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知事:
おはようございます。知事の池田豊人です。今日は大変暑い中、また、大事な夏休みのこの時間を割いて、県庁まで皆さんおいでいただき、この記者会見にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。皆さん方の姿をこうやって見ていますと、未来の記者、あるいは、未来の香川のリーダーになるんだなという、そういう印象を強く感じました。大変嬉しいことですし、今日このように、皆さんと真剣に向き合っていろいろな話ができることを、嬉しく、頼もしく思います。毎週月曜日の一時から、定例記者会見というのがありまして、まさにここで、私がいて、皆さんのところにテレビや新聞の記者の方が座って、県政に関してのご質問を受けて私が答えるというのが、毎週月曜日にあります。いろいろなご質問もあるので、ここに立つときは、私も毎回ドキドキしながら対応する面がどうしてもありますが、今日は特に、また別の意味でドキドキしております。高校生の方ならではの視点というのは、やはり、社会人や高齢の方とは違う視点があると思いますし、高校生ならではの疑問ということもあると思います。そういったものを、今日はぶつけていただきたいと思います。必ず、そういう視点は、県政をこれから進めていく上で(必要ですし)、これまでもしかしたら抜け落ちていたところを、今日、改めてご指摘もらえることも多いと思います。また、今やっていることをこのように変えていったら、というような大事な提案もあるのではないかと期待をしております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
【大手前高松高等学校】
1.公共交通機関の充実に向けた具体的な施策について
2.卒業後に地元で働く仕組みについて
3.南海トラフ地震時の計画について
【高松中央高等学校】
4.若者及び若者世帯の県外流出対策並びに若者が政治に関心を持ち活気溢れる香川づくりについて
5.外国人と県民の交流について
6.オーバーツーリズムについて
【高松高等学校】
7.香川県民100万人を達成する上で最も大切なことについて
8.都道府県知事選挙の被選挙年齢引き下げについて
9.香川県における「食の安全保障」対策について
【津田高等学校】
10.東讃地域3校のこれからについて
11.東讃地域の今後の展開について
12.人口減少をなくすために私たち高校生ができること
【高松第一高等学校】
13.高松市民プール跡地利活用について
14.南海トラフ発生時の県の対策について
15.瀬戸内国際芸術祭におけるオーバーツーリズム対策について
【高松商業高等学校】
16.香川県の新幹線開通について
17.香川県の事故防止への取組みと今後の対策について
18.香川県の過疎化問題について
【追加質問】
19.県のSNS広報について
20.新規事業推進のために削減した事業について
大手前高松高校:
我々は、一学期は、ウォータークーラーの設置やローファーの見直しなど、学校生活をもっと良く、ぎゅっと濃く送れるよう活動しています。本日はよろしくお願いします。
【1.公共交通機関の充実に向けた具体的な施策について】
3つ質問があります。1つ目は、公共交通機関の充実に向けた具体的な施策についてです。駅が遠かったり本数が少なかったり、公共交通が利用しづらい地域もあります。日常生活における買い物や通院の足を守るために、ローカル線やバスの維持、充実に向けた具体的な施策はどのようにお考えですか。
【2.卒業後に地元で働く仕組みについて】
2つ目は、卒業後に地元で働く仕組みについてです。農業や漁業の担い手不足が深刻な中、大学卒業後に県外に出ず、地元で働ける仕組みは考えていますか。もし考えているのであれば、どんなものがありますか。
【3.南海トラフ地震時の計画について】
3つ目は、南海トラフ地震時の計画についてです。香川県は災害が少ないと安心してしまいがちですが、南海トラフ地震で実際に被害が出たときに、どこに逃げるのか、誰が支えるのかなど、地域ごとの計画はありますか。
知事:
【1.公共交通機関の充実に向けた具体的な施策について】
はい。ありがとうございます。今、3つ質問をいただきました。まず1点目の公共交通機関の充実です。非常に、香川県にとっても、大きな課題であります。高齢化がこれからも進みます。車があれば、何とかこの問題は、そんなに大きくならないのですが、高齢者になると、やはり車に乗れない人も多くなる。そういう人が、いわゆる買い物難民になったり、病院に行けない問題だったり、そういう問題があるわけですが、このことが大きくなってくるので、これが本当に大事な問題になってきています。公共交通機関というと、いわゆるバスと鉄道がありますので、両方大事ですが、それを分けて話をします。バスについては、これから本数が減ったり、路線数も減ったりということで、どうしても、今のバスの運営の中では、もう運営していけないというのがあります。もうすでにそういう状況が出てきている訳ですが、それを補っていかないといけない。その1つに、デマンドタクシーというのがあります。皆さんも知っていると思いますが、タクシーを呼ぶと言っても、なかなかタクシー自身も少ないとか、料金も高いとか、そういうことがあるので、乗り合いタクシーみたいなものですね、こういうものを増やしていく。すでに香川でも、どちらかというと西讃とか東讃の方で始まっていますが、これがなかなか、導入したら上手くいくかといったらそうでもない、工夫がいるということで、今、工夫しているのが、年間パスみたいなものを買ってもらって、年間パスの中で、そのお金で何回でも乗れると。それの良いところは、最初にパスを買ってもらえば、経営する人たちも最初にお金が入るので、経営が安定するということと、乗る人も、パスがあれば、料金のことで比較的ハードルが下がって乗りやすくなるという、両方に良い面があるので、こういったことを進めていく。これを、今、取り組んでおります。それからもう1つは、バスの本数が減る原因は、やはり運転手さんの問題なんですね。運転手さんは、皆さんも知っていると思うのですが、卒業すると皆さんがまず免許を取ると思うのは、一種免許というものなんですね。自分で乗るもの。で、バスの運転手さんには二種免許というのが要るんです。お客さんを乗せて、お金を取って走るには、さらに高度な勉強が要るのですが、お金もかかるし大変で、しかもそういう運転手さんを雇うと、年間一千万円近くかかるということで、バスの運営コストにはね返って、なかなか運営できないと言います。そこを突破するには、今、いろいろな報道がある自動運転のバスですね。