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公開日:2025年5月21日

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調査研究のテーマ

令和7年度

環境科学部門

化学物質環境実態調査

環境省委託事業

化学物質審査規制法の指定化学物質やPRTR制度の候補物質、非意図的生成物質、環境リスク評価及び社会的要因から必要とする物質等の環境残留状況を把握するため、高松港における水質、底質、生物の汚染状況を実態調査する。

「海の活力」に関する研究

植物プランクトンに含まれる成分を指標成分とし、その分析方法を確立する。また、海水中の指標成分を測定し、現存する植物プランクトン量(これを「海の活力」と称することとする)の推定を行う。

ニッポンバラタナゴの遺伝子解析
ーニッポンバラタナゴ香川個体群の遺伝子モニタリングー

ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴは、外見からの識別は困難なことから、遺伝子解析により両亜種の判別を行っている。香川個体群の遺伝子モニタリング調査を実施する。

小規模事業場における排水処理に関する研究

小規模な食品工場から生じる高負荷の廃水について、省スペース・低コストで処理する方法の開発に向け、主に嫌気性処理法を用いて最適な処理条件を検討する。また、食品工場からの排水は、場合によっては着色するなど通常の排水処理方法では処理が困難であることから、導入が容易で安全で簡便な着色排水の脱色処理方法を開発する。

府中湖水質浄化対策手法の検討

府中湖水質浄化対策手法として、ろ過材を用いた水質改善、二枚貝による水質改善、ミジンコによる水質浄化などについてラボおよびフィールド試験を実施し、導入効果を検証する。

シミュレーションモデルによる水質変化の予測

瀬戸内海水環境研会議合同調査

各海域での水質変化を予測するためのシミュレーションモデルを試算的に実施し、モデルを正しく理解して扱うための一定の知識と技術を習得するとともに、その結果について、共同で取り組むべき課題を抽出する。

特定外来生物クビアカツヤカミキリの侵入検知に関する研究

クビアカツヤカミキリは、平成30年1月に特定外来生物に指定されたサクラ・モモなどのバラ科樹木を食害する外来昆虫である。令和7年2月末までに15都府県で被害が確認されており、本県にも今後侵入するおそれが高い。クビアカツヤカミキリの対策は早期発見・早期防除が重要であることから、幼虫が排出するフラスを用いた遺伝子検査法を確立するとともに、野外での確認調査を実施する。

光化学オキシダント濃度上昇をスポット的に緩和する技術の開発

光化学オキシダント濃度は屋外イベントが多い初夏から盛夏期に高くなりやすいが、効果的な防護方法がないため、
イベント会場など限定的な範囲において、ドライミストで還元剤を噴霧し、オキシダント濃度を低減する方法を開発する。

植物残渣の堆肥化における最適条件の解明

香川県試験研究機関共同研究(農業試験場)
温室栽培の生産性向上のために行う加温とCO2施用には化石燃料を使用しているが、これを、大量に発生する古葉や植物残渣を温室内で堆肥化(分解)して得られる発熱とCO2で補うことで、カーボンニュートラルの推進や栽培コスト削減を図る。
センターは、堆肥化の際に発生する悪臭の強度や原因物質を調査する。

大気中のPRTR届出物質の迅速調査法の確立

PRTR届出物質を扱っている事業所で事故が発生した際、緊急に避難が必要かを迅速に判断するための、大気汚染物質調査方法を開発する。
災害時のVOCsの迅速測定への活用を検討する。

検査の効率化や情報発信に資する資材・技術開発

煙道排ガスやアスベスト、環境モニタリング、その他の調査作業の効率化、環境学習や情報発信の強化に資する素材や、新技術の導入などを検討する。

災害時等における大気中の揮発性有機化合物(VOC)の迅速な分析方法の検討

災害時に一時避難した住民の安全を確保し、その後のQOLを高めるためには、避難場所の化学物質に関する安全性を確認する必要がある。このため、有害物質を簡便、迅速に測定できる検査方法の開発が必要となっている。
有害物質のうち迅速性が求められる揮発性有機化合物について検討することとし、被災地で、電源や特殊な装置を必要としないサンプラーによる検体採取方法と、液体窒素を使用しない分析方法について検討する。

