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公開日:2025年7月1日

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切子アップ

ヒト×モノ 讃岐デザイン オリーブを愛した島切子。

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目次

オリーブを愛した島切子。
切子硝子×切子クリエイター 石川 啓二

輝く海を背景に、そよ風が吹き渡るオリーブ畑。
誰もが癒やされる島の風景の中で刻まれた切子硝子(ガラス)。
その作品は、イタリアのミラノで開催された国際的なデザインアワードで5年連続入賞に輝く。
島と切子硝子、その魅力的な組み合わせに引き寄せられ、小豆島の工房を訪ねる。

 

 オリーブの島として知られる小豆島。その島を代表するスポット「オリーブ公園」を見下ろす高台に、「KJ工房」はある。KJは、Kiriko(キリコ) J'adore(ジャドール)の略。 J'adoreは、フランス語で「大好き」という意味。また、工房の主、啓二(KeiJi)さんの名前にも重なる。

KJ工房 オリーブが立ち並ぶオリーブ公園を眼下に、その向こうには瀬戸内海が輝く、癒しの地にある「KJ工房」。

 

 石川さんは大阪で生まれ、大学院を卒業後は東京でIT企業に就職。59歳の時に趣味で江戸切子を始めた。普通は10年かかると言われるが5年ほどで独り立ちし、退職を機に妻の実家がある徳島県に移住し工房を開く。その2年後には小豆島にも工房を構えた。「妻の友人に誘われたのがきっかけでしたが、すぐに小豆島が気に入り離れ難くなりました。」と石川さん。今は、オリーブをモチーフにした作品に取り組んでいる。学生時代からオリーブが大好きで、何にでもオリーブオイルをかけて食べるという。淡く輝くオリーブの葉も大好きで、考えてみればオリーブとの縁は深いと語る。

 

 切子硝子は、ホイールと呼ばれる金属製の砥石でガラスを削り模様を作る。その溝の形状や線の浅い深いでさまざまな形が生まれる。職人によって得意な模様があるというが、石川さんの刻むオリーブは、すっと伸びた枝やオリーブ公園でも話題になっているハート型の葉、優しく浮かび上がるオリーブの実が特色だ。このために特注のホイールを注文したという。

 

切子アップ オリーブの葉のみならず、愛らしい実が優しく浮かび上がる。表面がかまぼこ形で幅広のホイールを使い、技を駆使して、楕円(だえん)形の実を創り出す。
手元 オリーブの島の陽光を浴びる工房で、特注のホイールを使いオリジナルの模様を刻む。やがて光と影のアート作品が生まれる。

 

 

 

 オリーブのデザインを与えてくれた小豆島に恩返しがしたいと石川さんは語る。島には、日本酒やワインの醸造所もある。そうした地元企業と協力することはもちろん、オリーブの模様を多くの人に知ってもらい、島の知名度を上げたいと願う。また、小豆島観光の一つとして切子硝子の体験教室も行っている。現在は徳島と小豆島の2拠点生活だが、近い将来は小豆島に永住したいと準備中だ。

 

 江戸切子は、江戸時代後期に江戸で始まり、厳密には江戸(東京)で作られた切子硝子を指す。そこで、石川さんは小豆島で生まれる作品たちを「島切子」という名前で広めたいと考えている。瀬戸内海を望む工房で刻まれ、あるいは磨かれるオリーブの島切子。島の風景のように人々を癒やすシンボルになる日を夢見ている。

 

切子たち 世界最大級のデザインコンテストA' D esign Award 2025で、新作「オリーブの輝き」がSilverAward(シルバーアワード)を受賞。これにより5年連続入賞を果たした。
オリジナルカップ 2025年夏頃から再開したいというカフェでも使う予定のオリーブ柄のオリジナルカップ。

 

オリーブ

 

切子クリエイター 石川 啓二

1956年 大阪府生まれ
2015年 東京の江戸切子工房に通いカット技法を習得すると共に、手磨きの技術を独自に研究。
2019年 退職して徳島へ移住、切子の製作を行うKJ工房板野店をオープン。
2021年 KJ工房小豆島店をオープン。世界最大級の国際デザインコンペティションA' Design Award & Competition 2021において「清流」がBronze Awardを受賞。
2022年 「一輪ランプ」がIron Awardを受賞。
2023年 「躍動」がSilver Awardを受賞。
2024年 オリーブの葉をモチーフにした「絆」がBronze Awardを受賞。

石川

 

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