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公開日:2020年12月10日

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魚料理の基本

瀬戸内海に面し新鮮な魚介類が手に入る香川県では、魚の種類に合わせてそれぞれの持ち味を生かした数多くの調理方法が生まれてきました。刺し身・焼き物・煮物など調理法と魚の相性、それぞれの特徴を理解しレパートリーを広げるのに役立ててください。

刺し身

魚本来の味を十分に楽しむ料理。鮮度の良さを清潔に仕上げてタイミングよくいただきましょう。

仕立て方

  • 霜作り
    • 〈湯霜〉
      さく取りした身を皮目を上にして、まな板に置き、ふきんをかける。板を斜めにし、ふきんの上から熱湯をかけ、すぐに氷水に取る。皮が美しく美味しい鯛・こち等に向く。皮霜作りともいう。
    • 〈焼き霜作り〉
      節切りにした身に金串を打ち、表面だけ強火で焼き、氷水に取って冷やす。サワラ・あいなめなど。
  • 洗い
    皮を引いてそぎ切りにし、氷水に入れて洗う。表面の脂が落ち、身に弾力がでる。鯛・すずき・ひらめ等の活け魚に向く。
  • 昆布〆
    昆布のうま味を添えてしめる方法。節か切り身にして薄塩をあて、2枚の昆布ではさみ、1時間弱おく。鯛・ひらめ等に向く。

切り方

  • 平作り
    身に包丁を垂直にあてて、まっすぐに引いて切る。身の薄い魚には向かない。
  • そぎ作り
    薄く幅広く作る切り方。身の薄い魚や洗い・昆布〆にする場合に向く。
  • 薄作り
    透き通るくらい薄くそぐ。ふぐ・ひらめなど身のしまった白身の魚に向く。
  • 細作り
    5mm位の細切りにする。身幅の細い魚は斜めに、身の厚い魚はそぎ切りにしてから細く切る。さらに細く切ると糸切り。
  • 八重作り
    3~4mm幅に切れ目を入れ、次に同じ幅で切り落とす。皮つきの霜作りのときにあう。
  • たたき
    細切りにしてから包丁の刃でたたく。薬味や味噌を加えてたたくこともある。あじ・タチウオなど。

焼き物

焼き目の香りで魚の風味とうま味を楽しむ料理。加熱時間が比較的短くすむのもうれしいですね。

焼き物の種類

  • 直火焼き
    塩焼き・つけ焼き・照り焼き・殻焼き
    〔魚を串に刺したり・焼き網にのせたりして直接火の上で焼く。〕
  • 間接焼き
    天火焼き・蒸し焼き〔高温の対流の中で焼く〕
    包み焼き・フライパンや鍋を用いて。

焼き方

  • 「強火の遠火」が理想的なので、焼き網は二重構造を選ぶとよい。
  • 盛り付けたとき、表になる側から焼く。表6分、裏4分の焼き加減。
  • 網焼きの場合は、焼き網をよく焼いておくか、油または酢を塗っておくと魚が網につかない。
  • 串焼きの場合には、魚の種類や大きさに適した串を選び、焼き上がったらすぐに串を回し、串を抜きやすいようにしておく。
  • ムニエルの場合は、小麦粉は焼く直前にまぶして余分な粉ははたく。粉をつけてから時間を置くと焦げやすくなるので注意。フライパンをよく熱してから焼く。

煮物

魚のやわらかい感触を楽しむ料理。味つけを上手に使い分ければ、鮮度の落ちはじめた魚や冷凍魚もおいしく変身します。

  • 鍋は魚を並べたときに重ならないように、底が平らで浅いもの(平鍋)が適している。
  • 魚によく味がしみるように皮に包丁目を入れる。身のくずれやすい魚の場合、包丁目を入れた竹の皮や経木を鍋底にしくとよい。
  • ひたひたの煮汁を一度沸とうさせた中に、盛り付けたとき表になる側を上にして入れる。
  • 味が平均にいきわたり、魚の身くずれを防ぐために落としぶたをして煮る。落としぶたがない場合はアルミホイルで代用するとよい。ときどき煮汁を回しかけて味を含ませる。
  • 火加減は、魚を入れてから煮立つまで強火、その後は沸騰が続く程度に火を弱めて煮あげる。ただし、弱めすぎると水っぽくなるので注意。

揚げ物

高温での加熱が、魚の周囲を香ばしく、内側は一気に熱が入るために素材の持ち味がとじこめられ、二重のうま味が楽しめる料理。

  • 揚げ鍋は厚手で底の平らなものが適している。
  • たっぷりの油で揚げる。
  • 油の温度は材料によって異なるが、170℃~180℃の中温で揚げるとカラリと揚がる。冷凍品や大きな1尾ものの魚は160℃から徐々に温度を上げていくとよい。
  • 材料の水気を十分とり、油がはねないようにする。
    天ぷらの場合、衣は粉が残っている程度のサラッとした状態に作りうすくつけて揚げる。
  • フライの場合、衣をつけたら10~15分ねかせ、なじませてから揚げる。
  • 材料は、鍋の手前から向こう側に泳がせるようにして静かに入れる。
  • カラッと揚げたら油をよく切り、揚げ網にたてかける。またペーパータオルを敷くと手早く油が切れる。

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