気候変動による暑熱・健康等への影響に関する研究

国立環境研究所、地域気候変動適応センター等との共同研究
近年の気候変動に伴うリスクの増大に適切に対応するため、気象学的特徴を把握する。WBGT計等による観測データと気象情報、リスクデータ等を活用したリスクの分析手法(影響評価モデル)の検討を行う。
R6年度から、高齢者住居における暑熱状況の調査を行う。

気候変動による暑熱対応(熱中症予防)に関する研究(ハザードマップによる啓発)

香川県の熱中症リスクを啓発する資材として、衛星情報等から広域的な暑さ指数などの暑熱環境に関する「暑さハザードマップ」を作成し、暑熱から身を守る行動変容が認められるか調査する。

気候変動による暑熱対応(熱中症予防)に関する研究(室内環境改善)

気候変動による気温上昇に伴い悪化している室内の暑熱環境を緩和する技術として、「窓用断熱・調光シート」と「香川型高設溶液栽培を活用した緑化資材」の開発と効果検証を行う。あわせて、所内に設置したこれらの資材の普及を図るため、研究展示を行う。

香川県の河川等における水温の長期変動傾向について

香川県の河川の特徴を踏まえた気温上昇に伴う水温、水質への影響を検討するため、過去の水温や溶存酸素量、水素イオン濃度等の測定データを解析し、長期変動傾向を把握する。併せて、長期変動傾向から、気温上昇に伴う将来の河川水温の上昇を予測し、水温上昇による水質の変化や生態系への影響等についても検討する。

砂浜からのプラスチックの回収・分離方法に関する研究

海岸に漂着したプラスチックごみが、紫外線等によって劣化し、波等によって小さなプラスチック片となったマイクロプラスチックは、その大きさや形状などからマクロプラスチックに比べ回収が困難であるため対策が遅れており、効果的・効率的な回収・分離方法の開発が望まれている。そこで、磁力・風力・分級などを用いて、砂浜からのマイクロプラスチックの回収・分離方法について検討を行う。

生活圏域から排出されたマイクロプラスチックの河川等での実態に関する研究

香川県試験研究機関共同研究(産業技術センター、水産試験場)

河川部から沿岸部にかけて存在するマイクロプラスチック数やサイズの分布について調査を行い、生活圏域から排出されたマイクロプラスチックの実態を示すと同時に、NR染色法を用いたマイクロプラスチックのより簡易な同定手法についての検討を行い、簡易な同定方法の一つとして活用する。

連携プラットフォームを活用した環境流出マイクロプラスチックの発生抑制に関する研究

国立環境研究所と地方環境研究所等の共同研究(2型共同研究)

プラスチックごみによる海洋汚染の効果的な対策推進や効果の検証には環境流出プラスチックごみの汚染実態の把握が重要である。そこで、国環研・地環研連携プラットフォームを軸にマイクロプラスチック調査方法の共通化と実態把握調査を実施し、調査データの共有に取り組み、地域特性に応じた発生抑制対策を検討する。

保健科学部門

香川県で分離された腸管出血性大腸菌の分子疫学解析

厚生労働科学研究国立感染症研究所を中心とした協力研究

感染症法に基づき届出があった腸管出血性大腸菌を用いて、血清型別、ベロ毒素型別、遺伝子解析を行う。遺伝子解析は、PFGE法、MLVA法を実施し、分子疫学解析の結果を比較・解析する。

香川県内の薬剤耐性遺伝子の検出状況調査

カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症等の感染症法5類全数把握として届出のあった薬剤耐性菌株を対象に、県内の検出状況について調査し、感染症予防対策の支援に活用する。

香川県内で分離された結核菌の分子疫学解析(VNTR)調査

香川県内で結核感染症の届出があった菌株を対象に分子疫学解析(VNTR)を実施し、香川県の結核患者から分離された結核菌について、感染源・感染経路等の究明の支援を行う。