これも、まるっきり自動ということでは、大丈夫かなとか、安全面で心配があって、なかなか上手くいかないので、まずは誰か一種免許を持ったシルバーの元気な人に乗ってもらって、何かあったらボタンを押して止めるとか、そういうことをすればハードルが下がるのではないかなということで、これからそういう半自動みたいな、そういうバスが増えてくる。そういうふうに増やしていかないと、このバスの減便問題はなかなか解決できないのかなと思います。それから、鉄道問題。香川でいえば琴電・JR、これも料金だけで運営していくというのはかなり厳しいので、これからは公共で財政的に応援する部分と、利用者の料金で応援する部分が、がっちゃんこしたジョイント型になってくると思います。まず、そのジョイントの1つとして、今、琴電では、仏生山駅まで複線化というのをしようとしているのですが、その複線化にかかる費用のかなりの部分を、公共で財政負担します。また、新聞にも出ていたと思いますが、新型車両が今度お目見えしますが、新型車両の購入も億単位になる訳ですが、それのかなりの部分を公共で支援します。そういうことによって施設を更新し、施設が更新されると乗り易くなるということで、また良い循環になってくるので、そういった施設の更新を、今、公共で応援しています。それからJRについては、これからなのですが、やはり駅とかトイレとかを綺麗にしないと、皆さんが使う駅でも、駅のトイレだけは行きたくないとか、そういうこともあるのではないかと思うんですね。だからそういう施設関係を、しっかりやっていかなければいけないと思って、今、JRといろいろ相談していますが、これも全部JRに任すというのも難しいので、ジョイントで良くして。気持ち良く乗れないと利用者も増えないし、利用者が増えないと減便するという悪循環になるので、そういうことを、進めていきたいと思っています。
【2.卒業後に地元で働く仕組みについて】
それから、2つ目の農業・漁業の担い手。これは本当に深刻です。この両方とも、皆さんもそうだと思いますが、関心はあると思うんですね。農業というのは面白そうじゃないかと。漁業も、何だかすごく面白そうだよな、働いたものが目に見えるし、健康的だし、外で働くし。ただ、実際に会社員になって就職しようとするのと、農業とか漁業に入ろうとするのと、気持ちの面でハードルがあると思うんですよ。親がそうだったらまた違うと思いますけれども、いきなり、親はサラリーマンなのに私は農業をやるのだというと、どこからスタートしていいのかということになりますよね。だから、まずはハードルを下げないといけない。今、香川県では、農業法人という、会社経営みたいにしている農業者がいるんですね。今後増えるでしょうが、そういうところに、いわゆるお試しというか、1回見てみませんかという見学会みたいなことをやって、高校生・大学生、保護者の方にも見てもらって、ここだったらうちの子、ここで農業をやりたいと言っているから良いのではないかなというようなことで、ハードルを下げてもらうようなことをやったり、実際に、1週間から3週間ぐらい農業体験をしてもらうような、そういう企画も行っております。それから、実際にそのハードルを乗り越えて就いたときに、それでも農業って「1人でやってね」と言われてもどこからどうやるの、となるということで、やはり指導者・先生が要りますよね。その先輩農業者を、新規就農者の教え役として登録する制度を作って、今、76人、そういうふうに教えてくれる人がいて、希望があれば「こうやってやるんだよ」と教えてもらえる、というようなことをしています。漁業もですね、同じようにまずは入口を下げるということで、漁業体験会というのを、7月下旬に今回は実施しました。それからサポートというので「かがわ漁業塾」というのを作っていまして、実際に漁業をやろうと思ったらその塾に入って、漁業のイロハを学んでもらうようなこともやっております。そういうことで、ぜひ、香川の農業・漁業は、大事な産業なので、いろいろな方に入ってきていただきたいと思っています。
【3.南海トラフ地震時の計画について】
それから、南海トラフでどこに逃げるか・誰が支えるかということです。逃げることについては、これが一番大事なことなので、力を入れています。県と市町、皆さん今日は高松市の方、さぬき市津田の方がおられますけれども、それぞれ避難の経路とか避難場所、これを定めて、一人一人自分が、どの所へ、どのルートで行くかというのを見てもらえるようにする、これを一番の目的としてやっております。ぜひ皆さん、自分がどこへ逃げるかというのを確認していただきたいと思います。そういうことが分からないようでしたら、それぞれ市役所に「私はここに住んでいるが、どうやって逃げるのですか」と聞いてもらえれば、必ず教えてもらえますし、今はネットでもそういうことができるようなので、お願いしたいと思います。それから、誰が支えるのかというのは、やはり高齢とか、いわゆる障害者の方をどうするか。これはもう本当に、非常に大事なことでありまして、市町が一人一人、この人は1人で逃げられない人というのをピックアップして、その人がどうやって避難所まで行くかというのを、マンツーマンというか、オーダーメードで考えるということであります。今、これを一生懸命やっていまして、全国ではまだ14%ぐらいの人しかカバーできていないのですが、香川県は64%カバーできています。けれども、まだ、36%はできていないということなので、これを急ぎたいと思います。以上です。
高松中央高校:
放送部では、朗読アナウンスの練習や、学校行事の司会をしたり、様々な活動をしています。本日はよろしくお願いします。
【4.若者及び若者世帯の県外流出対策並びに若者が政治に関心を持ち活気溢れる香川づくりについて】
香川県出身の若者及び、若者世帯の県外流出の現状について、どのような対策を考えているか、お聞かせください。また、若者が政治に関心を持ち、活気溢れる香川をつくるために、どのようなことをお考えですか。
【5.外国人と県民の交流について】
普段、この香川県に生活していて、外国の方々と交流する機会や場所が少ないと感じることが多々あるのですが、交流の場は十分に活用されているとお考えですか。また、今後どのように充実させていく予定なのか、お考えをお聞かせください。
【6.オーバーツーリズムについて】
あなぶきアリーナも完成し、知事も観光客を多く呼ぶ試みをたくさんされていると思います。地元の住民としては、オーバーツーリズムになったとき、渋滞などで困るときがあります。今後の観光事業と地元住民とのバランスについて、お考えはありますか。
知事:
【4.若者及び若者世帯の県外流出対策並びに若者が政治に関心を持ち活気溢れる香川づくりについて】
