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公開日:2023年3月31日

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農薬のポジティブリスト制度と
ドリフト防止対策(飛散防止対策)について

平成18年5月29日から「ポジティブリスト制度」が導入されました

農薬使用の際には、これまで以上に「想定外」の農薬残留に注意して下さい。

食品衛生法が改正されて、平成18年5月29日よりポジティブリスト制が施行されました。
ポジティブリストでは、農薬等が一定量をこえて残留する食品の販売等が原則禁止されます。
これまでどおり農薬の使用基準を守って適正な使用に努めるとともに、目的以外の作物にはできるだけ農薬がかからないようにすることが大切です。
とくに周辺作物に「飛散させない」ように注意することが、これまで以上に必要です。(ドリフト防止対策)

農薬の飛散(ドリフト)に気をつけましょう

目的以外の作物に農薬が飛散(ドリフト)すると、思いもよらない残留事故につながります。
ドリフトによる残留事故を防ぐために、農薬散布にあたっては散布前から以下の点に注意しましょう。


近接作物がある場合は、農薬を散布する前に次の確認をしましょう

その作物のタイプからみて農薬検出のリスクが大きいかどうか確認する

  • 重量が軽く、付着面積が大きいほど濃度は高くなる。(軽量な葉菜類)
  • 可食部に直接飛散が及ぶものほど濃度が高くなる。(根菜類より葉菜類)

【残留しやすいもの】

葉菜類(軽量)

小型の果実

果菜類

葉菜類(重量)

果実(皮をむかないもの)

果実(皮をむくもの)

穀類

可食部が地下にある作物(根菜・芋等)

【残留しづらいもの】

 

収穫時期がいつになるかを確認する

  • 時間経過とともに分解・消失するので、収穫時期に近いとリスクが高い。

散布予定の農薬が近接作物にどのような基準が設定されているかを確認する

  • 残留基準値(または暫定基準)が設定されていない場合は、一律基準として0.01ppmが適用される。
  • 基準値設定状況の確認方法は以下のページで行うことができる。
基準値の例(ppm)
食品名 レタス きゅうり にんじん 水稲 びわ みかん
農薬A 5 5 0.01 1 0.01 5
農薬B 5 5 0.1 1 1 1

 

用いる散布方法が飛散が大きいものかどうかを確認する

  • 粉剤、液剤よりも粒剤などの方が飛散しにくい。
  • 日頃行っている散布の飛散状況を確認する。

【粒径が小さく、ドリフトしやすい】

粉剤

DL粉剤

液体で噴霧する剤・通常ノズル

液体で噴霧する剤・ドリフト低減ノズル

粒剤、パック剤

【粒径が大きく、ドリフトが比較的少ない】

 

これらの基本情報から、どの程度対策が必要かがある程度分かります。散布する農薬が近接作物にも登録がある場合は、安心度は高くなります。


農薬の飛散を減らすため、散布時の基本的事項を励行しましょう

風の弱い時に、風向きに注意

  • 農薬の飛散の最大要因は風。風のない日や弱い時刻を選び、散布する。
  • 散布中でも強めの風が出始めたら、中断する。

散布の方向や位置に注意

  • 農薬は対象とする作物だけにかかるように、できるだけ作物の近くから散布する。
  • ほ場の外側から内側に向かって散布する。

適切なノズルを用いて適正な圧力で

  • 粒径が細かいほど、圧力を高めるほど飛散しやすい。

適正な散布量で

  • 散布水量が多くなるほど飛散割合が増加。葉面が濡れたらそれ以上は散布しないなど、無駄な散布はしない。
  • 作物のないところでは、ノズルを止める。

タンクやホースをしっかり洗浄

  • 異なる作物に同一の散布機を使用する場合、タンクやホースに前回使用した薬液が残っていたり付着していれば、残留の原因になる。

さらに、次の点にも注意しましょう

近接作物の栽培者との連携を

  • 散布の必要性や実施のタイミングを情報交換しましょう
  • リスク回避策を協議しましょう

遮へい物や緩衝地帯を設ける

  • ネットや植物をほ場間に設置する
  • 近接作物を直接シートで一時的に覆う
  • 飛散が及ばない距離で緩衝地帯を設定する

対策の必要度や実施可能な対策はそれぞれの現場ごとに異なりますので、これらの対策をいくつか組合せながら柔軟に対応を図っていくことが肝要です。

近接作物から基準値を超える農薬が検出された場合、その原因を把握できるよう農薬の使用記録をしっかりととっておきましょう。

御相談は農業改良普及センターまたはJAグループ香川県(営農経済センターほか)へ

・東讃農業改良普及センター0879-42-0210
・小豆農業改良普及センター0879-75-0145
・中讃農業改良普及センター0877-62-1022
・西讃農業改良普及センター0875-62-3075

ポジティブリスト制度、ドリフト防止対策に関するホームページ(外部リンク)

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このページに関するお問い合わせ

農政水産部病害虫防除所

電話:087-814-7317

FAX:087-814-7318