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知事の提案理由説明 平成24年2月県議会定例会

平成24年2月県議会定例会提出議案 知事説明要旨

更新日:2012年2月17日

 平成24年2月県議会定例会の開会に当たり、県政運営の所信、並びに、平成24年度当初予算の概要と主要施策等について、御説明し、議員各位、県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと思います。

 少子高齢化の進行により、我が国の総人口は減少に転じはじめ、老齢人口が生産年齢人口に迫ろうかという社会の到来が目前となっています。この人口構造の変化は、国内市場を縮小させるだけでなく、家族の形態や日本型雇用慣行を変質させ、社会や公共のあり方に対する人々の意識なども変化させています。

 また、バブル経済崩壊以降、低成長が続き、デフレが長期化する中、グローバル化の一層の進展によって、急速な経済成長を遂げる新興国を交えた国際競争が激化し、最近では、欧州の財政・金融危機の深刻化、さらには、歴史的円高の更新などの事態が生じ、我が国の経済・産業は、かつて経験したことのない困難な局面にあると言っても過言ではありません。

 そして、我が国財政もまた、極めて厳しい状況にたち至っています。

 このように社会経済を取り巻く環境が大きく変容する今、社会生活の基盤である年金・医療などの社会保障と税制の改革、グローバル経済下での多国間の貿易自由化の流れへの対応など、経済社会情勢の変化・変質がもたらす多くの関連しあう課題を解決していくことが求められており、さらに、昨年発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故によって、安全・安心、エネルギーという分野における新たな難題も生じています。

 かつて、故大平正芳総理は、「揺るぎない社会の建設に向かって勇気ある前進を続けること」を誓われました。

 私も、こうした多くの困難を克服し、将来の世代に確かな礎を引き継ぐために、今こそ、未来を志向し、英知を結集し、失敗を恐れず、思いを行動に移し、可能性を追求し、新しい取組みに挑戦を続けていくことが必要と信ずるものであります。

 本年、平成24年は、辰年であります。先行き不透明な雲間をかき分け、天に登る躍動感あふれる龍のごとく、山積する諸課題に取り組み、実行する。それが自信となり、また、新たな可能性を拡げていく。そのような好循環を生み出し、郷土香川の飛躍発展を目指していく年にするべく、私自身が先頭に立って、全力で挑戦してまいります。

 このため、昨年策定した「せとうち田園都市香川創造プラン」を着実に推進し、その基本目標の実現に向け、全力を傾注したいと考えております。「元気の出る香川づくり」を推進するため、県内すべての産業・経済活動を活性化し、働く場の確保に取り組みながら、「安心できる香川づくり」のため、東日本大震災を踏まえた防災対策に重点を置くとともに、交通事故抑止対策、医療の充実などに力を注ぎ、さらに、元気・安心の香川づくりを確かなものにしていく中で、定住・交流人口の増加策や地域、未来を担うひとづくりなどに取り組み、「夢と希望あふれる香川づくり」を進めてまいります。同時に、これら施策の展開に当たっては、持続可能な財政構造への転換、自らの責任と判断に基づく地域の実情に応じた施策の推進が強く求められることから、計画的な財政運営に努めるとともに、先般、四国知事会議で合意した四国広域連合(仮称)についての取組みなど、国の出先機関改革への対応をはじめとした地方分権の推進に向け、積極的な提言・提案を行ってまいります。

 私は、一昨年9月の知事就任以来、高松上海線の就航、県産品の戦略的販売、積極的な企業誘致・観光振興への取組みなど、香川の持つポテンシャルを最大限に生かし、今後の活力の幹を育てるために、また、地震・津波などに備えた防災対策の充実のために、力を尽くしてまいりました。新年度を迎えるに当たり、今一度、県民本位の県政を肝に銘じ、初心に立ち返り、県職員と一丸となり、県議会はもとより、県内8市9町との緊密な連携のもと、県民の皆様方とともに、「せとうち田園都市の創造」の実現を目指し、誠心誠意、全力で取り組んでまいりますので、議員各位の格別の御理解と御協力を心よりお願い申し上げる次第であります。


 さて、上程されました当初予算案についてであります。

 平成24年度の予算編成に当たり、私は、昨年の東日本を襲ったような大震災への備えや減少しない交通死亡事故の抑止といった、県民生活の安全・安心を確保するための施策をはじめ、現下の経済情勢を踏まえた機動的かつ切れ目のない地域経済活性化策など、本県の直面する多くの課題に対し、むだを省き、効率的な行政運営に努めながら、「元気の出る香川づくり」、「安心できる香川づくり」、「夢と希望あふれる香川づくり」に取り組むこととし、その一方で、昨年11月に見直した「財政運営計画」に即し、財政規律の確保にも意を用いたところであります。その結果、平成24年度一般会計の当初予算の総額としては、県土地開発公社の解散に伴う関連経費の計上もあり、2年ぶりに前年度を68億円余上回る規模となりました。