ありがとうございます。3つ質問がありました。まず、若者の県外流出対策、政治への関心を持って活気溢れる香川づくりのご質問でした。県外流出ですが、これは本当に、今、危機感を持っています。もともと香川の人は、高校まで香川でいて、県外の大学に出て、県外でそのまま就職する人がどうしても多いというのは、昔からありました。人口が増えているときは、県外で活躍する人は、活躍する人。残って活躍する人は、残って活躍する人。そういう一定のバランスもあったのかも分かりませんが、今は人口が、皆さん高校生の数も含め、昔より減っている。それから今後を見ても、しばらくは少なくなってくる。こういう、総数が減ってくる中で、出て行っている若者はどうかというと、出て行っている人は増えている。全体の数が減っているのに、出て行っている人が増えている。これは差し引きすると、ダブルで、残る人が急激に減るということなので、昔からそうじゃないか、というのと違う現状になってきていると思います。これも人口減少が大きな要因なのですが、これはもう、香川県みんなで、この生まれた香川で頑張って、この香川を元気にしていこうという人を、これまで以上に増やしていこうという、そういうような運動論と言いますか、気持ちをみんなで持っていくということが大事なのだと思っております。まずは、大学の数も香川は少ないので、大学のキャパシティももう少し増やそうということで、県立大学は、今、保健医療大学がありますが、もう少し拡充するとか、新たにもう1つ作ろうということも、今、検討を始めました。それから、県外に行った人も、3割ぐらいは戻ってくるのですが、もっともっと上がっていかなければいけないので、頑張らないといけないと思っています。そのためには、「戻ってきて、こういう香川で頑張れ」と言っても、どこで頑張るの、ということにならないよう、やはり産業がしっかりしないと、頑張れる場所がないことには頑張りようがないので、それをしっかりやっていきたいと思います。今も、香川の産業というのは、先ほど農業・漁業の話もありましたが、製造業もたくさんしっかりした企業があります。私も、これは、皆さんが知るのはなかなか難しいとは思うんです。僕も高校までのときに、香川に産業って、自分で思い出しても、あのとき「香川の産業はですね…」と言えたという自信がありません。そういう中で、あまり偉そうに言えないのですが、香川には産業がしっかりあるので知ってほしいです。例えば、ここら辺周辺で言えば、具体名をあえて出しますけれども、クレーンの(株)タダノですとか、丸亀の方に行きますと、いろいろなスマホとか、製品の中の大事な部品を作っている大倉工業(株)ですとか、建材からいろいろな大事なものを作っている四国化成ホールディングス(株)ですとか、西に行っても神島化学工業(株)ですとか、東洋炭素(株)ですとか。多分知らないと思うんですよ。今、名前を言った企業は、優良企業で、今も伸びているし、非常に発展性のある企業なのですが、いわゆるBtoBという企業なんですよね。(株)タダノは、唯一、成果品が街中で見られるという面があるかも分かりませんが、スマホの部品だとか、その中で使われている炭素製品だとかは、目にする機会もないので、そういう産業が香川にあることを知るのが難しい。そういうことを、ぜひ、もっともっと皆さんにも知ってもらいながら、更に広げて伸ばしていく、そういう人材に自らなってもらいたい、こういうことを、頑張ってやっていきたいと思っています。それから、若い人が政治に関心を持ち、活気溢れる香川をつくる。これはなかなか、一朝一夕にということはないのですが、皆さんに今日こうやって出てきてもらいましたように、まずは、行動してもらうということが大事だと思うんです。行動するには外に出ないと、家の中だけでは、いくらスマホなりパソコンなりで情報収集ができたとしても、情報も限られるし、やはり目で見て耳で聞いて、そういう情報が、皆さんが街にどういう問題があるのかということを考えるきっかけになり、それが政治へのきっかけにも繋がるわけだし、どうやったら元気になるかというのは、まずは外出をして、いろいろな人と話していかないと生まれないと思います。だから、そういう機会を増やすのは私たちの責任でもありますが、どんどん、どんどん、外へ、外へと行ってもらうということが大事なのだと思っています。
【5.外国人と県民の交流について】
それから外国人の交流。今の話に繋がりますけれども、これも十分ではないのですが、今、「アイパル香川(香川国際交流会館)」という、高松高校のすぐ道を挟んで東隣、中央公園の北西の一角に、3階建ての建物がありますが、ここに 「アイパル香川(香川国際交流会館)」という、外国人の交流を専門にやっているところがあります。ネットで見てもらうと分かりますが、香川にいる外国の方との交流のイベントといった機会でしたり、それから外国語講座も、香川にいる外国の方を講師にしたものが行われております。ぜひそういうところに1回行ってみようかなということで、行ってもらって、そこから次のチャンスみたいなものが更に広がる、アイパルで知り合った人から。また、香川でもいろいろな国との交流をやっています。ただ、それをなかなか知る機会がないと思うのだけれども、全部知ろうと思っても大変なので、まずは入口としてそこへ行って、いろいろな話をしたり情報収集すると、こんなのもあるのだと、また広がってくるということがあるので、まずは一歩からが大事だと思います。それと、私たちも、それをもっと知ってもらう努力は足りないと思いますから、頑張ってやります。これから外国の方はどんどん増えていきます。もう、今、2万人を超えている。香川の人口91万人の中で2万人以上が外国人、これは多分もっと、10年経ったら、数字は分かりませんけれども、1桁ぐらい違う数字になるのではないかなと思います。そういう中で、上手く共生していくためにも、外国の方との交流が大事なことなので、ぜひ一歩を動かしてもらいたいと思います。
【6.オーバーツーリズムについて】
オーバーツーリズムの問題ですけれども、今、お話でもアリーナのことがありましたように、アリーナの開館前にも大分心配されました。僕も心配していました。アリーナには駐車場がありません。車で来ないでくださいという話をしていましたけれども、そうは言っても車社会だからみんな車で来て、駐車場が無いと周辺の浜街道、あのぐらいのところまでは路面駐車場を探してウロウロ回り、ますますそれで渋滞するのではないかという、そういう心配が大いにありましたが、結果的に無かったし、今も無いんです。これに随分貢献しているのが、丸亀町商店街の「丸い亀さん。」のような大きい駐車場。ここの駐車料金が、皆さんも知っているかも分かりませんが、アリーナに駐車券を持って行けば半額になるというのがあるんですね。「丸い亀さん。」からアリーナなんて結構距離があるから、あんなところから車を停めて歩く人がいるのかな、なんて最初は正直思ったのですが、これがいるんです。特に県外の人なんかは、そういうのはへっちゃらで、商店街を歩けば距離もそれほど心理的に感じないというのもあるんでしょうけれども、これが効いているということがあります。だから、これからも、観光というか集客のイベントなりと、住んでいる方との調和というのは、本当に大事なことなのですけれども、今のお話もそうですが、ソフトのいろいろな工夫、車で近くまで行かなければいいわけですから、いろいろ工夫はあるのではないかと思うし、しっかりこれからも取り組みたいと思います。以上です。
