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さわさわ

さわさわ写真
伝承されてきた背景
    「さわさわ」というおもしろい献立名のこの料理は、(よい)法事に必ず供された一品でした。
    かつては亡くなった人の霊をねんごろに(なぐさ)めるため、親類縁者に案内をし、檀那寺(だんなじ)のご住職をお迎えして、おつとめをしていただきました。案内を受けた家では、お包みと饅頭(まんじゅう)などのお供えを携えて、おまいりさせてもらったものです。
    ところが、近頃、町内でも(よい)法事自体を営むことが少なくなり、仏事に「さわさわ」を作らなくなって久しいといいます。
主な伝承地域
三豊市仁尾町

材  料
5人分
  • こんにゃく(芋こんにゃく)  2枚
  • にんじん  100g
  • ごぼう  150g
  • 干ししいたけ  3枚
  • さつまいも  150g
  •     
  • だし(煮干、昆布)汁  2カップ
  • しょう油  大さじ1
  •       
  • 砂糖  小さじ1
  •       
  • 酒  大さじ2
  • 生姜(しょうが)  少々
  • ねぎ  少々  

作 り 方
(1) こんにゃくは、さっとゆでて縦長に切る。
(2) にんじんは千切りにし、塩を加えてさっとゆで、ごぼうはささがきにして米の研ぎ汁(あれば)でさっとゆでる。水で戻した干ししいたけは細切りにし、砂糖、しょう油少々で甘からく下味をつける。
(3) 鍋にだし汁を加え、火にかけ(1)、(2)を加え、しょう油、砂糖、酒で味付けして煮る。
(4) 皮をむいたさつまいもは、おろし金ですりおろし、(3)の煮立っている中に加えて混ぜ、汁が透明になってとろみがついてくれば火を止める。
(5) 器に盛って刻みねぎとおろし生姜(しょうが)をのせる。
 ※  写真にはアスパラガスをあしらっているが、季節の野菜をとり合わせたい。

伝承一口メモ

    物資の貧しかった時代、農家の主婦は極力現金の支出を抑えて、わが家で栽培している農作物を上手に使いまわしました。そのようにして家計のやりくりをしたのです。
     「さわさわ」はそのような料理の一品です。
     とり合わせるのは、ほとんどが菜園地(さえんじ)で育てた野菜です。そして、かつては、この献立が作られたのは晩秋から春先までの寒い季節ではなかったかと推察できます。
     さつまいもをすりおろして、熱い汁の中に加えることで濃度がついて冷めにくく、その甘さが、昆布やしいたけの精進だしの味を助けたはずです。
     購入する片くり粉でなく、手近にあるさつまいもを用いたことで、とろみと甘みがつく上に食物繊維やビタミンCも無意識のうちに摂取できていたということです。
     こんな食の暮らし、現代にも生かしたいものです。