 また、歳入面においては、海外経済の減速や円高の影響などにより、県内経済の改善の動きが鈍化していることなどから、県税収入は、ほぼ横ばいで推移する一方で、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債は、引き続き減少するものの、それ以上に、地方交付税が増加し、平成24年度の一般財源総額は増加すると見込んでおります。

 しかしながら、この一般財源総額の増加額は、三位一体改革以降、削減された額と比べると、なお少額であり、国に要望していた地方交付税が復元されたとまでは言えないことから、引き続き、地方交付税をはじめとした財源の確保を国に強く働きかけてまいりたいと考えております。

 このように、平成24年度当初予算は、厳しい地域経済と財政状況を踏まえ、また、東日本大震災を踏まえた災害への備えなど、県経済の活性化、景気浮揚や雇用創出、安全・安心の確保に着実に対応するとともに、「財政運営計画」の考え方に即し、いわゆる一括交付金について優先事業を明確にするなど、施策の選択と集中を徹底し、「せとうち田園都市香川創造プラン」に掲げる15の重点施策に財源を重点配分し、効果的でメリハリのある「安心できる香川の活力創出予算」として編成したところであります。


 次に、平成24年度の主要な施策について、御説明いたします。

 第1は、「安心できる香川づくり」についてであります。


 まず、「未曾有の危機に備える地域基盤の整備・充実」についてであります。

 昨年の東日本大震災を踏まえ、今世紀前半にも発生が懸念される東南海・南海地震をはじめとした災害に備え、防災・減災対策に全力を傾注したいと考えております。国の動向も踏まえながら、最新の科学的知見に基づき、地震・津波の被害想定の見直しを行うとともに、災害時の情報収集・伝達体制の整備を進めるため、防災行政無線の再整備に向けた実施設計に着手します。また、実践的な防災訓練の実施などに対する新たな助成制度を設け、自主防災組織の結成促進と対応力の充実強化を図ります。

 さらに、県立高校をはじめとする県有施設の耐震化・建替えを一層推進するとともに、市町等が実施する小中学校耐震化事業について引き続き助成措置を講じるほか、市町と連携した個人住宅や緊急輸送道路沿道建築物の耐震化への支援を行います。ため池については、老朽ため池の計画的・効率的な整備を推進するほか、大規模ため池を中心に耐震診断を進めるとともに、ため池ハザードマップの作成支援にも取り組んでまいります。

 また、津波・高潮対策として、市町に対する県単独補助の補助率を引き上げ、防潮壁等の整備を促進するとともに、国の動向も踏まえ、新たな津波対策の実施方針、優先度に応じた整備計画等を策定いたします。併せて、風水害や土砂災害の未然防止の観点から、計画的・効率的な河川改修や砂防施設の整備等を進めてまいります。


 次に、「犯罪や交通事故から県民を守る安全対策の推進」についてであります。

 地域における犯罪抑止力を強化するため、新たに、犯罪発生の多い地域に、人の動きを感知するセンサーライトを集中的に設置するほか、防犯カメラ付き緊急警報装置の設置拡充等による防犯環境の整備を進めるとともに、青色回転灯を装備した車によるパトロールの一層の普及拡大を進めるなど、市町、住民の方々と連携して、地域における防犯力の強化を図り、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。

 また、少年非行を防止するため、効果的な非行防止教室の開催等、地域ぐるみによる少年の規範意識の向上に向けた取組みを進めるほか、健全育成のために少年が取り組む自主・自立的活動を積極的に支援いたします。

 さらに、子どもたちが安心して登下校できるよう、地域のボランティアによる巡回指導や子どもの見守り活動など、学校と家庭、地域が連携し、子どもを見守る安全体制の整備を推進してまいります。

 交通事故抑止に向けては、交通環境の整備、交通指導取締りの強化、安全教育や広報・普及啓発の実施の観点から、交通事故多発要因の調査結果を踏まえ、積極的な取組みを推進することとし、まず、事故の多発する交差点や夜間の事故を防止するため、一昨年から取り組んでいる道路標識・標示の高輝度化を一気に県内すべての交通事故発生箇所で進めるとともに、新たに、自転車事故抑止のための標識改良に取り組むほか、引き続き、交差点改良、歩道のバリアフリー化、信号機のLED化などを進め、安全な交通環境の整備をより一層推進します。

