。
現地説明会の日が近づくにつれ、報道関係の方々もよく取材に訪れてくれるようになりました。テレビや新聞などを通じて、多くのみなさまに讃岐国府のことを知っていただきたいと思います。そして、ぜひ現地説明会へもお越しいただき、讃岐国府跡の建物跡などを大きさを実感して下さい。(2月7日)

柱穴跡の調査

平安時代の柱穴跡の調査を進めていく。

取材1

テレビせとうちの取材。この後すぐに通り雨が。

取材2

NHKの取材。

大雪の様子

この日は昼過ぎからこの辺りにしては大雪。残念ながら店じまい。
(青いシート部分が調査地)

発掘調査もそろそろ山場へ!

この間年が明けたと思ったらもう2月。調査の期間は、埋め戻しに要する日数を除けばあと約1か月。調査の成果もおおむね出揃いました。
今年度の調査成果の目玉は、奈良~平安時代の大型建物跡と西側の開法寺跡を画するかのような大溝跡。奈良時代の大型建物跡の方形の柱穴の中には、一辺が1.5mもあるものもあり、かなり大きな建物が建っていたことが想定できます。昨年度と同様、瓦も多量に出土しており、瓦葺きの構造物があった確かな証拠となります。
調査も山場を迎えた頃合いで、1月26日には高松市による文化財学習会「ふるさと探訪」で85名もの参加者の方々が調査現場を見学しました。当日の朝までの雨で足元の悪いなかでしたが、奈良時代の特大の柱穴で構成される掘立柱建物跡を見学し、あらためて国府の壮大な風景を思い描いていただけたようでした。
2月9日(日曜日)13時~15時には讃岐国府跡現地説明会を開催いたします。現地を公開し、今年度の調査成果についてくわしく解説します。予約不要、参加無料です。ぜひこの機会に、発掘現場を見ながら古代の讃岐の中心の風景を思い描いてみて下さい。(1月31日)

大型建物跡 大きな柱穴で構成される大型建物跡

ふるさと探訪の参加者

「ふるさと探訪」の参加者が見学に来てくれました。

KBNの取材

KBN香川テレビ放送網の取材がありました

柱穴を掘っています。

見つかった柱穴のうちの一部を掘り下げています。なかには深さ70cmほどもあり、柱をすえつける部分には瓦を置いて礎板とする、いかにも頑丈な建物を支えそうな柱穴の一群もあります。調査範囲が限定されているので、建物の全体像や配置をすぐに明らかにするのは難しいですが、柱穴の埋土や間隔、並び方など情報に出土遺物の情報を加えれば、一辺1m前後の大きな柱穴が密集するなか、どの柱穴とどの柱穴が同じ建物を構成し、どの時代に機能していたのか知ることができます。(1月24日)

柱穴跡1 柱穴跡2

半分だけ掘った柱穴。底には瓦を礎板の代わりに置く

柱穴跡の調査1

大型柱穴を掘る!まだ、掘れる!かな?

柱穴跡の調査2

みんなで柱穴を掘る

調査指導がありました。

小春日和となった1月16日(木曜日)、徳島文理大学の大久保徹也教授が調査指導に来て下さいました。調査指導に備え、養生シートをすべて片付け、調査地がすべて見られるような状態にしました。大久保教授は、調査担当者から現在までの調査の状況や見通しなどの説明を受け、センターで準備した遺構配置図に詳しくメモを書き込みながら、要点を一つ一つ確認しつつ、様々な観点から指導にあたって下さいました。調査も佳境を迎え、大型の柱穴や溝跡などさまざまな遺構がみつかり、日々調査が進んでいく中で、今年度の調査の全体像を組み立てる大きな指針が得られました。1月20日(月曜日)には奈良大学の坂井秀弥教授が、1月30日〈木〉には島根大学の大橋泰夫教授がそれぞれ調査指導に来て下さいます。今年度の調査成果をまとめるうえでの大きな山場が来る気配です。
また、この日はKBN香川テレビ放送網による、第2展示室で開催中の「讃岐国府を探る 5」の取材がありました。テレビに映ることに慣れない展示担当はやや緊張気味でしたが、リポーターの方は終始笑顔で緊張をほぐそうとしてくれました。この放送を見ていただいた方もそうでない方もぜひ展示室へ足を運んでいただければと思います。

(1月17日)

大久保教授1 大久保教授2

大久保教授による調査指導

調査風景1

調査風景

展示室の取材

KBN香川テレビ放送網による展示室の取材

大きな柱穴!!

新年の調査が始まって約1週間。相変わらずの不順な天候と、土の違いや区別のつきにくい遺構に調査担当者は日々苦闘しながら、調査を進めています。
新しく設定した南北方向のトレンチでは、大きな柱穴が次々と顔をのぞかせ始めました。精査はこれからで、建物の規模や棟数などくわしい内容は今後明らかにしていきますが、数棟の建物が復元できそうです。また、方形の柱穴の向きや並び方から、真北方向を向く建物と現在の田と同じ方向の建物がありそうです。(1月16日)

柱穴がみつかる

上面精査で見つかったばかりの柱穴。釘で線を入れて柱穴の場所を示しています。

調査風景2

柱穴のラインが消えないよう、石灰で線を引き(手前の人)、遺構配置図をつくる(奥の人)。

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