高松高校:
本日はどうぞよろしくお願いいたします。本校生徒会では、体操服のデザインの見直しであったり、校章裏ピンの改良、そして文化祭のパワーアップ、食堂改革などの内政面に関わること、そして、他校との交流で言いますと、香川県高等学校生徒会協議会の実施であったり、2校間交流の積極的な実施、そしてボランティア活動といった外政面の両面において、積極的に活動を進めているところであります。本日は、改めましてよろしくお願いいたします。
【7.香川県民100万人を達成する上で最も大切なことについて】
質問ですが、まず1つ目、我が国では、少子高齢化が大きな課題となっており、香川県においても例外ではなく、2025年4月1日時点で約91万人だった香川県の総人口が、2050年には約72万人まで減るという研究データも見られています。この問題に対して池田知事は「県民100万人計画」を掲げていらっしゃると思いますが、香川県民100万人を達成する上で最も大切なことは、子育て支援、教育拡充、平等社会の実現、社会福祉の拡充、防災・減災・防犯、交通網の改革、その他のどれが最も大事だと考えますか、お聞かせください。
【8.都道府県知事選挙の被選挙年齢引き下げについて】
平成28年に、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられ、若者の意見が政治に反映されやすくなりました。しかし、被選挙年齢は変わっておらず、特に都道府県知事選挙の被選挙年齢は満30歳以上のままです。このため、若者の意見が十分に反映されているとは言い難い状況です。そこで、池田知事は、都道府県知事選挙の被選挙年齢引き下げに賛成か反対かをお伺いしたいと思います。賛成の場合は、どの程度まで引き下げるべきだとお考えでしょうか。
【9.香川県における「食の安全保障」対策について】
令和の米騒動と呼ばれる全国的なコメ不足や、国際情勢が不安定な中、依然として低い食料自給率などから、食の安全保障が叫ばれていると思いますが、このことに関して、香川県としてどのようなことができるとお考えでしょうか。また、現在行っている政策等がありましたら教えてください。
知事:
【7.香川県民100万人を達成する上で最も大切なことについて】
ありがとうございます。まず、100万人を達成する上で最も大切なことですが、今、挙げてもらっているものでいうと、私は「子育て支援」が一番手に挙げられると思います。この人口が、今、減っているのは、しばらくはどうしても減るのですが、いずれ反転させて、100万人に戻そうということを掲げています。今の世代・今の時代でできることは何かというと、出生数の反転なんです。今、子供の数が減り続けています。しかし、令和4年から5年、令和5年から6年にかけて、この減り幅が鈍化しているので、これを、何とかその傾向を続けて、減り幅が鈍化し続ければ、いずれ底がきて上に向きます。何とか出生数を反転・プラスに持っていくということが、今の時代にみんなで頑張ってやっていける1つのことだと思います。そのためには、希望する方がきちんと結婚・出産ができるということを、もっともっと整えないといけません。今、希望があっても、躊躇せざるを得ないというのがありますので、そこをやるということでいうと、子育て支援というのは緊急課題であり、国も力を入れていますけれども、県もしっかり力を入れたいと思います。
【8.都道府県知事選挙の被選挙年齢引き下げについて】
それから、知事選の被選挙年齢ですけれども、賛成か反対かということで、バチッと答えたいのですが、今の時点で私は明確にどちらかというのを思っているということではありません。選挙権は18歳になってから、被選挙権というのは、議員は25歳で、知事は30歳からあるということになっている。これは戦後に決まったのですが、知事の選挙の被選挙権がある年齢が一番高いというのは、やはり最後、この全体の行政の執行に責任ある人というのは経験も要るのではないか、議員さんは意見を言う立場だが、それを踏まえて最終決定をして進める立場の人は、やはり経験も要るのではないかということで、このように5歳上がっているという、文献によれば、戦後すぐのことですので、また見ていただいてもいいと思いますが、そういうふうになっています。これを、今もどうするかという議論は、国でもされていますが、この件は特に両面がありますよね。下げると、いろいろな若い方の意見が取り入れられやすくなるのではないか、ということはありますけれども、年齢というものを、先ほど述べたように何故5歳変えているかということは、今でもあると思うんです。人によって違うのですけれども、トータルで見れば、やはり経験値というのはあると思うので、そこを下げると、そういうデメリットもリスクも少し増えるというのは当然あるということです。これはやはり、これから国民的な議論になるというか、国民みんなで考えて必要なら、ということでしかないので、今の時点で私は賛成・反対というのは明確には持ってないという、そういうことでございます。
【9.香川県における「食の安全保障」対策について】
それから、食の安全保障のことなのですが、日本の今の食料自給率が35%程度で、海外から見てもすごく少なくて、今まではその分輸入すればいいんだという楽観論がありましたけれども、考えてみると、国際情勢が厳しくなっている、新興国の人口増もある、本当に輸入だけで良いのかというと、非常に危ういことが、これからだんだん増してくると思います。だから、自給率は上げないといけない。そのためには農業を、先ほどの担い手の話もありましたが、しっかりさせていかなければならない。これは国としても大きな課題・取り組まなければいけない問題だと思います。やらないといけないのは、厳しいですが、担い手・就農者を増やすということであります。香川県の場合、特に、全国の中でも特徴的なのは、兼業農家が多いということで、今までは、兼業農家と専業農家のうち、専業農家に対する支援は手厚いけれども、兼業農家には薄かったんです。これを、今、香川県のオリジナルの制度として、兼業農家でもしっかり兼業をやってくれるという人には、ちゃんと専業農家並みに支援していこうというようなことを始めました。これを、ぜひ香川県の特色としても伸ばしていきたいと思います。その他、先ほど農業法人の話もしましたけれども、会社経営としての、そういう農業者が出てくるということは非常に大事なことですので、そちらも進めたいと思います。それともう1つは、香川の特徴ですけれども、どうしても田んぼの区画が小さい。これは全国でも広げていっていますし、香川県もやっていますが、全国に比べると圃場整備率はまだまだ遅れております。これを、これからも着実に進めながら、きちんとやってくれる人ができるようにしていきたいと思います。