 また、取締り用資機材の整備などを行い、交通指導取締りを強化してまいります。

 さらに、スタントマンによる交通事故再現教室の開催や、新たに、ラジオ・テレビCM、市町や住民の方々に注意喚起を図るための交通事故情報の提供、事故多発時の横断幕等の掲出、交通安全ボランティアへの研修の実施などの広報・啓発活動に取り組むほか、高齢ドライバーに対する講習、交通安全県民運動の実施など、効果的な啓発、安全教育の実施に努めてまいります。

 このような取組みを総合的に、そして、徹底して行い、人口当たりの交通事故件数が全国ワースト1位という汚名を返上したいと考えています。


 次に、「子育てをみんなで支える次世代育成環境の充実」についてであります。

 社会全体で子育てを支援し、安心して子どもを育てられる環境づくりを進めるため、新たに、親子同士が気軽に交流できる「つどいの広場」の事業者などのスキルアップを図るための講座開催や地域ごとの子育て支援ネットワークの構築などに取り組みます。

 また、医療機関等に併設された専用の施設で実施される病児・病後児保育の利用料について、第3子以降の3歳未満児を無料化する制度を新たに創設するとともに、本年4月から大学生等を対象とした奨学金の貸与を開始し、子育て家庭の経済的負担の軽減を図ります。

 さらに、年間を通じた保育所入所待機児童の解消に向けた取組みを引き続き実施するほか、老朽化した斯道学園の機能充実を目指し、建替えに向けた基本設計に着手します。


 次に、「元気で長生きをめざす誰もが安心して暮らせる地域の実現」についてであります。

 県民の皆様の健康確保の観点から、糖尿病受療率が全国ワースト1位という実情を踏まえ、小・中学生を対象とした生活習慣病予防健診をはじめとした取組みを進めるとともに、「がん対策推進条例」に基づき、市町、事業者との連携のもと、がん予防及びがん検診の推進、がん医療の水準向上、がん教育の推進などの総合的ながん対策を推進するほか、「歯と口腔の健康づくり推進条例」の趣旨に沿って関係機関と連携した効果的な取組みを進めてまいります。さらに、子宮頸がんや細菌性髄膜炎を予防するため、ワクチン接種を引き続き推進します。

 高齢者施策については、高齢者の方々への各種サービスの確保や給付の適正化を図るほか、新たに、一人暮らし高齢者等への声かけ・見守りや居場所づくり、買い物、外出などの生活支援の取組みを進める市町、事業者を支援するとともに、取組みを支える人材育成に努めます。

 障害者の自立促進と地域生活を支援するため、新たに、就労支援に関するコーディネーターを配置し、障害者の働く場の開拓や就労促進に取り組むとともに、権利擁護センターを設置し、虐待防止対策など障害者の権利擁護に努めてまいります。

 また、重度心身障害者等医療費支給事業については、本年8月から、自己負担を、ひとり親家庭等医療費支給事業と同額に引き下げ、障害者の経済的負担の軽減を図ります。

 人権が尊重される社会の実現を目指し、同和問題をはじめ女性、子ども、高齢者、障害者、ハンセン病回復者など様々な人権課題に対応するため、「香川県人権教育・啓発に関する基本計画」に沿って、人権教育の充実や啓発活動の積極的な展開を図るとともに、人権に関する相談窓口を活用した人権擁護活動の推進に努めてまいります。


 次に、「大切な命を守り輝かせる香川の医療の充実」についてであります。

 医師確保の観点から、新たに、県出身の医師をはじめとする県外医師等の就業相談、斡旋の総合窓口機能などを有する「地域医療支援センター」の設置や大学における寄附講座の開設などを行うとともに、若手医師の県内定着を図るため、引き続き医師育成キャリア支援プログラムを実施します。

 また、医療機関の機能分担と連携を進めるため、地域医療再生計画に沿って、全県的に電子カルテ情報を共有化する地域医療連携ネットワークの整備を進めるとともに、中核病院の救急や災害、周産期の医療機能強化に向けた取組みを支援するなど、医療提供体制の充実・強化に努めてまいります。特に、昨年12月に国から指定を受けた「かがわ医療福祉総合特区」のもと、県が独自に開発したテレビ会議システム「ドクターコム」を活用し、遠隔医療等を進め、全ての県民が高い医療を享受できる環境づくりを進めてまいります。

 県立病院では、新中央病院について、早期に、県の基幹病院として最新の高度医療を県民に提供できるよう、安全・安心に万全を期すための追加防災対策を講じ、着実に整備を進めてまいりますが、開院の時期については、平成25年度末頃になると見込んでおります。

