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フロン類とは、フッ素と炭素などの化合物で、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)の総称です。オゾン層を破壊するCFC、HCFCを「特定フロン」、オゾン層を破壊しないHFCを「代替フロン」といいます。不燃性、化学的に安定、人体に毒性が小さいなどの特徴を有するものが多く、エアコンや冷蔵庫などの冷媒をはじめ、断熱材等の発泡剤など、様々な用途に活用されてきました。また、フロン類は、二酸化炭素の数百倍から一万倍を超える温室効果を持つ物質でもあります。
大気中のフロン類の濃度は、オゾン層を破壊するCFCやHCFCを中心に世界各地で測定され、日本でも気象庁などが測定しています。しかし、HFCについては、データが少ないのが現状です。
本県でも、オゾン層破壊の観点から平成8年度から3種のフロン類の大気中濃度の測定を開始し(現在は4種類)データを蓄積していますが、オゾン層を破壊しないフロン類やその他の温室効果ガスの県内の大気中濃度については、ほとんど知見がありません。そこで、使用量が多く地球温暖化係数が高いフロン類を中心として、標準物質が入手可能で、ガスクロマトグラフ等で測定が可能と考えられる物質について測定方法を検討し、県内での測定することにしています。
CFCは、オゾン層を破壊するフロン類として、先進国では1996年、発展途上国では2010年までに生産及び消費が全廃しています。
主なCFCはCFC−11(温暖化係数4,750、オゾン破壊係数1.0)、CFC−12(温暖化係数10,900、オゾン破壊係数1.0)で、この2種類のCFCの世界の大気中の濃度は、1990年から2005年をピークとして、減少しています。なお、温暖化係数は、二酸化炭素を基準にして、どれだけ温暖化する能力があるか表した数字、オゾン破壊係数は、CFC−11を基準として、どれだけのオゾンを破壊する能力があるかを表した数字です。
世界の大気中の主なCFC濃度の変化
出典:気象庁ホームページ(http://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/cfcs_trend.html)(外部サイトへリンク)
HCFCも、オゾン層を破壊するフロン類として、先進国では2020年、発展途上国では2030年までに生産及び消費を全廃することとしています。
主なHCFCはHCFC−22(温暖化係数1,800、オゾン破壊係数0.055)で、HCFC−22の世界の大気中の濃度は増加しています。
世界の大気中の主なHCFC濃度の変化
出典:気象庁ホームページ(http://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/cfcs_trend.html)(外部サイトへリンク)
HFCはオゾン層を破壊しないものの、温暖化係数が高いことから段階的に生産及び消費を削減していくことになっています。
主なHFCはHFC−32(温暖化係数675)、HFC−125(温暖化係数3,500)、HFC−134a(温暖化係数1,430)、HFC−143a(温暖化係数4,470)で、気象庁のホームページのデータでは、HFC−134aの世界の大気中の濃度は増加しています。
世界の大気中の主なHFC濃度の変化
出典:気象庁ホームページ(http://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/cfcs_trend.html)(外部サイトへリンク)
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