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公開日:2020年12月10日

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[初夏の風景と農業技術] 夏が来る、田植えと蛍

景技初夏の風景と農業技術

夏が来る 田植えと蛍

初夏の讃岐路は、ゆる抜きと田植えの季節。
ため池から水田に向かって、水がほとばしり、里山の清流には蛍が淡い光をともします。
島ではオリーブ、浜では浜昼顔やハマボウフウが花を咲かせます。

飯野山の写真

景半夏半作

麦の取り入れが終わると、田植えの季節が始まります。池のゆる抜きが始まると、シツケミズとか、アラミズを入れるといって、畦(あぜ)をつけるための水を入れます。畦ができると、再び水を入れて代掻(しろか)き。代掻きが終われば、いよいよ田植えです。田植えの始まりを「サイケ」、他にもサイキ、サンバイオロシなどというところもあります。「サイケ」には、神棚と田んぼの水口にお神酒や花、お洗米などの供え物をします。“ゴオウサン”の札を立てるところも多くあります。

田植えが済んだ日は東讃では「サノボリ」、西讃では「サンバイ」。讃岐では「半夏半作」といって、夏至から数えて11日目にあたる7月2日頃までに田植えを済ますようにしていました。

お田植えまつりの写真

主基斎田「お田植えまつり」/綾川町の主基斎田では、毎年6月下旬の日曜日に「お田植えまつり」を開催しています。

お田植え祭の写真

鉾八幡宮のお田植え祭/三豊市財田町の献穀田では「鉾八幡宮のお田植え祭」が行われます。

宝あなたの残したい讃岐の”おたから”提供 ふるさとおたから情報

「香川県のホタル狩り」
高松市の香東川の上流やまんのう町の金倉川流域のほたる見公園、三豊市の帰来川や大水上神社、さぬき市の門入の郷などでもホタル狩りを楽しむことができます。

6月上旬頃、丸亀市垂水町の土器川生物公園では「土器川ホタルまつり」。毎年6月第2土曜日には「しおのえホタルまつり」が開催されます。

「神谷(かんだに)神社の蛍(坂出市神谷町)」
神谷神社近くの水路で蛍が光っているのをよく見かけます。一箇所から一斉に蛍が飛び立つ、美しい情景を見ることもあります。

 

「田野々の蛍(観音寺市大野原町五郷田野々)」
豊稔池を過ぎて柞田川沿いに、ゲンジボタルを多く見ることができます。

蛍の写真

技虫送り

イネの成長を虫の被害から守るために行われる「虫送り」。珍しいところでは、丸亀市広島で「オガオクリ」、直島町では「ノマツリ」、三豊市山本町辻では「デンデコ」などと呼ばれていました。

丸亀市本島では、旧暦6月1日に近い日曜日に「泊の虫送り」が行われます。護摩札を立てながら集落を周り、途中で捕まえた虫を小さな船に乗せ沖に向けて送ります。

土庄町肥土山では7月1日に「稲虫送り」を行います。1661年から続く伝統行事で、肥土山離宮八幡宮には、夕方6時を過ぎて、「火手(ほて)」と呼ばれるたいまつを持った人々が集まってきます。また、7月上旬には小豆島町中山の千枚田で「虫送り」の行事が行われています。

虫送りの写真

中山の虫送り/映画のロケがきっかけで復活した中山地区の「虫送り」。棚田に連なる炎の行列が幻想的です。

さぬきのおたから総力取材

高見島の除虫菊

除虫菊という花を知っていますか。明治元年(1868~69)に日本に持ち込まれ、蚊取り線香などの原料として栽培された花です。香川県では島嶼部を中心に栽培されていたといい、高見島でも除虫菊をたくさん栽培していたそうです。開花時期には島全体が白い花でいっぱいになり、その様子を『多度津町誌』では、「あたかも白雪におおわれたようになり、その景色は実に見事なものであった」と表現されています。蚊取り線香の原料として使われるのは、除虫菊の白い花の部分。乾燥させて出荷していました。高見島では男性の多くが漁業に携わっていたため、除虫菊の栽培は主に女性の仕事。子どもたちも花を摘むのを手伝いました。摘んだ花は藁で編んだかごなどに入れ、山からふもとへ運び、むしろの上に広げて乾燥させていたそうです。

参考:多度津町誌編集委員会編 1990『多度津町誌』

当時の写真1 当時の写真2

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