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11月24日(月・振休)、午後、香川県漆芸研究所創立60周年記念シンポジウムを行いました。
第1部トークイベントでは、重要無形文化財蒔絵保持者の室瀬和美氏と、元プロサッカー選手で、引退後、日本各地を巡り伝統文化の魅力の発信に取り組む中田英寿氏が、「日本が世界に誇る漆の文化」をテーマに対談。それぞれの活動や思いを語り合いました。
室瀬氏は海外では「lacquer」と訳される「漆」を「urushi」として普及させる活動に取り組んでいます。中田氏からは来年開催されるミラノ万博で器をテーマに和食を提供する計画や、漆を使ったジュエリー制作の話がありました。室瀬氏は汁椀で漆椀を使っている人は多いが、飯椀で使っている人は意外と少ないことを指摘。料理が冷めにくい漆椀は飯椀にも向いているし、日本酒も味がよりまろやかになると紹介しました。日本人にも意外と知られていない漆の使い方や、美術品やジュエリーなどの高級品から日常使いのものまで幅広い用途があることを伝えていくことがもっと必要で、漆の強さ、美しさを一緒に発信しようと締めくくりました。
第2部では、「香川漆芸と香川県漆芸研究所」と題して、パネルディスカッションを行いました。はじめに高松市美術館美術課主幹の住谷晃一郎氏から、江戸時代末期、幕末にあらわれた玉楮象谷から始まった香川漆芸の歴史を紹介。続いて、香川県漆芸研究所の講師陣や修了者が漆芸研究所での思い出や、これからの香川漆芸についてディスカッションしました。
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