 また、新たな「県立病院中期経営目標」を策定し、病院事業管理者のもと、医療の質と経営の質のバランスのとれた全国トップクラスの自治体病院を目指して、経営改革に取り組み、県民の皆様方から求められる医療を安定的、継続的に提供してまいります。


 次に、「香川の活力と県民生活を支える水資源の確保」についてであります。

 水資源対策については、引き続き、内海ダム再開発をはじめ、ダムやため池の整備を推進するとともに、水道施設の更新・耐震化を積極的に進めてまいります。

 また、県内水道事業の広域化については、県と全ての市町が参加した水道広域化協議会での検討を積極的に進めるとともに、「香川県総合水資源対策大綱2011」に基づき、県民の皆様が安心して暮らせる、渇水に強い、水循環社会の実現を目指してまいります。


 次に、「地球との共存を香川から進める低炭素・循環型社会の構築」についてであります。

 低炭素・循環型社会の構築を目指し、引き続き、住宅用太陽光発電の設置に対する補助を行うとともに、家庭や事業活動における省エネルギー行動を促進するため、環境家計簿等を活用した二酸化炭素排出量の「見える化」に取り組むほか、新たに、学校等における環境学習プログラムの開発や事業者向けの省エネルギー講座などを実施します。併せて、リサイクルなどの3Rと廃棄物の適正処理の推進に努めてまいります。

 森林の整備・保全については、水源かん養や県土保全、二酸化炭素の吸収源など、森林の持つ公益的機能の維持・向上を図るため、間伐などを進めるとともに、「かがわ 山の日」に合わせた記念行事の実施などを通じて、今後とも、森林ボランティアや企業等との協働のもと、県民参加の森づくりを進めます。

 豊島廃棄物等処理事業については、昨年の9月定例会における「豊島廃棄物等処理事業の適正な執行を求める決議」を重く受け止め、より正確な進行管理と徹底した経費削減を図りながら、新たな処理量アップ対策を検討、実施し、県民負担の軽減に努めるなど、今後とも、直島町と豊島住民の方々、県議会をはじめ県民の皆様の格別の御理解と御協力を得て、最後まで、安全と環境保全を第一に全力で取り組んでまいります。また、汚染土壌の水洗浄処理については、処理委託先の地元住民の理解が得られるよう努めているところであります。

 このほか、近年のイノシシなどの野生鳥獣による農作物被害や生活環境被害の発生を踏まえ、新たに市街地周辺のイノシシの捕獲、侵入されにくい環境づくりに取り組むとともに、アライグマ、ヌートリアなどの特定外来生物の防除、生息範囲が拡大しつつあるニホンジカ、ニホンザルの生息状況の調査などを行います。併せて、捕獲鳥獣の食肉などの利用促進に努めます。


 第2は、「元気の出る香川づくり」についてであります。


 まず、「足腰が強く競争力の高いものづくり産業の育成」についてであります。

 ものづくり産業の振興を図るため、本県の強みである、ものづくり基盤技術産業と食品産業に重点を置いた「かがわ次世代ものづくり産業振興プラン」のもと、新たに省エネルギー型製品の開発支援や小豆島醤油のブランド化支援などに取り組むほか、次世代有望分野関連企業が集まる有力な展示商談会にブースを設けるとともに、大手企業との展示商談会を開催し、販路開拓を支援します。

 また、産業技術センターの技術支援機能や「かがわ中小企業応援ファンド」を活用して地域企業の独創的な研究開発や生産性向上のための技術開発を支援します。

 さらに、昨年就航した高松上海線を活用した中国・上海地域でのビジネス展開を支援するため、輸出や進出のための調査活動等を行う県内企業に対する現地での手厚いサポート体制を構築するとともに、企業経営者等を対象とした「上海ビジネス塾」の開催などを行います。

 先端技術産業の創出については、香川大学などとの連携により、高い成長が見込まれる医療・福祉分野での付加価値の高い製品開発や研究会活動を支援し、健康関連産業の創出に取り組むとともに、糖質バイオの研究開発成果である希少糖D−プシコースを利用した食品等の事業化の促進を図ります。

 このような産業振興の取組みを進めながら、グローバル競争や地域間競争が激化する中で、本県産業が持続的に成長していくための「香川県産業成長戦略(仮称)」の策定に着手したいと考えております。