【7.香川県民100万人を達成する上で最も大切なことについて】
高松高校:
1点だけ質問なのですけれども、100万人計画について、すごくビジョンが見えた、すごく良い政策だと感じました。その中で出生数の反転がすごくキーワードになっているとおっしゃっていたと思うのですが、その出生数の増加に対しては、産む選択をしたくても、将来、10年間・20年間、ちゃんと資金面で育てることができるのかという不安があって、産めないという選択をする人が多くいると感じています。その点につきまして、資金面の援助ではどのようなことをお考えでありますでしょうか。もしあればお聞かせください。
知事:これも、ここのところ大分充実させてきました。県でも独自に、市町と連携して高校生までの医療費は無償ということを2年前から始めました。それから、給食費ですけれども、第3子以降は無償ということで、県で先行的に始めました。国で、今、給食費は全部無償にしたらどうかという方針で進められていますので、できるだけ早くそういう制度が確立するように、今、国にも強く働きかけていますが、これも大事なことだと思います。それから、高校の無償化という話も、善し悪しは当然ありますが、経済的負担という意味ではプラスに働くことです。これも進み始めました。それから奨学金の問題というのも、これまでも随分いろいろと出ていますが、これからも充実の方向へ進むと思います。あとは出産時期の前後のいろいろな費用負担。この出産のときの負担金の額も、以前は30万円程度だったのが、今は50万円ぐらいになって、増えてきているということもありますので、大分、例えば5年前・10年前と比べれば明らかですけれども、今の時点では、いわゆる経済的負担というのは、かなり手当ができていると思いますし、これからも充実すると思います。そういうことを知る機会というのが、断片的に報道されたりするので、全体がどうなっているかというのはなかなか知らないと思うので、一度、ぜひ、今、出産して子供を育てたらどうなるかというのは、県でもできるだけ分かりやすく作りましたので、(実際にどうなのかというのを、)一度見てほしいと思います。
津田高校:
津田高校生徒会は、学校行事やボランティア活動など、生徒が中心となって活動しています。津田高校をより良い学校にするために、日々頑張っています。本日はよろしくお願いいたします。
【10.東讃地域3校のこれからについて】
質問は3点あります。1点目は、東讃地域3校のこれからについてです。2030年4月に3つの高校が統合して開校予定の新しい高等学校についてお伺いします。現在、畜産農業、工業、生活、商業、普通科と、それぞれ特色を持った高校の統合となりますが、新しい高校が地域や子供たちにとって、どのような高校になってほしいとお考えですか。また、新設校が地元住民、卒業生の思いをどう尊重されるのか、津田・石田・志度高校の跡地をこれから地域のためにどう活用していくのか、知事のお考えをお聞かせください。
【11.東讃地域の今後の展開について】
2点目は、東讃地域の今後の展開についてです。現在、瀬戸内国際芸術祭2025で、津田地域も開催地域となり、最近では、外国人や観光客を目にすることが増えました。夏休みを控え、今よりも来場客は増えると予想されています。この芸術祭をきっかけに、これから東讃地域をもっと盛り上げてほしいと思っています。今現在、東讃地域はイベントや地域での活動が少なく感じます。地域などと連携して、これからどのような活動を展開していこうとお考えですか。
【12.人口減少をなくすために私たち高校生ができること】
3点目は、人口減少をなくすために私たちができることです。大学や専門学校などで県外に学びに行った生徒たちに、また香川県に戻ってきて、仕事をして、家庭を持ち、子育てをしたいと思ってもらえるには、私たちの世代の参加も大切だと思います。私たち高校生は、自分たちのエネルギーを生かして、地域のために役立ちたいと思っています。高校生が地域の活動に関わるチャンスをもっと増やすような取組みを県として考えているか、お聞かせください。以上です。
知事:
【10.東讃地域3校のこれからについて】
まず、東讃地域の3校の統合のことのご質問がありました。今、開校準備委員会というのができていまして、どういう高校にするかというのを、開校前の令和11年までに作っていこうということで進めております。特に、今、お話のあった地元住民や卒業生の思いをどう尊重するかということは、非常に重要なことであります。今度できる高校には、校舎と別に、県下の高校では初めてになると思いますけれども、どういう名前をつけるかは決まっていませんが、古い言葉では「交流会館」みたいな、新しくおしゃれな場所の創設を、今、計画しております。そこでは、地元の方が、日頃から食堂も利用できるようにし、また、定期的に、地元の方だけではありませんが、いろいろな講師を呼んできて、オープンキャンパスみたいに講義をやってもらったり、いろいろな体験ができるようなイベントをやったり、農産品の直売みたいなこともやったりと、みんなが集まれる、そういう場所にしていけたらと思います。また、これまでの伝統とか、卒業した方の力もそういう場所を通じて引き続き発揮してもらう・繋げてもらう、こういうことをできたらと思っております。それから、統合というのは、3校が一緒になるということなので、令和12年度の統合・開校を目的としていますが、いきなり12年度にそれまで何も縁のなかった人たちが(集まっても)、入学生はいいですけれども、2年生・3年生はそれまで別の高校でいたのにいきなり一緒になって、というのもすごく不連続になるので、早い時期から文化祭の乗り入れだとか、イベントの乗り入れだとか、3校共同でいろいろやっていくようなことを続けていって、統合前から交流があり、あの人を知っているみたいなことが増えていくようにしていきたいと考えております。
【11.東讃地域の今後の展開について】
