福祉・介護 お仕事インタビュー

精神保健福祉士・
谷本和也 若葉

入所した方の生活の一部となって、その人らしい選択や生き方を支援します。本人の思いを社会に伝える代弁者でもあります。

谷本さんの資格取得ルート
  • 保健福祉系大学
  • 国家試験
  • 精神保健福祉士

精神保健福祉士 谷本和也

精神保健福祉士とは

医療機関や社会福祉施設などで精神に障害のある人に対し、日常生活への適応や社会参加に必要な支援を行う。住まいや就労の場など生活に関する相談に応じるほか、周囲の社会環境に働きかける役割も担っている。

現場に立つ専門職へのあこがれ

高校生の頃から「将来は一般職よりも専門職につきたい」との希望を持っていました。大学入学当初は心理学科で学んでいたのですが、「現場に出られるチャンスは福祉のほうが多い」と思ったことがきっかけで、大学に入り直して精神保健福祉士の資格を取得することにしました。
大学3年生の時にさまざまな職場でボランティアをしましたが、一番印象的だったのは精神科病院での体験でした。精神科に対して漠然と抱いていたイメージと、障害による生活のしづらさを抱えた患者さんが社会復帰をめざして治療に取り組む姿とのギャップに考えさせられ、「患者さんのそばで関わっていくことで、周囲の間違った思い込みを変えていきたい」と思ったことが今の仕事を選んだ動機になっています。

支援計画で生活を支える

現在働いているグループホームは、病気や障害のある方が専門スタッフのサポートを受けながら少人数で共同生活を送る施設です。私は「サービス管理責任者」として入居している方の個別支援計画をつくり、それをもとに他のスタッフとともに買い物や調理など生活面での支援を行っています。
「グループホームを出て、より地域に近い場所で生活したい」という希望が出た場合はアパートや別の施設を紹介しますが、地域社会で孤立することがないよう、支援体制を整える関係者会議を開き、グループホーム外の関係機関にご本人が抱える課題やサポートの引き継ぎを行います。
社会に出てみたがうまくいかず、グループホームに戻ってくる方もいますが、挑戦は一度で終わるものではありません。あきらめずに再び地域に戻ろうと努力する姿に、私たちも勇気をもらっています。

トラブル対処が成長のカギに

グループホームの生活は自由度が高く、退所した方が訪ねてきてくださったり、仕事に通ったりすることもできます。「貯金で冷蔵庫が買えた!」といった目標を達成した時の笑顔が見られると、とても嬉しく思います。
集団生活ですから性格の違いなどによる衝突も起こりますが、トラブルの経験は悪いこととは限りません。スタッフは「なぜ言い争いになったのか?」と振り返る手助けを行い、話し合いを繰り返しながら相手の気持ちや自分の考えを整理していきます。大切なのは次に同じようなことが起こったとき冷静に対処できるかということであり、施設を退所した後のことを考えると、今のうちにトラブルに直面して「解決が難しい問題」への対処方法や感情の整理の仕方、人とのつき合い方を身につけておくことが望ましいと思っています。誰かに相談することに慣れていると、思い詰めてしまう前に「どこかへ相談に行こう」という選択肢に気づきやすくなるため、孤立を防ぎやすくなるメリットもあります。

精神保健福祉士を志望する方へ

精神保健福祉士は、障害のある方が伝えられないことを社会に向かって発信する代弁者としての役割も担っています。悩みを解決できないこともありますし、「できないことはできない」と伝える難しさもありますが、グループホームでの仕事は入居している方の生活や人生の一部となってその人らしい人生の選択を支える、大変やりがいがある仕事です。信頼関係を築くことが大切なので、人が好きで、積極的に誰かの手助けをしたいと思う方は選択肢の一つとしてぜひ考えてみてください。さまざまな経験をしてきた方たちをサポートしているので、私たちが勉強させていただくこともたくさんあります。福祉の仕事に興味がある方は、将来の働き方をイメージしやすくなるので、必ず一度はボランティアなどに参加することをおすすめします。