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平成27年度香川県漆芸研究所研究生・研究員の募集に向けて、オープンキャンパスを午前と午後の2回開催しました。午前の部には県内の高校生、午後の部では県外の方が多く参加されました。漆芸への興味関心が高く、なかには、すでに他県の同様の施設も見学された方もおられ、真剣に漆芸の道へ進むことを考えられていることを伺い知ることができました。
その理由を伺ってみると、
「完成された時の美しさに魅力を感じる。」
「これからの進路を考えた時、小学生で体験したことが記憶の片隅に残っていた。」
「ものづくりに興味があり、なかでも漆芸が性格に合っていそう」という声があがりました。。
修了者の作品をみながら、3年間の研究内容や香川漆芸の三技法の特徴を説明。完成度の高さに、3年間でこれだけの作品を作ることができるようになるのかと、期待が高まりました。
色漆を塗りかさねた手板を使って三技法の一つ「彫漆」を体験。何層もの色漆を塗り、彫りさげることで模様が現れてくるという彫漆の特徴を、実際に彫ってみることで、理解がさらに深まったようです。
香川県漆芸研究所の魅力の一つは、重要無形文化財保持者(人間国宝)や香川県指定無形文化財保持者など、高い技術を持った講師陣から直接指導を受けることができることです。
彫漆の実習室では、石原雅員講師(香川県指定無形文化財彫漆保持者)から研究内容や彫漆の特徴、彫刻刀の種類や刀の入れ方で現れる模様が違ってくることを、実際に彫りながら説明する場面もありました。
同じく香川県指定無形文化財蒟醤保持者の大谷早人講師の籃胎の実習風景を見学。
籃胎は、軽く、くるいの少ない竹を使い、一本の竹ひごを編むことで、美しく、強く、軽い器物がうまれます。香川県漆芸研究所では、竹を選び、割り、竹ひごを作るところから学びます。
香川漆芸の三技法が美しく確かなものであるためには、この素地がしっかりと作られていなければなりません。けれども、素地は漆を塗り重ねてしまえば隠れてしまう部分で、その道の専門家でさえ、説明を必要とすることもあります。
大谷講師がいつも持ち歩いている携帯電話のケースを見せていただきました。日常使うものにも籃胎の技法を使えば、このような機能的で美しいものを作ることができるのです。
最後は現在開催中の「彫漆展」を見学。さきほど説明された石原氏の作品や修了者の作品を観ることで、ますます香川漆芸への興味関心を高められたようです。
次回オープンキャンパスは、8月20日開催です。香川漆芸に少しでも興味関心をお持ちでしたら、この機会にご参加ください。オープンキャンパスの申込方法は、こちら(香川漆芸研究所オープンキャンパスを実施しますのページ)をご覧ください。
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