それから、東讃にイベントが少ないのではないかということですが、私もそう思います。これはしっかりやらないといけないなと思っていまして、去年、津田の松原で3千発の花火大会を是非やろうということでやりましたけれども、まさに一発花火ではいけないので、また続けてやらなければいけないのですが、とにかく人が動く・集まるようなことを、これからもさぬき市・東かがわ市と一緒に続けていきたいと思います。今、瀬戸内国際芸術祭の夏会期で、志度・津田・引田が会場となり、私も行ってきましたが、大変今、賑わっております。ああいう機会があると行ってみる、行ってみると、今の志度・津田・引田のエリアは、本当に、私も良いところだと思います。海の景色も良いし、町並みも良いし、いろいろな食べ物もあるし。仮に高松から行くと言っても、高速道路を使えば1時間もかからなくて、これらの地区に全部行ける。そんなに近いのに行く人が減ってきているというのは残念なことだし、何とか取り戻して、この東讃エリアに人が集うようにしていきたいなと思います。
【12.人口減少をなくすために私たち高校生ができること】
それから、人口減少をなくすために高校生ができること、これは本当に良いお話をしていただいたと思います。やはり、言っているだけではなくて、実際に高校生が参加して、地域の方とか社会人の方と一緒に共同作業があって、それが活性化のまた一助になると、その参加を通じて「この県に残って頑張ろう」という気持ちになる可能性が大きいので、そういう場面を作ろうと思っています。今、高校と一緒になって、「郷土に誇りを持つ教育の推進事業」ですとか、「ジモト×(かける)高校生×(かける)buzz(バズ)」という事業ですとか、「かがわイノベーションプログラム」という、香川大学創造工学部と一緒になった高校生が参加できるものとか、「高校生のための瀬戸内アートサマープログラム2nd」とか、いわゆるものづくりの分野、アートの分野、デジタルの分野、そんないろいろなことをやっているので、それぞれ高校で「知事はいろいろ言っていたけれども、参加するとしたらどうしたらいいのか」というのは、ぜひ聞いてもらって、どれか1つでも高校生の時代に参加をしてもらって、良い思い出を作ってもらいたいと思いますし、さっき言ったように、それを通じて、香川県への思いというのもまた作ってもらうといいかなと思います。
高松第一高校:
今から高松第一高等学校について紹介をします。私たち生徒会では、学校行事の運営と、学校をより良くするため、企画運営などの活動をしています。学校外での活動としては、市立高校サミットに参加するなどしています。また、各班に分かれており、それぞれが責任を持って活動しています。例として、交通安全企画では、JAF、高松南警察署、高松自動車学校の方々のご協力のもと、交通安全啓発動画の作成を行ったり、意見交換を行ったりして、ヘルメットの着用率を上げる活動などをしています。
【13.高松市民プール跡地利活用について】
本日は私たちからの質問3点にお答えいただきます。まず質問の1つ目としては、高松市民プール跡地利活用についてお伺いします。高松市民プールの跡地は、マリンスポーツなどで、水に親しむエリアとして整備されることを提言されていますが、具体的にはどのように整備しようと考えていらっしゃいますか。
【14.南海トラフ発生時の県の対策について】
南海トラフ発生時の県の対策についてお伺いします。瀬戸内海の島々の島民の方々への災害時の支援はどうするのでしょうか。また、高松市内の沿岸部の発展が著しいですが、新規開発に対する災害対策はどのように行っているのでしょうか。
【15.瀬戸内国際芸術祭におけるオーバーツーリズム対策について】
瀬戸内国際芸術祭についてお伺いします。現在、瀬戸内国際芸術祭夏会期が行われており、国内外、また、県内外から沢山の方が香川に訪れていて、盛大な盛り上がりを見せています。しかし、過去の開催では、オーバーツーリズムによって、島民の生活に支障が出たことがあるとお聞きしました。この課題に対する知事の所見と、今後の対策についてお考えをお願いいたします。本日はよろしくお願いします。以上です。
知事:
【13.高松市民プール跡地利活用について】
ありがとうございます。まず市民プール跡地利用ですが、今、プールがなくなって大分時間も経って、あのエリア、サンポートもこれだけ賑わいが出てきたし、更に西側の一部、青果棟が朝日町に移転して空いたところをにぎわい拠点にしようということで進めている中の、ちょうどサンポートとの間に入ってくるということで、残された大事なエリアだと思っています。まさに、今も発言いただいたし、提言もしています「水に親しむエリア」というのは、大事な、外せないキーワードだと思います。「水に親しむ」というのは、いろいろな親しみ方があると思いますので、どういう内容にするか、今、ちょうど民間の方にも入ってもらった検討の業務が動いていまして、8月末までに結果が出てきますので、そういったものをベースにして、また、いくつかある類型化というか、パターンを作って、市民・県民の皆さんにも意見も聞いて進めていきたいと思っております。残された大事なところで、良いものにしていきたいと思いますので、ぜひいろいろな意見を、皆さんからも遠慮なく発信してもらえればいいかなと思います。
【14.南海トラフ発生時の県の対策について】
それから、南海トラフ地震の島のことですね。これは本当に良い、大事な視点をご指摘してもらいました。島というのは、陸よりも災害のときに気をつけて準備しておかなければいけないことが多いと思います。それはやはり、物資を運ぶのが陸続きよりも大変だということからだと思うのです。地震が起きたら、船で運ぶのですが、それがままならないというのは、岸壁が壊れて船が接岸できないみたいなことがあったときです。そういったときも小さい船だったら何とかなるので、土庄港がやられるとか、宮浦港がやられるというときに、小さい船で代替ができるように、そういう準備を、今、あらかじめ民間のいろいろな小さい船を持っている団体と相談して、いざというときはお願いね、という協定も結んで準備をしているところであります。それから、そういった約束事をちゃんとやってもらうために、できるだけ頻繁に、そういう人たちを巻き込んだ物資輸送訓練みたいなことを、いざというときに活躍していただけるようにやっているところでございます。
【15.瀬戸内国際芸術祭におけるオーバーツーリズム対策について】
