蒟醤制作工程2

蒟醤（きんま）制作工程　磯井如眞[昭和30年製作]

5 （1）地の粉錆付け（上）
箆で地の粉錆をつけて乾燥させ、目の粗い砥石で空研ぎを行い、2回目の地の粉錆をつけます。地の粉錆付けによって布目の痩せを防ぎ、空研ぎによって表面の荒れを整え、2回目の錆付けを容易にします。
（2）地の粉錆水研ぎ（中）
目の粗い砥石で水研ぎを行って地の粉錆の表面を平坦にするとともに、厚みを均一にして形を整えます。
（3）地の粉錆固め（下）
箆か漆刷毛で生漆を塗り、布で拭き取ります。生漆を塗り込むことで地の粉錆を堅固にします。
空研ぎとは水を使わずに研ぎ、水研ぎとは水を使って研ぐことをいいます

6 （1）切粉錆付け（上）
箆で切粉錆をつけて乾燥させ、中位の目の砥石で空研ぎを行い、2回目の切粉錆をつけます。切粉錆付けによって地の粉錆の痩せを防ぎ、空研ぎによって表面の荒れを整え、2回目の錆付けを容易にします。
（2）切粉錆水研ぎ（中）
中位の目の砥石で水研ぎを行って切粉錆の表面を平坦にするとともに、厚みを均一にして形を整えます。
（3）切粉錆固め（下）
箆か漆刷毛で生漆を塗り、布で拭き取ります。生漆を塗り込むことで切粉錆を堅固にします。
- 切粉は、地の粉と砥の粉を混ぜ合わせてつくります。
- 切粉錆は、同量の地の粉と砥の粉を水で固練りしたもの6に対し、生漆4の割合で練り合わせてつくります。

7 （1）砥の粉錆付け（上）
箆で砥の粉錆をつけて乾燥させ、目の細かい砥石で空研ぎを行い、2回目の砥の粉錆をつけます。砥の粉錆付けによって切粉錆の痩せを防ぎ、空研ぎによって表面の荒れを整え、2回目の錆付けを容易にします。
（2）砥の粉錆水研ぎ（下）
目の細かい砥石で水研ぎを行って砥の粉錆の表面を平坦にするとともに、厚みを均一にして形を整えます。
- 砥の粉は、砥石を切り出す際に出る屑砥石を砕いて粉末にしたものです。
- 砥の粉錆は、水で固練りした砥の粉5に対し、生漆5の割合で練り合わせてつくります。