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令和6年7月から、国道11号大内白鳥バイパス改築事業に先立って、東かがわ市小砂に所在する「小砂大木遺跡」の調査を行っています。現在、調査対象地のうち北側半分の調査が終了し、少しずつ遺跡の詳細がわかってきました。
ここでは、令和4年度の試掘調査で鎌倉時代から室町時代にかけての柱穴や溝が確認されています。また、遺跡南側の丘陵周辺には、室町時代ごろのものと考えられる五輪塔などが点在しています。これらから、遺跡周辺には、中世の集落が存在した可能性が高いと予想していました。しかし、この3ヶ月間の調査で、中世の遺構とともに縄文時代から古墳時代にかけての遺構・遺物も存在することが明らかになってきました。
第1調査区(写真1)では、縄文時代の深鉢の口縁部が出土しました(写真2)。水で丁寧に洗浄し、表面を観察すると、写真のように深鉢の口縁部下に粘土紐を貼り付けて廻らし、そこにヘラなどで刻み目を施していることがわかります(写真3)。縄文時代晩期の「刻目(きざみめ)突帯文(とったいもん)土器(どき)」の破片と考えられます。事前の予想に反して、調査地周辺ではかなり古くから、人々の生活が営まれていたことが明らかになりました。
10月以降、この刻目突帯文土器が出土した地点の西側でも調査を行う予定です。さらに縄文時代の遺構・遺物が見つかる可能性も考えられます。今後の調査の進展や成果については、順次ホームページにて公開していきます。
写真1 第1調査区南端(北西から) | |
写真2 縄文土器が出土した様子 | |
写真3 刻み目が施された土器 (刻目突帯文土器) |
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