それから、瀬戸芸のオーバーツーリズム対策ですけれども、今も夏会期で大変賑わっていて、春も、前回よりもかなり多くの人で賑わいました。多くの方に来ていただくということは、大変ありがたいことで、嬉しく思っております。一方で、ご指摘のオーバーツーリズム問題です。これはずっと気にかけながら手を打っています。春は非常に、前回よりもかなり増えたのですが、そんなに混乱がなかったんです。で、やはり聞くのは、来ていただく方の協力のもとの平準化。この平準化というのは、やはり皆さん、あえて混んでいるときに行きたくないのは当たり前で、いかに「この日は駄目よ」というようなことが分かることが大事なので、カレンダーみたいな形で、これまでの実績から「この日と、この日と、この日は避けた方がいいですよ」みたいなことを、早い時期から、スマホでも見られるようにしました。そういうことが功を奏した面もあるのではないかと思います。高速道路のお盆渋滞予想みたいなものも、昔は無かったのですけれども、あれはやり始めて大分経ちますが、ああいうことがあると、みんながそこを避けて動いていくらか良くなるので、こういう地道な努力というのが大事だと思います。やはり、島の問題で言いますと、島民の生活に支障が出ないようにということで、バスが満杯で島の人は使えないみたいなことがありますが、直島は今回バスを大幅に増やし運営して、今のところ、島の人が乗れないことはないということです。回を重ねるごとにいろいろと課題は顕在化してくるので、それらの対応をこれからもしっかりしていきたいと思います。
高松商業高校:
本日はよろしくお願いします。私たち新聞部は部活動が活発な高商の記事を書いたり、校内の活動の紹介を記事に書いたりしています。放送部では、テレビの取材を受けたり、いろいろな大会に出たりして、昔よりも、より活発に活動しています。
【16.香川県の新幹線開通について】
それでは質問に入らせていただきます。1つ目は、香川県の新幹線開通についてです。瀬戸大橋が開通してから36年が経ちました。本県の産業や観光をより活発にするためにも、新幹線開通が必要だと感じています。今後、新幹線を開通させる予定はありますか。知事の今後の見通しなどがありましたら、ぜひお聞かせください。
【17.香川県の事故防止への取組みと今後の対策について】
2つ目は、香川県の事故防止への取組みと今後の対策についてです。高校生になると、自転車通学や原動機付き自転車に乗り始める人も増えます。本県の若者に向けた交通安全の授業や取組みはありますか。また、交通事故を防ぐために、私たちにこんなことを協力してほしいというものがあれば、ぜひお聞かせください。
【18.香川県の過疎化問題について】
香川県の過疎化問題についてお伺いします。東かがわ市やまんのう町など、多くの地域の過疎化が進んでいます。最近、私たち高校生とその保護者を対象に、県立大学の見直しなどのアンケートもあったように、様々な対策を検討されていると感じることもありました。もし、知事ご自身が県外の友人に、香川県においでというなら、本県の何を推しますか。これら3点について、知事のお考えをお聞かせください。
知事:
【16.香川県の新幹線開通について】
まず新幹線ですが、私は必ず実現しないといけないプロジェクトだと思っております。「できるのですか」ということではなくて、皆さんと一緒にこれを実現させないといけないという、そういうものだと思っています。今、産業・観光の話があって、まさにその通りなのですけれども、特に、人の動きというのは、産業でも観光でも大事なのです。高速道路は、四国にもありますよね。だから「高速道路があって、それで代用できるのではないか」というようなことを言う人もいるのですが、この間開通した(北陸新幹線では)、金沢まで来て福井に行きましたけれども、それから、鹿児島にもできましたが、高速道路は早くから、ああいう所にもあったんですね。高速道路があっても、人はやはりなかなか動かないんです。新幹線があって、開通した金沢・福井、それから鹿児島。開通後はそれまでから3割ぐらい人の動きが増えているんです。私も知事になる前は、国土交通省で高速道路の仕事を長くやっていたのですけれども、高速道路というのは、物流にはすごく力があって、トラックはビジネスでやっているから、千キロぐらいは平気でみんな動くのですが、マイカーで千キロも走る人というのは、いないことはないですけれども、ほとんどいないですよね。平均のマイカーの高速道路の利用距離は意外と短いんです。60キロとか。だから長距離の車移動というのは制約があって、やはり新幹線がないと、広域には人の動きができてこない。これが今の四国の今後の課題になってきます。今までも課題ですが、北海道も九州もできまして、繋がっていますから、日本列島で四国だけがない。そうすると、皆さんの今後の将来の時代、また皆さんの子供の時代まで考えると、この四国というのが特異なエリアになってしまう。そういう危機感をすごく持っています。もう今からやらないといけません。新幹線って時間がかかるんです。ルートを決める、駅の位置を決める、在来線問題を解決する。もう、それだけでも10年ぐらいすぐかかるんです。だから、今、それがほとんどできていないので、今、それを始めても10年後にようやく着工できる、そういうプロジェクトです。北陸新幹線も北海道新幹線も、大分終わりになってきていますので、あの後でと言われても困る。今からスタートしないとそれにも続けない。もう、今、とにかく動き出さなければいけない。これは国が動かないといけない問題なので、ぜひ皆さんの高校生の声でも、「自分たちの時代のためにぜひ動いてくれ」と言ってほしい。政治が、今、スタートを切らなければ、また30年経ってしまう。「今からやるんですか」みたいなことになってしまいます。一歩動かさないとゴールは来ないので、とにかく今、一歩動いてくれというのは、皆さんの声で「私たちの将来をどうしてくれるのだ」と言うことだと思います。
【17.香川県の事故防止への取組みと今後の対策について】
それから、交通事故ですけれども、本当に一番酷かった50年ぐらい前と比べると、交通事故の死者数は7分の1ぐらいになっているんです。全国的にも、香川もそうなのですけれども。効いているのは何かというと、シートベルト。これが普及し始めたからです。事故にはどうしても車に乗っている限り遭うんですよね。最近、衝突防止のいろいろな技術が出て、そっちも効いていると思うのですが、それでも事故には遭う。そこで、事故に遭っても、死ぬか死なないかの境目がこのシートベルトなんです。これを考えたときに、皆さんに一番影響するのは、自転車によく乗るでしょう。自転車に乗って、万が一引っかけられて転んだときに、頭を打って亡くなるか・亡くならないかというのは、ヘルメット1つなんです。何とか皆さんにヘルメットを着用してもらいたいと思います。暑いとか、ヘアスタイルが乱れるとか、気持ちはその通りだと思うのだけれども、今、格好良いのも出ているし、何とかヘルメットを着けてもらって、命だけは落とさない。皆さんには1人もそういうことで死んでもらいたくないと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