 企業誘致については、企業の要望への迅速かつきめ細かな対応、優遇制度の充実、企業の競争力強化に向けた道路、港湾をはじめ、工業用水道施設の計画的更新などの社会インフラの整備に取り組み、魅力ある事業環境の提供に努めます。加えて、工業用水については、中・西讃地区への拡充を検討するための需要量調査等に着手いたします。また、優良企業の立地促進を図る上で、本県の優れた立地環境や工場用地の特性を踏まえ、ターゲットを絞った効果的な情報発信や、トップセールス等による誘致活動の強化に取り組みます。

 金融対策としては、中小企業振興融資制度のうち経済変動対策融資の保証料負担を引き続き軽減するなどの県独自の対策を講じることにより、中小企業の資金調達の円滑化を図ってまいります。


 次に、「働く意欲と地域産業をつなぐ雇用対策の推進」についてであります。

 依然として厳しい経済・雇用状況が続く中、雇用の確保・安定化は、喫緊の課題であり、働く意欲と地域産業をつなぐため、県が職業紹介を行う「香川県人材Uターンセンター」の利用対象者を県内求職者にも拡大するとともに、名称を「香川県就職サポートセンター」と改め、来年度から新たに配置する人材採用コーディネーターが、県内企業に対し、新規の求人開拓や採用に関するアドバイスを行いながら、職業相談員と連携して、新規学卒者などとのマッチングに努めてまいります。

 また、内定を得ていない学生を対象とした就職活動サポートセミナーや企業見学会などを引き続き開催するほか、中途採用希望者の再就職支援に取り組みます。併せて、高校生の就職支援のため、就職指導専門のジョブ・サポート・ティーチャーの配置、インターンシップや社会人を活用した授業の実施などのキャリア教育の推進に努めるほか、「香川求職者総合支援センター」における生活・就労相談に加え、新たに職場体験実習などの個別就職支援を行います。

 さらに、県立高等技術学校の訓練内容の充実などにより、労働者の職業能力の開発の推進に努めるとともに、UJIターン就職を促進するため、東京、大阪での転職相談会やUターンガイダンスを開催するほか、セミナーや個別相談を行うために設置したサテライトにおいて本県企業や求人などに関する情報を積極的に発信し、県内企業の人材確保を支援してまいります。


 次に、「世界に愛される香川印をめざすブランド化・販売促進」についてであります。

 県産品の認知度向上を図るため、県内一円での香川の食をテーマとしたイベントの開催や県産食材提供店のPRなどを内容とする「さぬきうまいもんプロジェクト事業」を拡充するほか、平成25年春のオープンを目指し、栗林公園東門に新たな物産販売棟を整備します。

 また、大手企業と連携した販売拡大、首都圏におけるフェア等による国内での販路拡大、海外バイヤー等の招へいや、アジア市場をターゲットにした県産品フェア、商談会の実施といった海外への販路開拓などの取組みを総合的に展開するとともに、インターネットの活用等による積極的な情報発信を図ってまいります。

 これにあわせ、引き続き、精力的にトップセールスを行い、本県の県産品振興の取組みを内外に強く印象づけるとともに、県産品のブランド化と販路開拓を強力に推進してまいります。


 次に、「香川の大地と瀬戸内の恵みを生かした攻める農林水産業への転換」についてであります。

 農業の振興については、主要農産物の作付拡大などに努めるとともに、K.ブランドに代わり、オリジナル品種を中心とした県産果実の推奨制度を新たに創設することにより、県産農産物のイメージアップと消費拡大に向けた効果的な情報発信を行い、生産拡大と販売促進を図ってまいります。加えて、生産・加工・流通・販売を総合的に捉え、農業の6次産業化による付加価値の高い商品づくりを促進し、ブランド力の強化などを進めるとともに、農林漁業の成長産業化を図るため、国の動向も見据え、農林漁業者と民間企業が共同で設立する会社に対して資本力強化や経営支援を行うためのファンドの創設に向けた調査・検討を行ってまいります。

 また、県オリジナルの水稲新品種「おいでまい」の本格導入に向け、生産・販売戦略を策定し、普及拡大を進めるとともに、さぬきうどん用小麦「さぬきの夢2009」の作付拡大、「オリーブ牛」のブランド力の強化と関西圏を中心とした販路開拓に取り組んでまいります。

 意欲ある農業者の確保については、来年度から新たに、就農前後の青年農業者に対する給付金の交付、農業法人等が雇用して育成した後に独立させる「のれん分け就農」の促進に取り組むとともに、今後の地域農業の核となる認定農業者や農業法人等の経営の多角化、ネットワーク化による経営発展や人材育成を支援します。

 また、市町や農業委員会等と連携し、新たな推進体制を整え、集落営農組織の設立を支援するとともに、既存の組織の活動範囲の広域化や経営規模の拡大に積極的に取り組みます。

