農業資料館

U.農具等

4.防除作業用具

 稲の病害虫駆除は明治30年頃までは、迷信的な「虫送り」という行事や、一部では石油を使った注油駆除方法が行われていた。その後、明治37年には誘蛾灯の点火が始まり、戦後の昭和25年頃からは、ddtやbhcなど化学合成農薬の時代となった。

・ 誘蛾灯

 丸いブリキ板に水を満たし、石油を数滴たらして、中央のカンテラに点火することにより、ニカメイガを誘殺した。


   誘蛾灯

・ 案山子(かかし)

 案山子は、群れをなしてやってくる雀を防ぐために、田の中に立てる一種の威しである。しかし、立てた当初はそれなりに効果があるが、しばらくすると雀は慣れて頭や肩に止まったりする。それでもなお立てたのは、立てないと他の立てたところから雀が押し寄せるのと、わずかでも効果があるからである。

・ 蚊火(かび)

 稲の防除用ではないが、夏にカやブヨなどの害虫を追い払うために火をたき、煙をくゆらせることを、古く蚊遣火(かやりび)あるいは蚊火といった。蚊火は日本全国の山村地方に分布し、材料はヒエぬか、ワラビ、ヨモギ、布切れ、毛髪、稲藁などが使われた。
 蚊火は苞状(なっとうの袋のような形)、棒状、縄状などで、また、蚊火の使用法には定置(ていち)と携帯があり、これを棒に吊り提げて畑の畔などに立てておいたり、腰に下げたりした。


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