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公開日:2020年12月10日

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農林漁家民宿開業者の声(五名やまびこの宿)

五名やまびこの宿の開業紹介

山郷にある古民家一棟貸しの宿を営む、気さくな雰囲気の木村妙子さん。
農林漁家民宿開業までの準備やエピソードなどをお聞きしました。/p>

現在、農林漁家民宿をどのような形で営業していますか?

ここは、一年を通して1人一泊素泊まり3,000円(3歳以上小学生以下1,500円)、「一棟貸し(部屋貸しも可)」で営業しています。食事の提供は行っていないので基本的には自炊になりますが、地元の「のうさぎカフェ」でお弁当を予約でき、そちらを利用される方もいらっしゃいます。その他にも、自炊用にバーベキューセットの貸し出しも行なっています。
体験メニューは、農業体験をはじめ、栗拾い、五名いいとこめぐり(ハイキング)、染物・織物体験、手打ちうどん体験、おはぎ作り等の体験を用意していますが、これらを全部自分一人ですることはなく、地域の皆さんに得意分野でご協力いただきながらやっています。
現在は、地元大学生のゼミや交流会、海外からの受け入れ等で年間100人ほどの方に宿泊いただいたり、地域の方に憩いの場としても使っていただいています。

なぜ農林漁家民宿をはじめようと思ったのですか?

定年退職後、生まれ育った実家が5年ほど空き家になっていました。5年間も誰も住んでいないと、床が抜けたり天井にも穴が開いたりと、ボロボロになるんですよね。そこで、移住者に住んでもらおうと1年かけてリフォームをしていたのですが、「住むには広すぎる。」という理由から見送られることがありました。そんな中、五名地区女性部の部長さんから「民宿を開いてみては?」との提案があって開業を決めました。

農林漁家民宿の開業を相談した時の家族の方の反応はどうでしたか?

開業するかどうかは自分一人で決めて、同居していた長男や離れて住む子どもたちに報告したのはその後でしたが、「老後の生きがいになる。」とか「ぼけないでいい。」とみんな賛成してくれました。今では力仕事を息子が、掃除などは娘が手伝ってくれますし、高松に住む姉夫婦も花の管理や草刈りなどで応援してくれているので助かっています。

開業するための経費について教えてください

住宅の改修費用については、自分の退職金を使いました。改修にはたくさんの費用がかかりましたが、管理しやすいよう畳からフローリングに変更した床材には、安かった壁材を使用したり、玄関の扉を上がり口のドアに再利用したりと、なるべく改修の費用を抑えるよう努めました。
それから、布団やテレビなどの備品についても、あるものを活用したり、いらない人からもらってきたりしています。今では、掃除機やエアコン等を農林漁家民宿の売り上げで買ったりしますけど、やはり最初はたくさんの費用がかかりましたからね。
それ以外にも、ここは農林漁家民宿として使用する面積が広かったので、すべての部屋・押入れなどへの連動型火災報知器の設置が必要だったのと、消火器や防炎カーテンの設置が必要でした。

旅館業法等開業手続きは面倒ではなかったですか?

開業にあたって必要な手続きは、旅館業法、建築基準法、消防法のほか、料理を提供する場合は食品衛生法の許可が必要になりますが、農林漁業体験を提供することを県の農村整備課で確認してもらうと、法律によっては規制緩和を受けることができ、それを活用しました。
特に面倒な手続きはなかったと思いますが、もしかしたら面積によっては、手続きが面倒になるかもしれませんので、相談しながら進めた方が良いと思います。
開業以降も、消防法の点検が年に2回あり、そのうち1回は消防署に報告が必要になります。報告書は専門の業者にお願いすれば作成できますが、1回当たり16,000円ほどかかっています。

農林漁家民宿を開業して良かったことは何ですか?

五名地区を離れた地元の方たちが帰郷した時に、同窓会や癒しの場としてここを利用してくれることや、都会で暮らす人たちに田舎の風情を楽しんでもらえることです。皆さんが来た時にはとても賑やかになりますし、喜んだ顔が見られますから。
それから、織物体験や栗拾いなどの田舎体験は地域の方に、外国の方が宿泊されるときの料理は女性部の皆さんにそれぞれ協力してもらって、みんなで宿泊者との楽しい時間を共有していますし、地元大学生がここを拠点に地域活動をしたりもします。そうやって、地域の方々が様々な人と交流することで、地域の活性化にも繋がっているんじゃないでしょうか。今では、高齢化率50%を超え、人も少なくなった五名地区で、地域のアピールもできる農林漁家民宿を営むことが生きがいになっています。この先増えつつある空き家の再生利用の先駆けになれば良いと思っています。

宿泊者とのエピソードで心に残ったものはありますか?

「五名いいとこめぐり」で宿泊された方と一緒に歩いたり、昔ながらの五右衛門風呂が良かったと言ってもらえたりと色々ありますけど、体験で初めておはぎ作りをした若い女性から、「帰宅してから3回もおはぎを作りました。」とお礼のハガキをいただいたことが心に残っています。
宿帳には「良かった。」とか「癒されました。」といった感想をいただいたり、宿泊された方と年賀状で近況を報告しあったり。それから、宿泊された方から「こうすればもっと良くなります。」とメールでのアドバイスがあり、参考にさせていただいたこともありました。やはり、宿泊していただいた方とのそういったやり取りは、いつまでも心に残ります。

農林漁家民宿の魅力は何ですか?

宿泊された方の中には、日本人だけでなく海外の方もいて、そういう方たちと交流を深めるということが、農林漁家民宿の最大の魅力だと思います。それから、そういった交流を続けることで、過疎地域の活性化や地域のPRに役立つ事も魅力のひとつだと思います。
今では、口コミやインターネットでPRすることにより、たくさんの方に訪れてもらえるようになりました。来ていただいた方には都会では味わえない「田舎暮らし体験」を満喫していただいて、癒しのお手伝いができれば最高ですね。

今後の目標を教えてください

来年春には、旧小学校跡地に野菜の直売所や喫茶店、レストランを備えた新施設がオープンします。その施設や地域の方と連携することで、日本人だけでなく海外の方も含めて利用者をさらに増やしていきたいと思います。そのためにはトイレや駐車スペースを増設しないと。
体力的に心配なところもありますが、色々な方の協力を得ながら、自分のできることを地道に長く続けていけるよう頑張りたいと思います。

五名やまびこの宿 間取り図

農林漁家民宿情報

住所 香川県東かがわ市五名1374
電話番号 0879-29-2502
活用した建物 空き家
営業期間 通年
宿泊スタイル 1棟貸し(部屋貸しも可能)
体験メニュー 農業体験、栗拾い、五名いいとこめぐり(ハイキング)、
染物・織物体験、手打ちうどん体験、おはぎ作り体験  など
食事 自炊(地元の「のうさぎカフェ」でお弁当の注文可能)
宿泊料 1人一泊素泊まり3,000円
ホームページ 農家民宿 五名やまびこの宿(外部サイトへリンク)

このページに関するお問い合わせ

農政水産部農村整備課

電話:087-832-3449

FAX:087-806-0205