 さらに、耕作放棄地の解消に向けた、県独自の新たな補助制度を創設し、農地の有効利用に努めます。

 林業の振興については、森林管理道などの路網整備、森林施業の集約化、高性能林業機械の導入や人材育成の支援により、搬出間伐を重点的に進めるとともに、県産木材製品のPRなどに積極的に取り組み、県産木材の利用拡大に努めます。

 元気な漁業の実現に向けては、ブランド化を推進しているハマチ・ノリ・イリコなどを中心とした県産水産物の消費拡大・販売促進の取組みを強化するとともに、生産物の品質向上と安定生産のため、引き続き、ノリの色落ち対策などに取り組むほか、老朽化した「ことぶき」の代船を建造します。


 次に、「未来と世界をつなぐ交通・情報ネットワークの整備」についてであります。

 昨年7月に週2往復で就航した高松上海線については、本年3月に週3往復に増便されることとなっており、同路線の長期的発展、運航リスクの分担、早期の市場形成などの観点から、引き続き必要な支援を行います。また、ソウル線ダイヤ改善や台湾線チャーター推進などに加え、既存路線の利便性向上、国内外の新規路線開設など航空ネットワークの充実強化に取り組みます。このほか、高松空港ターミナルビルの増築等による利用環境の充実に努めるとともに、高松空港のアクセス性を高めるため、高松西インターチェンジから高松空港に至る道路整備を進めてまいります。

 また、高松港のターミナル機能の強化や物流の効率化により、本県経済のより一層の活性化や発展を図るため、高松港朝日地区において、新たにガントリークレーンの整備に着手するなど、国際物流ターミナルの整備を推進するほか、高松市と連携し、サンポート高松における交通結節機能の強化を図ります。

 さらに、県道高松長尾大内線、県道丸亀詫間豊浜線など香川の発展に必要な幹線道路の整備を進めます。

 本州四国連絡高速道路に係る出資金については、従来の枠組みによるものにとどめており、今後の取扱いについては、料金問題も含め、「本四高速の料金等に関する調整会議」において、国と協議しているところであります。

 情報通信基盤の整備については、県内すべての地域で最新のICTを利用できる環境づくりを進めるため、離島などの条件不利地域における超高速ブロードバンド基盤の整備に取り組む市町に対して助成する制度を設けることとしました。


 第3は、「夢と希望あふれる香川づくり」についてであります。


 まず、「夢と希望に向かって羽ばたく人を育てる香川の教育力の向上」についてであります。

 教育力の向上については、小中学校では、少人数指導、少人数学級、学力向上基盤形成の3つの柱からなる、新しい香川型指導体制を推進するため、小学校1・2年生に加え、新たに小学校3年生でも県単独で35人学級を実施し、また、引き続き、小学校低学年での基本的な学習習慣などの指導や発達障害等に対応する教員を配置いたします。併せて、学力の定着状況を的確に把握するため、県学習状況調査を実施するとともに、教員の指導力の向上や、子どもが主体的に学習する姿勢の育成、学校の教育力の向上に取り組んでまいります。

 また、今後、経験豊かですぐれた指導力を有する教員の大量退職が見込まれることから、熟練教員の指導力を若い教員へ継承するため、小学校の指導教諭を増員するとともに、教員の実践的指導や職務遂行能力の向上等を図るため、退職教員の派遣制度を新たに創設します。

 県立高校については、魅力ある学校づくりを推進するため、各学校の創意工夫による特色ある教育活動を積極的に進めるとともに、平成25年度からの新しい学習指導要領の実施に向けた教員の教科指導力を高めるための研修を実施するなど、生徒の確かな学力の向上に取り組んでまいります。また、高校再編に関連した施設の整備などを行うとともに、「県立高校の再編整備計画」の着実な実施に努めてまいります。

 また、香川中部養護学校の教室不足解消に向け、校舎増築工事を行うとともに、高松養護学校の全面改築に向けた実施設計や、耐震化を前倒しして先行整備する同校の寄宿舎改築工事に取り組むほか、善通寺養護学校については、香川小児病院と善通寺病院の統合と時期を同じくして移転できるよう、引き続き建設工事を進めてまいります。

 児童生徒の暴力行為等の問題行動に対しては、拡大防止や早期解決を図るため、スクールサポートチームの強化・拡充を行うとともに、新たに、小中学校の連携による問題行動の未然防止や、問題行動等に県をあげて取り組む気運を醸成する「さぬきっ子 あいさつ運動」などを展開します。

