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公開日:2026年3月27日

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県指定有形文化財(工芸品)の指定について

香川県文化財保護審議会(会長光)は、令和8年2月27日に開催した同審議会の審議・議決を経て、県指定有形文化財(工芸品)2件の指定について、香川県教育委員会に対し、指定は適当であるとの答申を行いました。
3月27日に開催された県教育委員会3月定例会での審議・議決を経て、指定されました。

 

玉楮象谷(1806-1869)

讃岐漆芸の祖と呼ばれる漆工。江戸時代後期に活躍し、高松藩主の御用を務めるなどした。中国・東南アジアの漆工品を参考に、彫りの技術を活かして漆器を製作し、その技法は彫漆・蒟醤・存清として現在にも伝わる。

1.堆黒松ヶ浦香合楮象谷作3

  • 玉楮象谷の堆黒作品

象谷が用いた彫漆には、堆朱・堆黒・紅花緑葉といった技法があり、「堆黒松ヶ浦香合」は塗り重ねた黒漆を彫る堆黒によるもの。象谷自筆の手記「御用留」(高松市指定有形文化財)から嘉永4年(1851)に製作したと考えられ、製作年が推定できる象谷の堆黒作品で初期の作例。堆黒の象谷作品の県指定は初めてである。

  • 高松藩主の御用

高松松平家の10代藩主・松平頼胤の御用で18合製作したことが「御用留」に記される。蓋表は和歌18文字(「松山農浦風吹よせは飛天忍遍忘貝」)と二枚貝が表される。和歌は、「讃岐へまかりける人につかはしける」の詞書がある、讃岐とゆかりのあるもの。香合1つずつに蓋表の和歌一字を隠し彫りしたとされ、高松松平家に伝来した本作も蓋裏の側面と身の合口の内側にそれぞれ「山」、「農」、「風」の文字が線彫りされている。

 

2.一角印籠楮象谷作1
 附製箱1
 天保十年己亥仲秋玉楮正直謹製墨書

  • 彫りの精緻さ

本作は象谷の彫りの技術が遺憾なく発揮されていると言える。挾家の全面に無数の生物等が彫られ、精巧に彫り込まれた虫類は胴や足の節から触覚や羽に至るまで、数mmの大きさで表現されている。印籠を納める箱や「御用留」には、挾家に合計1,086の生物等を彫ったことが記され、この記載はある程度実数が反映されているものと考えられる。

  • 9代藩主との関わり

挾家や重の底部には製作年や象谷の名が彫られ、収納された箱の記述も参考にすると、象谷が天保10年(1839)8月に製作したことが分かる。「御用留」には高松松平家の9代藩主・松平頼恕から材料が与えられ、彫る手間を献上したとある。9代藩主時代における象谷と藩主との関わりが確認できる文化財であり、重を挾家に収納する構造やイッカクの牙・烏犀角の素材は、印籠の形態・品質としても珍しい。

 

詳細は、下記報道提供資料をご覧ください。

報道提供資料はコチラ(PDF:570KB)

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