【18.香川県の過疎化問題について】
それから、「香川においで」と何を推すか。イチオシは、僕は、瀬戸内海です。この香川県に私も高校生までいて、40年ぐらい離れて、3年前に戻ってきました。改めて、この瀬戸内海の美しさであったり、先ほど産業の話もしましたけれども、瀬戸内海があるから、産業もあるのだと思います。それから漁業もあります。観光もあります。そういう意味で、この瀬戸内海の持っている力というのはすごいし、これは他の県に無いところだと思います。もちろん、瀬戸内海の沿岸は似たようなメリットを受けていますが、やはり、瀬戸内海の一番の恩恵を受けているのは、ここだと思います。それはなぜかというと、高松駅が海の直近にあるからです。こういうところは、他にありません。岡山も、広島も、松山も、全部海から距離がある。なぜ直近にあるかというと、連絡船が昔あったからです。瀬戸大橋ができる前に連絡船があり、貨物列車が来て連絡船に乗り込んでいたから、海上に駅ができて、それが海に近づいて、ターミナル駅が、今、あるということに繋がっている。香川県は海を活かせる日本で本当に唯一の県だと思いますし、その海が、この素晴らしい静かな瀬戸内海ということです。この地の利は、未来永劫ある地の利であり、皆さんが大きくなっても活かせる地の利なので、これを売りにして、県の発展を、これまでもそういう県でしたけれども、みんなでもう一度、瀬戸内海のありがたさを考えながらいったらいいかなと思います。以上です。
高松中央高校:
【19.県のSNS広報について】
香川県の良さを他県・他国の方々にアピールする際に、SNS等の情報発信ツールを上手く活用できるのか教えていただきたいです。また、現在、どのような政策を行っているのか、今後のSNS等の活用方針についても教えていただきたいです。
大手前高松高校:
【20.新規事業推進のために削減した事業について】
追加で質問します。子育て支援や新幹線事業など、今、どんどん進めている事業についてお話はあったと思うのですけれども、逆にそういった事業を成功させるために削減したものとか、プライオリティをあえて低くしているものとかはありますか。あったら、その理由も聞きたいです。
高松高校:
【16.香川県の新幹線開通について】
先ほど、新幹線につきまして、すごく魅力的で、かつ、未来の見える明るいお話をいただいて、私自身ワクワクしているところであります。ですが、高松に新幹線を通すにあたり、東京であったり北海道であったりという遠方から来られる方は、飛行機をメインで使われていると思います。私自身も明日から東京に行くのですが、その際は、新幹線と飛行機の選択があったときに、飛行機の方がもちろん値段は高いですが、かかる時間がすごく短くて、新幹線でしたら、マリンライナーを使って岡山まで行くということだと思うのですが、先日大阪に行った際は、マリンライナーで乗り継いでもそこまでの不便さを感じませんでした。その状況におきまして、改めて、本当に新幹線が必要であるかということをお伺いしたいです。
知事:
【19.県のSNS広報について】
まずはSNSですね。これからそういった発信がPRの成否を決める部分になってくると思います。香川県で、というのは、試行錯誤の中でやっているのですけれども、2年前からやっているのは、観光してもらうと、見た人がその写真を撮って、それをアップしてくれる、これ自身が非常にPRになってくるので、そういうことをやっていただいた方にインセンティブがあるような商品みたいなものを作って、投稿してくださいね、ということを一生懸命やっています。あとはTikTokのインフルエンサーみたいな方を呼んできて、この間もPRをして、香川をもっともっと取り上げて発信してもらうように、2泊3日ぐらいで、いろいろなところで取材してもらったりしています。そういう、特に発信力のある人への情報提供、こういったことをやっているというところです。そんなに、へぇ、というようなことではないかもしれないのですけれども、1つ1つ、そういうことを積み重ねていきたいと思います。
【20.新規事業推進のために削減した事業について】
それから、やめるものはなんですかということなのですけれども、「これはやめました」という分野というのは無いのですが、毎回スクラップするというか、県では何千という事業がありますが、1割ぐらい「もうこれはやめていこうね」というのを、毎年ピックアップしながらやめて、「その財源で新しいことをやろう」というようなことをやっています。その中で、そういうことは当然やりながらですが、今まで、皆さんはまだ20年弱ですけれども、30年ぐらい日本というのは、今、話題になっています、給料も上がらない、ずっと横ばい経済みたいな、GDPも横ばい、とにかく横ばいだったんです。だから、スクラップアンドビルドみたいなことを徹底するんだといって、横ばいの考え方に近いところもあるし。そうじゃなくて好循環に持っていこうとすると、投資も行い、その代わり、それによって税収が戻り、という。それが良いインフレ経済になるので。横ばい経済、そういうのに、大人も慣れ親しんでいるから。積極的に投資をするということに、民間も含めてですが、日本人は臆病になりすぎている。この30年の結果。だから、これからは、投資をこれまでよりも、プラスの支出をするけれども、収入にも戻ってくるという、そういう見通しの中で、必ずしも、横ばい、スクラップアンドビルドが全てということではないということも、考えながら私はやっていますし、ぜひ皆さんもそういうことを考えて、皆さんの世代は、横ばい経済の時代じゃないので、伸びゆく経済の時代にしてほしいと思います。
【16.香川県の新幹線開通について】
それから、新幹線の話がありました。飛行機というのは、1回に乗れる数というのが、100人から200人ぐらいですよね。新幹線の輸送量と飛行機の輸送量はものすごく違うんです。オーダーが1桁くらい違うのかな。だから、飛行機は新幹線ができても使えばいいのですが、飛行機だけで交流が十分かというと、そこに制約がすでにあると思います。だから、ああいう新幹線というものがあることで、先ほど言った、人の広域的な動きというのが出てくる。それはさっき言った金沢もそうです、福井もそうです、鹿児島もそうです。飛行機もありました、ただ、新幹線ができたら、大いに広域的に人がそこへ行くようになって、3割も増えた。これが実証されていることだと思います。
知事:どうもありがとうございました。大変、いろいろ、良い指摘をいただきましたので、ぜひ、もらったものは反映させていきたいと思います。ありがとうございます。
以上
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