 また、いじめ・不登校問題の解決や高校中退の解消に向け、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの派遣、いじめ電話相談などを引き続き実施するとともに、小学校6年生から中学校1年生にかけて不登校が急増する、いわゆる「中1ギャップ」の解消のため、小中学校の連携強化を図るほか、携帯ゲーム機やスマートフォンなどの新たな機器の普及に伴うインターネットの有害情報から子どもを守るため、学校における情報モラルの指導等に取り組みます。

 また、教員がその能力を十分に発揮し教育活動に集中できるよう、教員業務を見直すほか、業務負担の軽減等を図るため、新たに出席統計の作成を支援するソフト開発を行うなど、子どもと向き合う環境づくりを進めてまいります。

 家庭や地域との連携による教育力の向上については、就学前の子どもを持つ保護者に対し、家庭教育の重要性の積極的な広報啓発活動に努めるほか、学校と地域の連携を推進するため、放課後子ども教室や学校支援ボランティアの取組みなどを進めてまいります。

 また、青少年に対して研修、団体活動、国際交流等の活動の場を提供する青年センターについては、本年12月の再オープンを目指して、会議・宿泊棟の改築を進めます。


 次に、「感動と驚きを呼び起こす香川の文化芸術・スポーツの振興」についてであります。

 文化芸術の振興については、優れた若手芸術家の表彰などにより文化芸術を担う人材育成に努めるとともに、県立ミュージアムにおいてフランス絵画の大規模な展覧会を開催するほか、小豆島での東京藝術大学ゆかりの芸術家等と連携した創作活動や、県内の芸術家を派遣するワークショップを県内各地で実施します。

 また、「瀬戸内国際芸術祭2013」の会場でもある小豆島と三豊市粟島で、引き続き、「芸術家村事業」を実施し、創作活動の支援と地域交流を通して、文化芸術に親しむ機会の充実を図り、地域の活性化につなげてまいります。

 「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録については、四国各県や、市町、民間などと連携しながら、札所寺院や遍路道の調査を行ってまいります。

 スポーツの振興については、豊かなスポーツの素質を持つ小学生を発掘し、基礎的な能力を伸ばす「スーパー讃岐っ子育成事業」のほか、トップアスリートの育成の基盤となる中学校・高等学校の運動部において、県内で活動するプロスポーツチーム選手等による高いレベルの技術指導や強化事業を引き続き実施します。

 また、新たに、本県出身の日本代表候補選手が、オリンピックや世界選手権などの国際舞台で活躍できるよう支援を行います。

 高校野球についても、野球王国香川の復活を目指し、関係団体と連携し、指導者研修、選手への技術指導講習会、招待試合大会の開催など、各種強化策に、引き続き取り組んでまいります。

 毎年、NPB・日本野球機構へ選手を送り出している香川オリーブガイナーズや、昨年、JFLに参戦し健闘したカマタマーレ讃岐、日本アイスホッケーリーグ西日本7連覇の香川アイスフェローズ、バスケットボールbjリーグの高松ファイブアローズといった地域密着型スポーツチームの活躍は、本県のスポーツ振興や地域の活性化に大きく貢献しており、県民への観戦機会の提供や、県・市町が協力し、チームが実施する地域貢献活動等への支援を強化することなどにより、県民全体でチームを応援する機運の醸成に努めます。


 次に、「世界を魅了する観光立県香川の実現」についてであります。

 観光の振興については、本県のブランドイメージの向上や魅力ある地域資源の紹介を通じて、旅行先や商品の購入先として選んでもらうための取組みである「うどん県。それだけじゃない香川県」プロジェクトを、引き続き推進します。具体的には、話題となるようなインパクトのある映像の制作や、昨年リニューアルした県公式観光サイトの「うどん県旅ネット」をはじめ、交通広告、全国雑誌などの多様な媒体による情報発信に取り組むとともに、「うどん県」タレントを起用した県内イベントの魅力アップやNHK大河ドラマ「平清盛」を活用した誘客、各地の農村歌舞伎を集めた「さぬき歌舞伎まつり」の開催など、県内におけるにぎわいづくりに努めます。

 新たに中・西讃の島々が加わって、平成25年3月から開催される「瀬戸内国際芸術祭2013」に向け、企画発表会を開催するとともに、アート作品の制作、交通対策、国内外への広報活動など、開幕への準備に取り組んでまいります。併せて、その効果を県内全域に及ぼすため、各地域で実施するイベントの企画や観光資源との連携について検討を進めます。

