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5月14日(木曜日)、13時30から松本達弥氏の特別講義が行われました。松本氏は、香川県漆芸研究所の修了者であり、漆芸作家です。漆芸文化財の修復も数多く手掛けられています。研究所の研究生や研究員をはじめ、県立ミュージアム、高松市美術館の学芸員など約40名の皆さんが熱心に聴講しました。
前半の講義のテーマは「漆芸文化財の修復について」。修理と修復の違い、修復依頼者の心得や修復者の心得など、ドイツのケルン東洋美術館で行った漆芸品の修復作業を例に文化財修復の大切さや難しさ、具体的な工程についての話をされました。
後半の講義は「存星技法」について。昨年、五島美術館で開催された「存星展」に出品された漆芸品を技術的な観点から考察し、それに基づいて制作工程を考え、その技術を手板に再現したことや、香川漆芸の存清技法についての話をされました。
研究生たちは、話だけでなく、松本氏が使用している道具についても興味深く見入っていました。漆芸作品をつくる際に、修復で得た知識や経験が役に立つこともあるので、作品制作だけでなく、修復という仕事の重要性についても知ってほしいという松本氏の考えは研究生たちにしっかりと届いたように思います。
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