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公開日:2020年12月10日

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週末農業で高収益を目指す

仕事を続けながら、週末だけで花き栽培をとお考えのあなた。この方法だと年収(純益)の目標は50~100万円程度と考えられます。それと、最も大切なことですが、ひとりだけでこの農業をやろうとしても、非常に難しいということを理解していただく必要があります。それは、花き栽培では潅水等日々こなさなければならない作業があり、収穫時には1日も休めないことも多々あるからなのです。そこで、家族の協力は不可欠になります。

投資は少なく

言うまでもありませんが、年収の目標が50~100万円程度の経営では、過剰投資は禁物です。できれば露地栽培を行い、投資は少なくというのが理想ですが、露地栽培では収益に限界があります。できれば施設を使用したいのですが、簡易なビニールハウスでもまずまずの経費(間口7.2m、100坪のビニールハウスで約1万円/坪)が必要となります。特に、最近では鉄(パイプ)の価格が上昇し、数年前に比べると総額で2割ほど上昇しています。新築でなく、遊休ハウスが利用できるのであれば、是非利用したいものです。

日常管理を少なく

基本的に週末での農業ということですから、週末以外の作業は極力少なくて済む品目を選ぶことが大切です。輪ギクやカーネーションのように、芽かぎなどに手間がかかる品目は避けるようにします。また、病害虫防除を頻繁に行わなければならないものも、適品目とは言えません。

収穫を集中させない

収穫は適期に行うことが大切であり、1日たりとも遅れることのできない品目が少なくありません。キクのように収穫が一度に集中するような品目では週末は言うに及ばず、平日にも仕事を休んで対応しなければならなくなります。そこで、収穫時期が分散するような、俗に言うダラ切りができるような品目が適するのです。以上のようなことを踏まえ、マーガレットと枝物の栽培をご紹介しましょう。

マーガレットの施設栽培

マーガレット栽培の適地は温暖で、肥料分が少なく水はけのよい土壌を持つ地域です。高温は苦手で開花遅延を起こしますが、低温にも弱く、霜に遭うと枯死します。冬季の出荷を目指すためにはハウスが必要です。また、肥料分の多い、よく肥えた土壌で栽培すると、茎葉ばかり大きくなり、バランスの悪い低品質のマーガレットになってしまいます。

労働時間可能時間および必要労働時間

図-1マーガレットのハウス栽培(ハウス20a、本人・家族1.5名、年収100万円)

図-1は20aのハウスでマーガレットを栽培した場合の労働時間を示しています。棒グラフは旬別労働時間、折れ線の領域は1.5名で就農した場合の許容労働時間を示しています。すなわち、年中かなりゆとりを持った労働が可能ということが分かり、これなら家族の助けを少し借りながら、週末農業で対応可能となるのではないでしょうか。具体的な作業名と10a当たりの作業時間は大凡次の通りです。

耕耘・畝立て(15時間)、施肥(10時間)、定植(10時間)、潅水(30時間)、摘心・整芽(35時間)、中耕(20時間)、杭打ち・ネット張り(5時間)病害虫防除(25時間)、収穫(95時間)、出荷調整(160時間)、ビニール被覆(20時間)、片づけ(40時間)、その他(35時間)【合計500時間】

枝物の露地栽培

長所

  • 傾斜地等土地条件のよくない場所でも栽培可能である。
  • 資本がかからない。
  • 特別に難しい技術は必要ない。
  • 所用労力が少ない(約100時間/10a)。
  • 一部の樹種を除いては病害虫防除が簡単である。

短所

  • 収穫までの期間が長い。
  • 収益が多くない(ハナモモで20万円/10a)
  • かさばるので出荷経費が多くかかる。
  • 一度植えると転換が簡単にできない。
 
 
 

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