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香川県埋蔵文化財センターでは、都市計画道路錦町国分寺綾南線拡幅工事に先立って宮脇町一丁目遺跡(高松市宮脇町)の発掘調査を4月から行っています。遺跡は高松城下町の南東部にあたり、江戸時代には五百羅漢を祀る寺と知られた祥福寺(しょうふくじ)があった場所ですが、現在は開発が進み、市街地となっています。
現在調査を行なっている調査地北端部(1区)では、東側の半分以上がビルの基礎で破壊されていました(写真1)。しかし、幸いにも調査区西端の幅約1.5mの範囲で、江戸時代末の柱や溝、廃棄土坑(ゴミ捨て穴)の跡(写真2)が見つかり、そこから陶磁器や土師質土器、燈明(とうみょう)皿(ざら)(灯りを灯す道具)、瓦といった様々な遺物がたくさん出てきました。これらはかつて存在したお寺との関連を思わせます。これらのあった地面をさらに深く掘削すると、水の流れがあったことがわかる川砂層が見えてきました。この近くを流れていた香東川の古い流れの跡と考えられます。(写真3)。
調査は南に移動しつつ、7月末まで実施する予定です。北端の1区では複数の瓦・様々な燈明皿等、お寺を連想させるような遺物が見つかりましたが、残りの2・3区ではどういった手がかりが得られるのか、楽しみです。 (5月16日)
写真1 1区全景(南から) 右半分以上が建物で壊れた跡 |
写真2 見つかったゴミ捨て穴 |
写真3 一番下が川砂層 |
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