全国地研ネットワークに基づく食品およびヒトから分離されるサルモネラ、大腸菌、カンピロバクター等の薬剤耐性の動向調査

厚生労働科学研究国立感染症研究所を中心とした協力研究

ヒト及び食品から分離される食中毒起因菌(サルモネラ属菌、大腸菌、カンピロバクターコリ/ジェジュニ)の薬剤耐性試験を実施し、国内の薬剤耐性菌の分布状況を把握するため国へ情報提供する。

感染症の動向

感染症発生動向調査に基づき、県内で発生した感染症の病原体検出状況について疫学解析し、感染症予防対策に活用する。また、感染症法に規定された対象疾病以外の疾病についても検査を行い、動向を把握する。

日本脳炎ウイルス流行予測調査

感染症流行予測調査委託事業

ヒトに重篤な急性脳炎をおこす日本脳炎ウイルスは、豚と蚊の間で感染環を形成しているため、豚血清中の当該ウイルスの抗体価を測定し、県内における蔓延状況を調査する。

次世代シーケンサーを用いた臨床検体からのウイルス遺伝子検出

起因病原体が不明の病原体検査においては、現状ウイルス種ごとに設計された複数の遺伝子検査系を実施しているが、検査対象としたウイルス種しか結果が分からない。そこで、次世代シーケンサーを用いた一度の検査で検体中に含まれるウイルス遺伝子全てが網羅的に検出できる方法の検討を行う。

ウイルス分離培養検体を用いた次世代シーケンサーによる病原体検索

感染症発生動向調査により搬入される検体について、病原体検索を従来のPCR検査に加え細胞培養を行い、ウイルス分離できた検体から遺伝子を次世代シーケンサーにより解析することで、さらなる病原体探索を実施する。

ノロウイルスの遺伝子解析

食中毒事例や胃腸炎集団発生事例及び感染症発生動向調査事業で得られた糞便等からノロウイルスの遺伝子解析を実施する。

アデノウイルスの遺伝子解析

感染症発生動向調査事業で実施しているアデノウイルス検査は、陽性となった検体について、PCR産物をサンガーシーケンスにて遺伝子型別を決定している。しかし、昨今アデノウイルスの遺伝子型は多種にわたり、また稀に遺伝子組み換え型も存在するため、遺伝子型の決定が困難な場合もある。そこで遺伝子型別が決定できなかったアデノウイルスについて、ウイルス培養後の検体を用いて次世代シーケンサーによる全ゲノム解析を実施する。

日常食中の汚染物質摂取量調査

厚生労働科学研究の一環として国立医薬品食品衛生研究所で実施している分担研究に協力

日常食中の汚染物質(ダイオキシン類等について)の摂取量調査研究であり、全国9機関が参加している。

食品添加物一日摂取量調査

厚生労働省の委託事業の一環として国立医薬品食品衛生研究所を中心として実施している調査研究に協力

国民が日常の食事を介して摂取する添加物量を把握し、食生活の安全性を確保することを目的としたもので、地域別試料調製とその分析を、全国9機関で分担して実施している。

畜水産物中の残留動物用医薬品の確認検査法の検討

当課では「畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査」において、通知法に準じた一斉分析法を用いて養殖魚介類の検査を実施している。一方、微生物課及び食肉衛生検査所では鶏卵や食肉中の残留抗生物質の簡易検査を実施しており、陽性となった場合は当課への確認検査依頼となる。現在、一斉法での分析が困難な抗生物質等については検査体制が十分とは言えない状態にあるため、これらの分析法を検討し、より実用的な検査体制の構築を目指す。

食品中に含まれる保存料・甘味料分析法の妥当性確認

ISO/IEC17025では試験法の妥当性確認が求められている。当センターにおける食品中の保存料・甘味料分析法について、食品種類ごとに妥当性を確認する。
R6年3月に「食品中の食品添加物分析法の妥当性確認ガイドライン」が示されたため、以降はガイドラインに従って実施する。

食品添加物(甘味料)迅速分析法の検討

「食品中の食品添加物分析法の妥当性確認ガイドライン」により試験法の妥当性確認の方法が示されたことを機に、より迅速な甘味料の分析法を検討し、行政検査への適用を目指す。

 

 

 

 

 

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環境森林部環境保健研究センター

電話:087-825-0400

FAX:087-825-0408