 また、昨年、本県でロケが行われた日中韓共同制作のドラマの活用や各国の旅行会社、マスコミ等と連携し、中国をはじめとする韓国、台湾など東アジアとの交流促進を図るとともに、地域住民等が主体となった「まち歩き」などのまちづくり型観光の取組みを支援します。

 さらに、観光ニーズは、団体で景勝地等を足早に巡る画一的なものから、個人・小グループで、自然や癒し、様々な体験等、よりテーマ性や目的性を高める傾向にあることから、「香川せとうちアート観光圏」を基盤としながら、新たな取組みとして、「うどん県公式パスポート」を製作・活用し、瀬戸内海やアート、食など本県の観光資源を織り交ぜた周遊観光促進キャンペーンを実施し、滞在型観光を推進します。併せて、着地型観光旅行商品の販売支援を行うとともに、スマートフォンを活用して周遊観光情報を発信します。

 このほか、本年は、日中国交正常化40周年であるとともに、本県と友好都市縁組をしている陝西省の青龍寺に空海記念碑が建立されて30周年を迎えることから、より一層の交流促進のための取組みを行いたいと考えております。また、この夏には全国知事会議が本県で開催される予定であり、全国に向けた情報発信にも意を用いてまいります。


 以上、御説明しました内容により、年間総合予算として編成した平成24年度当初予算案のうち、一般会計の総額は、4,343億7,600万円となり、前年度当初予算に比べ、68億7,500万円、1.6%、増加しております。

 特別会計は、小規模企業者等設備導入資金など17の特別会計で、総額2,048億7,900万円余の予算を計上しております。

 病院事業会計は、収益的支出は209億9,000万円余、資本的支出は72億6,900万円余となっております。

 水道事業会計は、水道用水供給事業、工業用水道事業及び五色台水道事業の3会計を合わせ、収益的支出が56億4,500万円余、資本的支出が37億8,900万円余となっております。


 次に、第7号議案の平成23年度一般会計補正予算議案について、その主な内容を御説明いたします。

 国においては、昨年12月20日に、我が国を取り巻く環境に先行き不透明感が広がっている状況を踏まえ、国民の安心・安全を確保する観点から、追加の財政需要を見極めた上で、子育て支援、福祉などの基金の積み増し等や食と農林漁業の再生などを内容とする第4次補正予算案を編成し、今月8日、成立いたしました。

 県としても、農業の競争力及び体質強化や、市町から継続要望の強かった妊婦健康診査臨時特例基金などの事業期間の延長等の方針を踏まえ、早期に対応することが適当であると考え、あわせて、事業期間が限られているその他の基金についても、今年度の剰余見込みを減額し、平成24年度において活用するため、総額9億4,100万円余の補正予算案を編成し、御提案した次第であります。

 まず、農林関係の公共事業として、ほ場のパイプラインの整備等の実施、農業用水路の改修等を実施する市町に対する補助を行うとともに、果樹産地振興のため、果物の集出荷施設の整備に対し助成するものであります。

 次に、国からの交付金を子育て支援対策臨時特例基金、妊婦健康診査臨時特例基金など5基金に積み増しを行うとともに、緊急雇用創出基金など11基金について、今年度の剰余見込みを減額するものであります。


 そのほか、御提案申し上げております予算外議案は、地域の自主性及び自立性を高めるためのいわゆる第1次、第2次一括法によって制定することとなった「香川県職業訓練の基準等に関する条例議案」など新規制定の条例が5議案、東日本大震災からの復興に関する地方税の臨時特例などの所要の改正を行う「香川県税条例の一部を改正する条例議案」及び危機管理体制の強化を図るとともに、県民生活の安全、安心などに係る施策を総合的に推進するため、「危機管理総局」を新設する「香川県部制条例の一部を改正する条例議案」並びに特例基金の期限延長を行う条例など一部改正の条例が36議案、「香川県土地開発公社の解散について」など、県土地開発公社の解散に伴う関連議案が5議案、そのほか「第五期香川県高齢者保健福祉計画の策定について」などが13議案、合わせて59議案であります。

 また、本日、追加提案いたしました第67号議案は、人事案件で、公安委員会委員の退任に伴い、その後任者を任命しようとするものであります。


 以上、平成24年度当初予算関係議案等の概要等について御説明いたしましたが、議員の皆様方におかれましては、御審議の上、よろしく御議決、御同意賜りますようお願いいたしまして、説明を終わります。


  • 提案理由(平成24年2月県議会定例会) [PDF] [300kb]
  • [担当]
    予算調整室 財政再建・企画調整グループ
    電話:087−832−3034
    FAX:087−806−0234
    メール:seisaku@pref.kagawa.lg.jp

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